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青山ハッピー研究所 ハピ研

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今の時代の気分やリアルコンシューマーを読み取る一冊。

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本とお酒の出会いが想像力を羽ばたかせる

「NPO法人シブヤ大学」と「ハピ研」のコラボレーションによる公開授業「Happy Dialog Deck」。「ブックと星空とウイスキー」をテーマとした今回は、ブックディレクターとして活躍する幅允孝さんを講師に迎え、読書をしながらのウイスキーの楽しみ方について特別授業を開講しました。教室となった青山・ニッカ ブレンダーズ・バー支配人の平野和也さんにもご協力をいただきながら、幅さんが選んだ本に平野さんが相性の良いウイスキーを合わせるなど、「本×ウイスキー」のコラボレーションにも挑戦。さらに受講生の皆さんが持ち寄った「星空」にちなんだお気に入りの本を肴にしながら、ほろ酔い気分の中で終始笑顔の絶えない和やかな授業となりました。

特別授業:「シブヤ大学×ハピ研 〜Happy Dialog Deck 2010〜しあわせな時間〜」
テーマ:「ブックと星空とウイスキー」

開催日:2010年7月17日(土)
会場:青山・ニッカ ブレンダーズ・バー
講師:幅允孝さん(ブックディレクター、有限会社BACH代表)

発想を変えると読書の可能性がどんどん広がる
〜バーで読むのも、寝転んで読むのもよし

今日の講座は、「ブックと星空とウイスキー」というロマンチックなタイトルが付いています。昼間からお酒を飲みつつ楽しく本について語り合おうという企画、とてもいいですね。僕はお酒も大好きで、ビール、ワイン、焼酎、そしてウイスキー、何でも飲みます。お酒がもたらしてくれる、いつもの自分から少し逸脱する感覚が好きなんです。職業柄、読書は毎日しますが、最近は妻子が寝静まった後、リビングのソファーに寝転んでウイスキーや焼酎を嘗めながら本を読むのが、一番幸せな時間。ところで、日本では、本は神聖視され過ぎているというか、急にアカデミックな雰囲気が漂う気がしませんか。僕はそう感じていて、なぜか襟を正して読まなくてはならない、途中で止めたら負けという対決姿勢のような緊張感の伴うツールになってしまっているのではないかと。でも僕はもっと本の読み方は自由でいいと思っています。静かなバーでお酒を飲みながら一対一で対峙する読書もあれば、だらっと寝転んで読むのもまた一つの読書じゃないかと思っています。「バー読」、これもなかなか面白い提案ですよね。

【バー読】

"バーで本をつまみにお酒を楽しみましょう"というニッカウヰスキーからの提案。授業の会場となった青山・ニッカ ブレンダーズ・バーでは、ウイスキーと相性の良い本をセットにした「オリジナルブックメニュー」を提供しています。
>>バー読:本をつまみにウイスキーに酔う

グラスを傾けながら星空に思いを馳せる

■『星座を見つけよう』×「竹鶴17年」

夏の日にお酒を飲みながら語り合いたい本はなんだろうかと考え、ふと夏の夜空が思い浮かんでセレクトした絵本が、『星座を見つけよう』です。ドイツ生まれのハンス・アウグスト・レイという絵本作家の作品ですが、『おさるのジョージ』の作者と言った方が分かる人が多いかもしれませんね。彼は星空が大好きで、星にまつわるエッセイなども書いています。訳者の草下英明さんは、かつて「星のおじさん」というポジショニングで、テレビで科学解説をしていた素敵なおじ様です。内容を少し説明しますね。どの季節にも夜空を見上げれば見える星、しかし子どもたちは最初、星座の存在を疑っています。だって線が見えないのですから。そんな子どもたちに、同じ星でも光り方や色や明るさは違っているよと語りかけ、サインを際立たせて、一つひとつの星を結び付けていきます。確かに星と星をつなぐ線は見えないけれど、君の頭の中でこれとこれをつないだらヒシャクになったでしょ、もっとつないでみたらクマが現れたでしょ、という風に。決して押し付けではなく、湧いて出る発想をそのまま意識させてくれるという、そんな優しさを持った星座の絵本です。アンドロメダの姫の物語など、小さな逸話も入っています。

さて、この絵本に合うウイスキーを、青山・ニッカ ブレンダーズ・バー支配人の平野和也さんに選んでいただきましょう。お願いします。

平野イメージを頂戴して、星を眺める時は「ほんわり」した気持ちだなあと、まず思いました。それから夏の夜空は、天の川や流れ星のイメージがあり、凛とした冬の夜空とは違って、もっとこう滑らかで少し動きのある感じ…。そこでチョイスしたウイスキーが「竹鶴17年」というピュアモルトウイスキーの水割りです。名前はちょっと硬いのですが、私どもニッカウヰスキーの創業者が竹鶴政孝という名前なのです。17年ですから、17年以上貯蔵されたモルトウイスキーの原酒をかけ合わせて造られました。「竹鶴17年」は、味わいが豊かで立体的な感じがあり、水割りにしても負けませんが、香りは「ほんわり」として優しいんですね。皆さん、鼻を近づけてみてください。華やかで優しい香りがしませんか。この香りは、スペインのシェリーというお酒の樽で長年貯蔵することで醸し出されるものです。

とても優しい香りがします。少し時間が経って氷が解けてきましたが、ちょうどよい頃合いはあるのでしょうか。

平野お好みでいいと思いますよ。薄めがいいという方も、逆を好む方もいますし。徐々に香りが変わるのも楽しんでいただきたいです。

答えが一つではないから楽しいのでしょうね。ところで、最近、猫も杓子もシングルモルト、という風潮がありますよね。後ほど紹介しますが村上さんの『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』を読んでも、確かにシングルモルトは何て素敵なお酒なんだろうと思いますが、一方で、ブレンドの良さがもっと語られてもいい、その素晴らしさを知らないのはもったいない、とも思うのです。もし世の中にシングルモルトしかかなかったら、世界中には200種類ぐらいしかウイスキーがないことになりますよね。ブレンドするからこそ、組み合わせによって無数のウイスキーを楽しむことができるし、シングルモルトとはまた異なる味わいが僕は好きです。

平野詳しくない方に簡単に説明しておきますと、シングルモルトのシングルとは、一つの蒸溜所という意味です。ですので、シングルモルトは蒸溜所の個性が強く出ます。一方、ブレンドウイスキーは複数の蒸溜所のウイスキーを混ぜており、とてもバランスがいい。癖のある方をとるか、飲みやすさをとるか、というところでしょうか。

実は僕、こないだ「竹鶴21年」をいただいたんですよ(笑)。ストレートで飲みましたが、異様なうまさに驚いて、すぐに飲んじゃいました。このウイスキーで、ブレンドウイスキー(※ブレンデッドモルトウイスキー)は凄いと、認識を改めさせられたんです。

平野竹鶴21年は、ワールド・ウイスキー・アワードという世界的な品評会で、2年連続でナンバーワンを受賞しています。一口に21年といいますが、赤ちゃんが成人するまでの時間ですから、長い長い時間です。その間にまろみが出て、色づき、いろいろなフレーバーがついてくるのです。しかし、熟成は長ければ良いというわけではなく、ピークがあって後は少しずつ落ちていきます。竹鶴にはもう一つ35年がありますが、30年以上良い状態でいられるケースは多くありません。

美味しいウイスキーをいただいて、この場もだいぶまろみが出てきたところで、本の話を進めましょうか。しかし、気をつけないと、酔っぱらってきますね(笑)。

■『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』×「フロム・ザ・バレル」

ちょうど、この講義の内容について打ち合わせを始めた頃に読んでいた一冊で、『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』です。NHK のドキュメンタリー番組として放送されたものをより掘り下げてまとめた本なのですが、これがとても興味深い内容の連続です。簡単に概要を説明すると、JAXA(ジャクサ、宇宙航空研究開発機構)という民間会社が、宇宙飛行士の中途採用を行うんですね。応募した夢見る数千人から合格者が絞られるまでの試験の様子を追い、実名もそのままリアルに紹介しています。特に何が面白いのかというと、試験の内容です。書類選考や語学、面接などは想像の範囲ですが、最終試験では宇宙船と同サイズの完全な密室空間で集団生活をさせられます。ここでの行動によって宇宙飛行士としての適正が判断されるという。宇宙飛行士は優雅な職業に見えますが、プライベートなど微塵もないものすごく狭い空間で、限られたエネルギーや食料を使って、何とか目的の遂行と帰還を果たさなければならない。そんなタフなシチュエーションを乗り越えられるかを判断するため、試験では次々に無理難題が与えられます。例えば、「ロボットをつくれ」とか「その場を盛り上げろ」とか。この本を読んで、実は宴会の幹事に向いた人が受かる素質があるのでは、と思いました。困った時に重要なのは、技術的な知識よりも、皆を励ますことのできる姿勢のようです。だから、明るく歌を歌う人が意外にも高得点を得ていました。非常に面白い本ですが、この内容とウイスキーを結び付けるのは、かなり難しいだろうなと思いつつ、平野さんにバトンタッチしたいと思います。

平野子どもの頃、鉄腕アトムになりたかったのですが、宇宙飛行士になりたいとは思わなくて良かったと、この本を読んで感じました(笑)。最終試験で一週間、カプセルの中で共同生活を送る様子はカメラでチェックされており、想像するだけで大変です。カプセルから出られたときは、きっとホッとしたでしょうし、人間的にも成長している様子が想像されました。そのイメージで選んだのが、「フロム・ザ・バレル」というブレンデッド・ウイスキー。「樽から出てきた」という名称の通り、樽出しで51.4%の強いアルコール度数がコンセプトです。このウイスキーは、個性的なウイスキーの原酒をブレンドし、もう一度、樽で熟成させます。これを再貯蔵、英語ではマリッジ(marriage)、結婚といいます。ウイスキー同士をなじませ、いろいろな個性を混ぜ合わせてなめらかにするのが目的です。度数は強いですが、ストレートで味わっていただきましょう。いかがでしょうか、香りゆたかで味も濃いですが、決してツンツンした感じがなく、強さと優しさを兼ね備えた味わいを楽しんでいただけると思います。用意したやや苦味のあるチョコレートも一緒にお召し上がりください。

ああ、チョコレートといただくと、一層、まろみが増しますね。ところで、よくチョコを食べるタイミングを迷うのですが、ウイスキーを口に含む先と後のどちらが良いのでしょうか。正解がないとは思いつつ、平野さんがどうされているかを教えていただきたいのですが。

平野私の場合は、ウイスキーの後ですね。ウイスキーの苦味が少し残っているくらいのタイミングで合わせるのがおすすめです。

会場は青山・ニッカブレンダーズ・バー。ブックコーディネーターの幅さん講師と、本好きの受講生約20名がウイスキーを飲みながら、和気あいあいとした雰囲気の中で授業を行ないました。

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プロフィール

幅允孝さん(はば・よしたかさん/ブックディレクター、有限会社BACH代表)

人と本がもうすこし上手く出会えるよう、様々な場所で本の提案をしている。六本木ヒルズ「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」、新宿マルイアネックス「Brooklyn Parlor」、阪急メンズ館「THE LOBBY」などのショップにおける選書や、千里リハビリテーション病院、スルガ銀行ミッドタウン支店「d-labo」のライブラリ制作など、その活動範囲は本の居場所と共に多岐にわたる。最近では、東北大学の「book+cafe BOOOK」の選書を手掛ける。無類のお酒好きでもある。
>> www.bach-inc.com