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青山ハッピー研究所 ハピ研

「人がしあわせを感じるモノやコトって、何だろう?」衣・食・住・美など生活に密着したテーマでその答えを考える“しあわせ探しの情報サイト”

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ハッピーダイアログ | 注目!の30代が先達をたずね未来をさぐる

「食とこころ」第4回 公開授業「Happy Dialog deck〜未来の幸せを探る〜」/伊藤志歩さん・三原寛子さん

今まで3回にわたり、「食とこころ」についてじっくりと考えてきたハッピーダイアログ。最終回となる今回は「シブヤ大学」とのコラボレーションにより、「やさい暮らし」代表の伊藤志歩さんと料理ユニット「南風食堂」を主宰する三原寛子さんのお二人が講師役となって、特別授業「Happy Dialog deck〜未来の幸せを探る〜」を開講しました。授業のメインテーマは「佐藤初女さんの言葉(キーフレーズ)」。本企画の第2回で紹介した「森のイスキア」主宰の佐藤初女さんと伊藤志歩さんの対談の中から、伊藤さんご自身が心に残った言葉(キーフレーズ)を振り返りながら、食のエキスパートである三原さん、また授業に参加した30名の生徒さんたちと一緒に「幸せ」について考えてみました。

特別授業:「Happy Dialog deck〜未来の幸せを探る〜」
開催日:2009年5月16日(土)
協力:シブヤ大学/会場:KANZANあきち
講師:伊藤志歩さん(やさい暮らし 代表)/三原寛子さん(南風食堂 主宰)

初女さんの言葉
「『おいしい』と感じた瞬間、その人の中でパッと何かが変わる」

伊藤初女さんとの対談の中で、私が特に心に残った言葉が7つほどありました。

1つ目は「『おいしい』と感じた瞬間、その人の中でパッと何かが変わる」
2つ目は「調理する心はその人の生きる姿そのもの」、
3つ目は「『食』は大事だからこそ、心のこもったおいしい料理を」
4つ目は「『野菜』にかけたやさしさは、必ず食べる人にも伝わる」
5つ目は「生まれてきたのは、人に“仕える”ため」
6つ目は「奉仕とは、自分が一番大事にしていることを手放すこと」
7つ目は「苦しんで苦しみ抜いた後に、刷新がやってくる」

という言葉です。どれも素敵な言葉ですが、さて皆さんはどの言葉が気になりましたか?

生徒「『おいしい』と感じた瞬間、その人の中でパッと何かが変わる」とは、どんなお話しの中で出てきたフレーズなんですか?

伊藤この言葉は「イスキアを訪れる方が、どんな時に初女さんに心を開くのですか?」と質問を投げかけたときに出てきたもの。イスキアの来訪者の中には自分の心のうちを初女さんに聞いてもらいたいんだけど、一方であまり深いところまで話し出せないという人も多いそうです。でも、一緒に美味しいものを食べているうちに自然と心が開いていき、自然に話しだしてくれるそうなんですよ。

三原私も「食」が人の心を開かせる感覚はよくわかります。南風食堂でイベントに参加した時などに、初めて会う人同士で一緒に料理を食べるということがあるのですが、最初は緊張しているものの、同じものを食べているうちに共通の何かが芽生えて、パッと打ち溶けていくということがよくあります。

伊藤ここで初女さんが使っている『おいしい』という言葉の意味は、舌で感じるものではなくて、心に響くという意味だと私は解釈しています。例えば、初女さんのおむすびは特別な米を使ったりしているわけではありませんが、口にするとおむすびの美味しさが心に響いてくるんですよね。何でここまで美味しいと感じるのかなと思ったら、握手をしてもらったときに分かったんです。初女さんは私の手を両手で包んで20秒くらいふんわりと握って下さったのですが、このやさしい手で包まれたら米も「おいしくなるしかない」と納得してしまいました。

三原初女さんはお漬物を漬けるときも、状態に合わせて何度も漬物石を変えるなどして、手間隙をかけられていると聞きました。野菜や米と対話して「食」を作る丁寧さが感じられますね。

伊藤イスキアにいらっしゃる方は、初女さんがそんなふうに丁寧に心を込めて作ってくれた料理を口にすることで、自然と「この人が私を受け入れてくれる」という感覚になるんでしょうね。だから、自然に心を開いて話しをすることができるのかな、と思います。

三原食べるということは、お互いを受け入れるということなんですね。料理を食べる人にとっても、そして、作る人にとっても。

伊藤どこかで「食べ物を出されるということは、その人が存在することを肯定されていることである」との話を読聞いたことがあります。初女さんが振る舞ってくれたたくさんの料理を食べていると、確かに自分が存在することを許されているんだなぁ、という感覚になりましたね。

三原「食」というもの自体に力があって、それを伝えようと初女さんが思っていらっしゃるから、心に響く美味しさが実現できるのかもしれませんね。

初女さんの言葉
「苦しんで苦しみ抜いた後に、刷新がやってくる」

三原それでは、生徒さんに次の気になる言葉をお伺いしましょうか。

生徒「苦しんで苦しみ抜いた後に、刷新がやってくる」って、どんな流れで出てきた言葉なんですか? 「食」とは関係なさそうですが・・・

伊藤「食」から発展して、もっと広く人生の問いかけみたいなところまで初女さんにお伺いしたんですよ。そのときに初女さんからいただいた言葉が「苦しんで、苦しみ抜いた後に、刷新がやってくる」。苦しみを苦しみとして受け止めるか、やり過ごしてしまうか。それによって、その後が大きく変わると初女さんはおっしゃいました。

三原苦しみって、「こうありたい」という自分と相対するものなのかなとは思っていました。

伊藤私の場合も「やさい暮らし」を始めてから、苦しんだことも沢山あります。そういうときは、初女さんの言うように苦しみ抜いくんです。すると、その後に見えてくることって、本当にあるんです。

生徒仕事上で壁にぶつかることがありますが、妥協してしまったときよりも、悩み抜いて動いたことが成功に結び付いたときにこそ喜びを感じます。

三原悩みぬく中での一歩がなければ、全体も変わらないんでしょうね。

生徒あと、初女さんのような穏やかな方が「苦しい」というのは真逆な感じもしましたが・・・。

伊藤そうなんですよ。対談の中で初女さんがおっしゃった「私も苦しいですよ」という言葉にはびっくりしました。初女さんの活動はとても軽やかにみえるので。初女さんのような方でも苦しみはあるのだから、どこに行っても「苦しみ」というものはあるんでしょうね。

三原きっとみんなそれぞれに「苦しみ」があるんでしょうね。それをどう乗り越えていくかというところが大切なのかな。きっと、苦しみながらも「やさい暮らし」を順調に経営している伊藤さんを見て、勇気付けられている人がたくさんいると思いますよ。なんだか素敵な話です。

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プロフィール

伊藤志歩さん
(いとう・しほ)

1973年生まれ。カメラマンとして勤務後、フランスや日本各地を撮影して回り、「自然や農」の美しさに目覚める。千葉の農村に移住し、地元の有機野菜の流通会社でwebサイトを使った野菜の販売などを行い、2006年7月に株式会社アグリクチュールを設立。同年9月、安全な有機野菜を消費者にお届けするセレクトショップ「やさい暮らし」を立ち上げる。ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスターの資格を持つ。著書に『畑ある生活』(朝日出版社)、さらに2009年4月に『やさい暮らしをはじめませんか』をポプラ社より上梓。
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三原寛子さん
(みはら・ひろこ)

1974年生まれ。料理ユニット「南風食堂」主宰。味はもちろんのこと、食感、色、音、空間を含めたよりよい「食」の場のプロデュースを目指す。食に関する企画提案や編集物の制作、雑誌やWEBでの料理紹介なども行う。各種パーティでのフード提供もなかなか好評。またシブヤ大学授業企画コーディネーターとしてユニークな授業を手掛ける。著書に「スープの本」(主婦と生活社刊)、「南風食堂のおはこ料理」(双葉社) 他多数。
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