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青山ハッピー研究所 ハピ研

「人がしあわせを感じるモノやコトって、何だろう?」衣・食・住・美など生活に密着したテーマでその答えを考える“しあわせ探しの情報サイト”

ハピ研について

ハピ”プロ”インタビュー | 「その道のプロ」にインタビュー。そこに在る「しあわせ」をレポート

人にも地球環境にもやさしい、純和製国産Tシャツを作りたい。/久米信行さん

昨今、外国産Tシャツが市場を席巻する中、オーガニックコットンを使用した国産Tシャツの製造こだわる久米繊維工業株式会社。1935年創業の老舗国産Tシャツメーカーは、現在3代目の久米信行さんが家業を継いだことで、心温まる精神と多様なアイディアをクロスさせながら社内のIT化が進み、かつての老舗企業は大きく変貌を遂げた。そのクオリティの高さが本物を求める若者たちから支持され、さらに環境保護への積極的なアクションが各方面の関心を呼ぶ、注目の企業に。AllAboutTシャツガイド、明治大学商学部講師など様々な顔を持ち、「日本でこそ創りえる」Tシャツを世に送り出す久米信行さんのじっくりとお話を聞きました。

日本でこそ作り得るものを作っていこう

中国製製品など、安価なプロダクトが市場に流通するなか、久米繊維では国産Tシャツを製造されています。それはどうしてでしょう?

私たちは1935年創業の老舗Tシャツメーカーですが、先代が日本におけるTシャツ製造の先駆けとなる国産アウターTシャツを開発しました。以降、1970年代日本発のブランドが続々と創成された時代に生産を担当するなどしてきました。以前は大量生産メーカーでしたから、どんどん外国製にして安くしていくという道もあったわけです。しかしあえて志高く、日本でこそ作り得るものを作っていこうと思い、デザインや品質など、日本の良い部分をどんどん発掘しながらTシャツにしております。また3つの品質が大事だと、いつも考えています。まずは着心地や長持ちするかという「機能品質」。これには素材が大きく影響します。次に「環境品質」。私たちの場合はエコロジーという観点からオーガニックコットンやグリーン電力を使用しています。そして「文化品質」です。ただデザインが和柄というのではなく、着た時の優しい心地、そして製品が長持ちする点も特徴です。これは江戸時代の「もったいない文化」にも通じると考えています。こうした懐かしい雰囲気が、若い人たちにも響くみたいなんですよね。

なぜ、若者を中心に久米繊維ブランドが注目を集めているのでしょうか?

以前、墨田区教育委員会の方が「最近の若者は夢がない」と仰っていました。そもそも格好良い夢を語る大人が少ないし、格好良い仕事をしている大人もいない。そんな中でどうも彼らの将来像が先細りしてしまっているようだ。だからこそ、むかし格好良く輝いていた時代のモノとか人物とかに憧れるんじゃないか、と。それと若い人たちからは「もっと発表の場が欲しい」という話もよく聞きます。自分の作品を展示したり、売ったりする場所ですよね。インターネットの進歩で、買う人とデザインする人の垣根がなくなってきた時代ですから、Tシャツをメディアにして彼らが自己表現できればいいなと考えています。

ITの喜びよりも、コミュニケーションの喜び

久米さんが家業を継ぐまでの経緯をお聞かせください。

私は長男で、小さい頃から職住一致の環境で育ちましたから、刷り込みがあったのでしょう。知らず知らずのうちに「家業を継ぐ」という意識を持っていました。ただ大学卒業後は異業種での修業をと、ゲーム会社に就職。ファミコンのソフトメーカーで飛び込みセールスを担当したんです。そのときに、相手の役に立つ情報を自分の足で稼ぎ、そして伝えると喜んでもらえることが縁を作ることに繋がると学びました。ちなみにそれは今、私自身がインターネットで様々な発信をしている原点にもなっています。その後、バブル崩壊を証券会社勤務時に迎えて天国と地獄を体験しました。家業に戻ったのはそのあとです。


私が会社に戻ったときに、アップル社のコンピューター「マッキントッシュ」が世に出ていました、ちょうど90年代に入ってから少したった頃。当時わが社は大量生産メーカーとして業績は伸びていましたが、そろそろデザイン機能を高めようと考えていたんです。そのときにちょうど自分でMacを使い、Tシャツをデザインする機会に恵まれました。大好きなジョン・レノンのイラストをモチーフにしたTシャツだったんですが、それがヒットしたんです。そのとき、「Tシャツは誰かが作ったものを着るんじゃなくて、自分でデザインする時代が来る」と直感したんです。伝えたいものがある人が発信する時代が来るな、と。

そんな久米さんの斬新な考えが、会社全体にどのような影響を与えましたか?

様々なアーティストやインディーズ・デザイナーを応援するコラボレーション企画や、エコロジーを意識してグリーン電力やオーガニック・コットンを生かしたモノづくりが増えました。うちはメーカーでしたから、最初の頃は「社長、狂ってますよ」「面倒くさいから止めてください」なんて言われていたのが、お客様の支持もあって少しずつ認められるようになりました。結果的に時代を先取りした格好になったのです。その取り組みの過程で、自分のビジョンや夢を持った人たちと繋がりを持てるようになりました。そういうピュアな精神を持った人たちと仕事していくうちに、私たちも変わっていったのです。その中で、一緒に働く社員のモラルも上がりました。「エコなTシャツを作ってくれてありがとう」と感謝されることも増えました。やはり幸せな瞬間とは、誰かに「ありがとう」といわれることなんだと思います。

「T-galaxy.com」通販サイトの開設や「All About」でのTシャツガイドはじめ、ご自身のブログも多い久米さん。老舗企業にどのようなIT化をもたらしましたか?

色々なIT化があると思うんです。工場をオートメーション化するのもひとつですが、社員が主人公になってやる気になってもらうことも重要です。うちの社員は3年前からブログやメルマガをやっています。最初は嫌々だったかもしれませんが、インターネット上でお客様はもちろん、見知らぬ誰かが自分の書いたものを読んで感想をくれたり、あることを検索にかけると、うちの社員のブログばかりヒットしたりする。それがとても嬉しいんですね。インターネットは自分の隠れた部分を磨いてくれる人や思いがけない縁や出会いをもたらしたり、普段から会っている人の隠れた本質を知ることにも役立ちます。こうして私の実体験を社員に広めながら、会社のIT化を図りました。ITの喜びと言うよりはコミュニケーションの喜びに近いですね。

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プロフィール

久米信行さん

1963年、東京・墨田区石原町生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、ファミコンゲームソフトを企画開発するイマジニア株式会社に入社し、飛び込み営業を経験する。1988年、日興證券株式会社に転職し、営業開発部で相続診断システムの企画開発に携わる。1991年、久米繊維工業へ入社、1994年に3代目として代表取締役に就任。1995年、「T-GALAXY.com」を立ち上げ、老舗TシャツメーカーのIT化を推進。日経インターネットアワード(1997年)、経済産業省IT経営百選 最優秀賞(2004年)など受賞多数。現在、第2創業期に邁進し、日本でこそ創りえる久米繊維謹製Tシャツを世に問いている。AllAbout Tシャツガイド、明治大学商学部講師、東京商工会議所IT分科会長、墨田ブランドアップ推進会議委員、NPO法人CANPANセンター理事など、幅広いフィールドで活躍を続ける。
»T-galaxy.com
»AllAbout Tシャツガイド

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