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青山ハッピー研究所 ハピ研

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ハピ”プロ”インタビュー | 「その道のプロ」にインタビュー。そこに在る「しあわせ」をレポート

地域社会の中の映画館が生活に“幸せ”をプラスする/梶原俊幸さん

かつて“映画の街”として賑わった横浜・黄金町で、唯一、営業を続ける映画館がシネマ・ジャック&ベティ。2つのスクリーンで、旧作と新作を同時に上映する個性的なミニシアターです。じつはジャック&ベティも、時代の流れには逆らえず、2005年に一旦閉館しましたが、現在は、支配人の梶原俊幸さんをはじめ、3人の若者が運営しています。「映画が日常に溶け込んでいた、かつての光景を取り戻したい」という思いを抱く梶原さんのお話は、映画が私たちの生活にもたらしてくれる喜びや豊かさを、改めて思い出させてくれます。

怪しげで下町的な黄金町の雰囲気に魅せられた

シネマ・ジャック&ベティの特徴についてお話ください。

シネマ・ジャック&ベティ

名作2本立ての名画座「ジャック」、単館系作品のロードショー館「ベティ」の2つのスクリーン、さらにプロジェクター付きのカフェを併設する、黄金町唯一の映画館です。旧作と新作を同時に上映するとともに、監督や作品の特集上映、映画祭、さらにトークショーや音楽ライブなど、映画館としてはかなり多彩なイベントを企画しているのが特徴ですね。歴史は古く、1951年、東映名画座が前身。1990年頃、改築を機に改称し、映画興行師として有名な福寿祁久雄さんが運営していた。聞く話では、ブルーの内装のジャックではチャンバラや西部劇といった男性向け映画、赤色の内装のベティではロマンスなどの女性向け映画を上映していたとか。今ではなかなか考えられない趣向ですよね。段々と知る人が減ってきましたが、かつての伊勢佐木町や黄金町といえば、映画館が密集し、横浜港に届いた洋画のフィルムがいち早く封切られる“映画の街”。しかし、時代の変化には逆らえず、しだいに映画館の数はまばらになり、ジャック&ベティも、2005年に閉館しました。その後、別会社がネットシネマなどの上映館として復活させて、2007年3月、私たちが運営を引き継いで現在に至ります。

梶原さんが運営を引き継いだきっかけは?

私は横浜生まれですが、吉祥寺で育ちましたので、黄金町のことはほとんど知りませんでした。初めて黄金町を訪れたのは3年ほど前で、現在の同僚である浅井と小林が横浜の会社に勤めていたのがきっかけ。その頃には、以前、黄金町にひしめいていた違法な風俗店は摘発により一掃されていましたが、同時に人がいなくなって、すっかり寂しい街になっていました。それでも、色々な国籍の人たちが行き交う街並みにはまだ、怪しげで下町的な雰囲気が残っていて、「こういう場所にこそ、文化が根付くのでは」と強烈な印象を受けました。ジャック&ベティを初めて見たのも、その頃。シネコンに人気が集まる中で、「よくぞ残っていたな」と思いましたね。ともあれ、そんな経緯で黄金町に魅せられ、浅井、小林も含めた3人で、ジャック&ベティを拠点として黄金町を活性化するための活動を始めました。すると、ジャック&ベティの運営会社から、「いっそのこと、運営してみないか」という話が。こうして3人が会社を辞め、運営会社のエデュイットジャパンを立ち上げました。

映画が日常に溶け込んでいる光景を取り戻したい

お客さんの反応はいかがでしょうか。

一度閉館していたものですから、最初は苦戦しましたね。3人とも、なかなか給料が出ませんでしたから・・・(笑)。しかし、2007年の夏頃に上映した平和映画や戦争モノの反応が良く、以後、社会性の高い映画を充実させてからリピーターが増え、ようやく軌道に乗り始めました。これまでのヒットを振り返っても、『いのちの食べかた』『実録・連合赤軍』『靖国 YASUKUNI』と、やはりドキュメンタリーや歴史の作品が多いですね。横浜は、東京から最も近い「地方都市」であるために、色々な実験や「遊び」ができるというのが私の考え。例えば家賃は渋谷に比べてはるかに安いので、採算性に多少のリスクのある作品でも上映できる。そんな地の利を生かしながら、「東京まで行かなくても良い映画を観られる」「東京では観られない映画を観られる」と感じてもらえるラインナップを心がけています。

黄金町の街並みや雰囲気には変化が見られますか。

以前、風俗店だらけだった大岡川沿いには、最近、個性的なカフェやバーが現れています。映画を観たお客さんがそのエリアに流れ始め、まるで新宿ゴールデン街のような文化と飲食店のつながりができつつあるのはうれしい限り。もっと多くのお客さんを集め、地域の活性化に貢献したいですね。かつての黄金町を知る50・60代の地元の方々からは、「ずっと映画には不自由しないと思っていたのに、映画館がどんどん潰れてしまった。ジャック&ベティは頑張って」といった応援をいただくことがあります。今の多くの若者にとって、映画とは、デートやショッピングの合間に立ち寄るもの。でも、この街では、かつてのように映画が日常のひとコマとして溶け込んでいる光景を取り戻したいと思っています。

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プロフィール

梶原俊幸さん

1977年横浜生まれ、吉祥寺育ち。慶応義塾大学卒業後、4年ほどライブハウスに勤務。その後、学習塾やIT企業勤務を経て、2007年3月、浅井理央さん、小林良夫さんとともに株式会社エデュイットジャパンを設立してシネマ・ジャック&ベティの運営を開始し、同館の支配人となる。
»シネマ・ジャック&ベティ
神奈川県横浜市中区若葉町3-51
Tel.045-243-9800

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梶原俊幸さん

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