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CSRマネジメント CSRマネジメント

ステークホルダー・ダイアログ2014

「食の感動」を社会に届け続けるために必要な安定調達とは

現在、私たちアサヒグループが原料の安定調達のために抱えている課題は何か、調達活動においてどのように持続可能性を実現し、社会的責任を果たしていくべきか ― グループ各社で調達業務に携わる社員が集まり、外部有識者と調達先企業の方を招いたダイアログを開催しました。

「食の感動」を社会に届け続けるために必要な安定調達とは

アサヒグループ参加者(順不同)

  • 大塚 真司

    アサヒグループホールディングス(株)
    調達部門 マネジャー
    大塚 真司

  • 佐々木 智康

    アサヒビール(株)
    調達部 担当部長
    佐々木 智康

  • 近藤 佳代子

    アサヒ飲料(株)
    購買部 副部長 兼 購買グループリーダー
    近藤 佳代子

  • 中村 浩史

    アサヒフードアンドヘルスケア(株)
    SCM本部 調達部 部長
    中村 浩史

サプライチェーン全体でのリスクを考える

参加者たちからは、まず「ここ数年で需給バランスの影響から安定調達の難しさを肌で感じるようになった」「気候変動などによる調達リスクを痛感している」など厳しい現状認識の声が聞かれました。近年、干ばつや洪水、寒波などが地球規模で多発し、農産地が大きな被害を受ける一方、世界人口の増加によりさまざまな資源の急激な消費増が進んでおり、原料調達においても求められる量・品質の確保が困難になりつつあります。

有識者より、今後特に大きな調達リスクとなり得ると指摘を受けたのが世界的な水不足の問題です。2025年には世界の3分の2の人口が生活に必要十分な水を得られない状況になるとの予測もあり、多くの原料を海外各地から調達しているアサヒグループにも甚大な影響が見込まれます。「サプライチェーン全体で見ると水使用量が最も大きいのは原料を生産する農園で、工場など製造段階での使用量は数%に過ぎない」という事実が共有され、「生産者への節水指導」や「将来的な水リスクを考えた調達地域の選択」などサプライチェーンを意識した対策案が挙げられました。

生産者との関係を強化し、持続可能な原料調達へ

調達活動においては、現地政府が認可して合法であったとしても、それが熱帯雨林を伐採してつくった畑からの農産物で環境負荷が大きい、というケースもあり得ます。また、参加者からは「安く買うことばかりを求めると、生産者はより収益性の高い作物へ生産を切り換えていき、自社にとって必要なものが確保できなくなる可能性もある」といった懸念も聞かれました。

こうした課題の解決策の一つとして、持続可能な生産が行われている認証農園から原料を購入し、高付加価値商品として販売するといった差別化戦略についても議論が交わされました。認証農園には適正な対価を支払うことで、生産者の収入向上にもつながります。

参加者の共通意見となったのが、「調達の川上である生産者との関係をもっと強化していかなければならない」という点です。発展途上地域などでの栽培方法には改善の余地も大きく、生産者と協働した取り組みにより、品質と生産効率を上げながら環境負荷を低減していくことは十分に可能です。「従来のように取引先だけにすべて任せるのではなく、自社でも原料生産地に直接赴いて生産者とも協働を始めている」などの声も参加者から挙がりました。

ダイアログ終了後には「私たちが使用する原料は自然の恵みからもたらされるものばかりで、調達業務はCSRと深く関わっていることをあらためて認識した」「数年先ではなく、10年、20年先という長期的視野に立つことが必要だと感じた」などの感想が語られ、持続可能な調達に向けた想いを各人が一層強めました。

有識者コメント

(株)レスポンスアビリティ 代表取締役 足立 直樹氏

(株)レスポンスアビリティ
代表取締役
足立 直樹氏

原料なくしては始まらないのがメーカーの事業であり、それをどのように調達するかは自然環境や生態系に大きな影響を与えています。「環境や社会に配慮した調達は高コストになる」などの先入観を持たれることがありますが、実際には生産元への適切な指導・管理により生産性が向上して安定調達が可能になったり、企業のブランド力が高まることで売上が伸びたりなど収益面でもメリットの方が大きいのです。また、機関投資家の間では「原料の調達方法が持続可能なものであり、将来的な調達リスクが小さいか」を見極めて投資先を選ぶ動きも起きています。
CSRと調達の密接な関係について社内でもっと議論を深め、現場におけるバイヤーの一人ひとりが意識を変えていくことが非常に重要です。業界に先駆けて調達分野での新たなイノベーションを起こす役割を、今後アサヒグループに期待しています。

社外参加者コメント

住友商事(株) 糖質・飲料原料部 飲料原料チーム チームリーダー 古山 俊氏

住友商事(株) 糖質・飲料原料部 飲料原料チーム
チームリーダー
古山 俊氏

気候変動が引き起こす洪水や干ばつ、人口増加による資源・食糧の逼迫、水不足の問題など、企業の安定調達を脅かすリスクはさまざまありますが、いずれも事態が深刻化してからの対応では間に合わないものばかりです。広い視野でこうした状況をとらえ、サプライチェーン全体で情報共有や相互理解を進めていかなければなりません。当社でも住友商事グループの「サプライチェーンCSR行動指針」を制定し、持続可能な社会を目指した取り組みを推進しており、取引先であるアサヒグループの皆様ともますます連携を強化していければ幸いです。

ダイアログを終えて

アサヒグループホールディングス(株) CSR部門 ゼネラルマネジャー 佐田 朋彦

アサヒグループホールディングス(株)CSR部門
ゼネラルマネジャー
佐田 朋彦

アサヒグループの調達活動の場は国内外に広がっており、品質・量・コストを保った安定調達のためには長期的・グローバルな視点が欠かせません。今回のダイアログでは、まずそのことを皆で共有できたのが大きな収穫だったと感じています。従来の調達方法を急に大きく変えることは難しくても、CSR観点から目指すべきゴールに向けて、できることを一歩一歩確実に取り組んでいくことが大切です。これは調達部門に限らずマーケティングや生産部門、経営企画などさまざまな部署との協働により実現していくべきことで、今後いっそう社内のコミュニケーションを深めていきたいと思います。

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