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CSR・環境活動

循環型社会

微生物の力で循環型農業に貢献

菌の力でたい肥化を促進

アサヒカルピスウェルネス(株)の『サーベリックス』は、長年にわたる乳酸菌や腸内細菌の研究をベースに、微生物の新たな価値と用途を創出するための研究を進めた結果開発された、たい肥化促進剤です。『サーベリックス』は、納豆などにも含まれている「枯草菌」という菌の一種から作られており、野菜くずや家畜の排せつ物からたい肥を作るときに添加すると、発酵が促進されて短期間で良質のたい肥を作ることができます。
アサヒグループの飲料・食品事業の再編にともない、カルピス(株)がこれまでに手掛けてきた飼料事業などについては2016年1月に発足したアサヒカルピスウェルネス(株)が継承し、『サーベリックス』の製造販売も現在は同社が手掛けています。

『サーベリックス』を活用したたい肥を使っての農作業

循環型農業への貢献

世界の人口は新興国を中心に急激に増加しており、それに伴って世界的な食料不足が懸念されています。こういった状況に対応するために、畜産や農業などから発生する廃棄物を循環利用する「循環型農業」の重要性が高まっています。

アサヒカルピスウェルネス(株)は、『サーベリックス』を通じて循環型農業の効率的な実現に貢献することを目指しています。『サーベリックス』によって作られたたい肥は、農作物を増産させる効果を持っているだけでなく、たい肥の原料となる野菜くずや家畜の排せつ物の重量を大幅に削減することが可能です。したがって、『サーベリックス』を用いることにより、完成したたい肥の輸送時のエネルギー削減など、生産活動の全般を通じて効率的な運用ができるようになります。

アサヒカルピスウェルネス(株)は『サーベリックス』を通じて、今後も循環型農業の発展に貢献していきたいと考えています。

『サーベリックス』

研究開発担当者の声


アサヒグループホールディングス(株)
プロセス開発研究所 生産技術開発部
上杉泰介

微生物の力で大量生産・消費社会を変えていきたいです

微生物発酵という自然の力を最大限活用することで、“廃棄物→たい肥→農作物”という循環を実現させることが、『サーベリックス』の持つ最大の社会的価値だと考えています。
エネルギーを無駄なく効率的に再利用できるようにすることで、大量生産・大量廃棄型の社会を少しでも変えていくことが私たちの目標です。これからもさらに研究を進め、より高い技術の実現に挑戦していきます。

ビール酵母細胞壁から農業資材を開発

ビール醸造の副産物「酵母細胞壁」の可能性

たい肥化促進剤『サーベリックス』だけでなく、アサヒグループでは環境保全型農業を通じた世界的な食料問題への貢献を目指し、さまざまな研究を進めています。その一つがビール酵母を活用した農業資材です。

アサヒビール(株)ではビールの製造を行っており、醸造後には副産物としてビール酵母が残ります。この醸造後の酵母は天然素材ビール酵母『エビオス錠』の原材料として活用したり、分解して抽出した「酵母エキス」を調味料などの原料に活用したりしていますが、水に溶けない「酵母細胞壁」についてはこれまであまり有効活用できていませんでした。

しかし、この「酵母細胞壁」の活用について約10年の研究を行った結果、特殊な可溶化技術を用いて「酵母細胞壁」の植物への吸収性を高めることにより、植物の根の成長を促進させるとともに、植物の免疫力を高めることが分かったのです。

「酵母細胞壁」を活用した農業資材を使用したイネ(右)と通常栽培のイネ(左)

ビール酵母

新しい農業資材で環境保全型農業への貢献を目指す

そこでアサヒグループホールディングス(株)では、「酵母細胞壁」を活用した農業資材の開発に着手しました。試作した農業資材を使ってイネ・馬鈴薯・小麦・大豆・リンゴなどについて国内外で試験を行ったところ、収穫量は最大で従来の2倍以上に達することが分かりました。

今後アサヒグループでは、この農業資材を日本だけでなく東南アジアをはじめとした世界規模で展開することを目指していきます。それにより、農作物の生産性を上げて持続可能な方法での食料生産を実現するとともに、化学農薬の使用削減に結び付けることで、生物多様性を確保した環境保全型の農業に貢献していきたいと考えています。

水稲栽培の試験区

農業資材の共同研究者の声


北海道大学大学院 農学研究院
准教授
松浦英幸氏

今後の技術展開に期待

本研究は、ビール製造の副産物として得られるバイオマスを積極的かつ有効的に利用する新技術として注目に値します。
特に、農業への応用が見込まれる点に優位性があり、今後の世界規模の技術展開が期待されます。

『アサヒ 十六茶』の原料を乳牛用飼料に提供

アサヒ飲料(株)の主力商品『アサヒ 十六茶』の製造によって生じる“茶粕”は、以前は産業廃棄物として処理していましたが、現在は乳牛用の混合飼料の原料として飼料会社・雪印種苗(株)に提供しています。日本の家畜飼料の自給率はわずか約20%で、大半を輸入に頼らざるを得ませんが、飼料の原料となるトウモロコシなどが世界でも慢性的な供給不足になっていることから、代替資源の必要性が高まっています。そこでアサヒ飲料(株)は雪印種苗(株)と共同で『アサヒ 十六茶』の茶粕の分別や保管方法を工夫するなどのノウハウを蓄積し、2010年には飼料として本格的に供給することが可能になりました。

『アサヒ 十六茶』には穀物系の原料を多く使用しているため牛が好んで食べる傾向が強く、最大約25%まで飼料に配合できることもわかりました。2013年には『アサヒ 十六茶』の茶粕のうち約20%にあたる毎月約30トンを飼料に活用しており、今後はその比率をさらに高められるよう、茶粕の保管場所の拡充などを検討していく予定です。

『アサヒ 十六茶』粕の入った混合飼料を食べる牛

乾牧草など他の原料に『アサヒ 十六茶』粕を混ぜている