マレーシアで『WONDA』を売ろう! 〜共同開発ヒストリー〜

[グループ会社の取り組み]
アサヒグループホールディングス

―現地の人の嗜好を徹底調査し、マレーシア市場向けの味わいに

2011年11月、アサヒグループホールディングス(以下、アサヒグループ)はマレーシアの清涼飲料メーカーであるペルマニス社を子会社化した。同社は国内第2位の飲料メーカーで、米ペプシコ社の製品「ペプシ」「トロピカーナ」などの製造・販売を手がけている。一方で、自社ブランド商品も販売していたものの、その割合は全体のごく一部に留まっていた。

ベルマニス社

そこで、アサヒグループの一員となったのを機に、さらなる成長を遂げるため新たな自社商品を開発することに。マレーシア国内で急速に需要が伸びている缶コーヒーを売り出すことに決め、商品開発に着手した。
ところが、米ペプシコ商品のボトラーとして成長してきたペルマニス社は、いちから新商品を生み出すだけのノウハウや経験が十分ではなく、開発はなかなか進まない。そこで日本のアサヒグループから、マーケティングや商品開発の専門スキルを持つメンバーが送り込まれ、共同で開発に取り組むことになった。そして、日本でおなじみの『WONDA(ワンダ)』ブランドからマレーシア独自の商品を発売することが決定する。

ペルマニス社R&Dチーム WONDAをティスティング

ただし、『WONDA』の名前を冠する以上、変えてはいけないコンセプトが2つあった。それは「高品質であること」と「出来たての味にこだわること」。とくに「焼きたて」「挽きたて」「淹れたて」の味と香りを実現することが絶対不可欠だ。だが、その条件を踏まえつつ、現地の人たちに愛される味を作り出すのは、決して簡単ではなかった。
「一番苦労したのは、マレーシアの人たちが好む味にローカライズすることです。そこで、アサヒグループの人たちの協力を得て、アンケートなどを実施しながら、消費者の嗜好調査を進めました」と話すのは、開発担当のメイさん。アサヒグループが日本で培ったマーケティング手法を取り入れ、のべ3500人の消費者の声を集めて商品開発に反映させた。

ペルマニス社マーケチームの販促会議
          

―二社の力を結集した結果、予想の2倍以上の売れ行きに

こうした地道なリサーチと検証を積み重ねた結果、「オリジナル」「ラテ」「モカ」の3種類のフレーバーを発売することに決定。ペルマニス社が持つ強力な流通網を駆使して、2014年の1月中旬から本格的にコンビニエンスストアや個人商店の棚に並び始めた。さらにプロモーションについては、「マレーシアの人たちに、今までとは違う画期的な体験をしてもらいたい」というペルマニス社側からの提案があり、ユニークな広告を展開することに。

『WONDAオリジナル』、『WONDAラテ』、『WONDAモカ』の3品種
          

「5日間連続で新聞広告を出して、消費者の五感に訴える仕掛けをしたんです。1日目は手で触れる立体広告、2日目は3Dメガネで見る飛び出す広告、3日目はCMソングが流れる広告、4日目はコーヒーの香り付きの広告、そして5日目はコンビニで利用できるクーポンをつけた広告。いずれも消費者の皆さんに、『WONDA』とともにワンダフルな体験をしてもらいたいという思いから実施したものです」

店頭に並ぶWONDA

担当したマーケティング部のバイスプレジデント・ヘマさんの狙い通り、このプロモーションは大きな話題を集めた。マレーシアで初の試みとなった「五感に訴える新聞広告」は、現地の消費者に絶大なインパクトをもたらしたのだ。
こうして、アサヒグループとペルマニス社が持つ力を結集して誕生したマレーシア版『WONDA』は、2014年の目標売上の約2倍のペースで推移。一時期は店頭で欠品が相次ぐほどの売れ行きを見せている。

WONDAの新聞広告に触れるお客様
          

日本から商品開発に参加した杉山緑も、大きな手応えを実感している。
「今回の商品開発が成功したことで、アサヒグループが築いてきたマーケティング手法や商品開発技術が確かなものであることを、ペルマニス社の人たちにも理解してもらえたようです。昨年8月には商品開発専門の部署も創設されましたので、『WONDA』の成功体験を生かして、また新たな商品を生み出していきたいですね」
国境を越えた共同プロジェクトが、二社の連携をより強固なものにしたのは間違いない。今後も互いの強みを生かしながら、アサヒグループとしてマレーシア市場でのさらなる飛躍を目指す。

日本から参加したアサヒグループの杉山緑