「いただきますの日」に親子でお箸作りに挑戦!

[サステナビリティ]

 皆さんは11月11日が何の日か、ご存知だろうか?答えは、「いただきますの日」。「1111」という数字が並んだお箸に見えることから設定された日で、「いただきます」の言葉に込められた5つの感謝(自然、いのち、労働、知恵、周りの人への感謝)を通じて、心豊かな食卓や幸せな暮らしの時間を社会全体に広げていくためのプロジェクトを展開している。アサヒグループはこの理念に賛同し、2012年から毎年、「いただきますの日」プロジェクト普及推進委員会と共同で感謝祭イベントを開催。今年も東京都墨田区にある「すみだ水族館」とのコラボイベントや、真っ暗な中で食事をする「暗闇ごはん」などのイベントを行った。今回はそのうちのひとつ、「お箸作りワークショップ」の様子をレポートしよう。

―間伐材をカンナで削って"マイお箸"を作る

 「お箸作りワークショップ」は2012年のイベントから毎年実施されて、今年で3回目。開催された11月9日は日曜とあって、会場にはたくさんの親子連れが集まった。このワークショップは、アサヒビール株式会社が広島県に所有する「アサヒの森」の間伐材を利用して"マイお箸"を作ろうというもの。それぞれのテーブルには、カンナなど本格的な木工用具が用意され、席についた子どもたちはさっそく興味津々の様子だ。

 本日の講師を務めるのは、横浜市で注文家具店を営む湊 哲一さん。まずは湊さんから、間伐材は森の木々の一部を切り出したものであり、間伐を行うことで地表まで十分な太陽の光が届くようになって、森全体が元気になるという説明があった。そして、いよいよお箸作りがスタート。材料である杉材の表面を削り、お箸の形にしていく手順が説明された。

 子どもたちはそれぞれカンナを手に取り、教えられた通りに作業を開始。ほとんどの子が初めてカンナを触るだけに、最初は恐る恐るの様子。それでも、動かしたカンナからクルクル巻いた木屑が出てくると、「なんか出てきた!」「かつお節みたい〜」という子どもたちのはしゃぐ声が。最初はうまくいかなかった子も、湊さんから「カンナは両手で持って動かすと、力が入りやすいよ」といったアドバイスをもらいながら作業するうちに、コツを掴んできたよう。まだ小さい子は、お父さんやお母さんに手を添えてもらいながら真剣な表情で作業を続けた。

 子どもが疲れたら、途中で親と交代しながら、お箸作りに没頭する参加者たち。どのテーブルの上も、あっという間に削った木屑でいっぱいになり、杉材のいい香りが会場に広がった。こうして杉材の四面を削り、表面にやすりをかけたら、お箸の完成はもう目前。湊さんから「自分の親指と人差し指を広げて、長さを測ってください。その1.5倍が皆さんの手に合ったお箸の長さなので、印をつけてこちらへ持ってきてくださいね」と声がかかると、削る作業を終えた子どもたちが一人、また一人と湊さんのもとへ。のこぎりで自分の手に合った長さに切ってもらうと、自分の席へ戻って「見てみて、できたよー!」とうれしそうに親に自慢する微笑ましい姿があちこちで見られた。

湊 哲一さん

―本物の木に触れ、自然に思いを馳せる貴重な体験に

 早めに作業を終えた親子は、杉に続いてヒノキでもお箸作りに挑戦。希望者は仕上げにオイルを塗って、お箸を完成させた。世界で一組しかない手作りお箸を手にして、どの親子も満足そう。最後に湊さんからアベマキの木で作った箸置きがお土産として配られ、「杉やヒノキのお箸は長く使えるので、ぜひおうちで大切に使ってくださいね」という挨拶とともにワークショップは終了した。

 小学生の息子と一緒に参加した女性は、「子どもはあっという間に大きくなるから、こうして親子で一緒に何かをして過ごす時間はとても貴重。今日は本当にいい体験ができました」と笑顔を見せた。また、小学生の娘と参加した女性は、「実は昨年も、このワークショップに参加したんです。その時はこの子の姉と一緒に来たのですが、作ったお箸を持って帰ったら、この子がすごくうらやましがって。『私も行きたい!』と言うので、また参加させてもらいました。娘は『ヒノキってこんなにおいなんだね』と驚いた様子でしたが、東京に住んでいると本物の木に触れる機会があまりないので、今日はいい勉強になったと思います」と話してくれた。

 アサヒグループホールディングス(株)CSR部門の松香容子は、今回のワークショップを企画した理由をこう語る。 「お箸は『いただきますの日』を象徴するアイテムです。それを自分の手で作ることで、このプロジェクトが提唱する"5つの感謝"につながる何かを感じ取って頂けるのではないかと考えました。いつも皆さんが使っているお箸が、もともとは自然の木材で作られていることを改めて知り、その背景にある森林のことや生物多様性、食物連鎖などに思いを馳せるきっかけになれば嬉しく思います」

 そして何より、自分で作ったお箸で食べるご飯の味は格別のはず。ワークショップの参加者たちは、毎日食卓で「いただきます」を言うたびに、きっと今日の体験を思い出すことだろう。

「アサヒの森」って?
「アサヒの森」の起源は、1941年、アサヒビール(株)の前身である大日本麦酒が広島の山林を購入したことに始まります。これは、ビールびんの王冠の裏地に使用していたコルクの輸入が戦争のために途絶えた場合に備えて、アベマキの樹皮を代用品として確保するためでした。結果的には王冠の裏地には使われませんでしたが、戦後、山林はアサヒビールに引き継がれることとなりました。その後半世紀以上に渡り、適正に管理されている森林を認証する『FSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会) FM認証』の取得や生物多様性保全の取り組み、間伐材の活用など、アサヒビール(株)は「アサヒの森」を守るための活動を続けています。

CSR部門マネジャー 松香容子