社員が参加し、被災地の復興を長期的に応援

[サステナビリティ]

―社員たちが現地に入って復興をお手伝い

 2011年3月11日に発生した東日本大震災。あれから丸4年経った今も、まだまだ被災地では復興に向けた支援を必要としています。しかも時間の経過とともに被災地のニーズは多様化・複雑化していて、その土地の特性や住む人たちの要望に合わせたきめ細かい支援策が求められています。

 アサヒグループは震災直後から、長期に渡って被災された地域と関わることを念頭に継続的な活動を行ってきました。震災発生後しばらくは、社員ボランティアによるがれきの撤去や物資の提供、義援金の支払いといった緊急対応的な支援が中心でしたが、それがひと段落すると「これからアサヒグループとして何ができるのか?」が社内的にも議論となりました。そこで2012年に入ると、社員たちが被災された地域を広く回り、復興に取り組む自治体やNPOから「現地で本当に必要とされているのは何か」をヒアリング。その中で「アサヒグループと一緒に力を合わせて復興を目指したい」と言ってくださる多くの方たちとの出会いがあり、さまざまな取組みにつながっていきました。

 なかでも力を入れているのが、アサヒグループの社員によるボランティア活動です。例えば、支援先のひとつである宮城県亘理町「おらほのいちご生産組合」。この町では津波による被害でいちごの栽培施設が壊滅状態となりましたが、「いちごを生産したい」という思いを持つ若手農家が集まり、NPO法人「農商工連携サポートセンター」の支援を受けて復興に向けて動き出しました。その思いに共感したアサヒグループも、一緒にいちご農家を応援することに。そして2013年9月、アサヒグループの社員34名が現地入りし、震災後初めてとなるいちごの苗の植え付けをお手伝いしました。また、2014年6月には前年に植えた苗の刈り取りをお手伝いするため、再び社員たちが現地を訪問。実は苗を植える以上に労力がいる作業のため、農家の方たちからも「手伝いにきてくれてありがたい。また来てほしい。」という喜びの声が聞かれました。さらに同年9月には、再び苗の植え付けをお手伝いするなど、一度きりでは終わらない継続的な応援を続けています。

「おらほのいちご生産組合」でのボランティア活動

―被災地の学校づくりや県外に避難する方の暮らしも応援

 宮城県東松島市で行われている「復興の森づくりと森の学校プロジェクト」にも、アサヒグループは参加しています。これは市が「一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」と連携しながら進めているもので、被災した小学校を再建するにあたり、地域の自然環境を最大限に生かした学校づくりの実現を目指しています。

 この学校建設予定地にも、アサヒグループの社員が何度も足を運んでいます。地域の人たちと一緒に森に入り、復興のシンボルとなるツリーハウスを建設したり、森の下草刈りや道の整備に汗を流したり。今年に入ってからも、展望デッキを作るワークショップに多数の社員たちが参加しました。一方で、2013年4月には財団理事長のC.W.ニコルさんと東松島市の担当者の方をアサヒグループ本社にお招きして、復興とまちづくりをテーマに講演会を開催。参加した約40名の社員からは「活動に感銘を受けた」といった感想が聞かれ、こうした交流が「未来を担う子どもたちのために役立ちたい」という思いを強めるきっかけになっているようです。

 また、県外へ避難されている人たちへの活動も行っています。住み慣れた土地を離れた方たちは、近くに知り合いも少なく、家に閉じこもりがちになったり、悩みや不安を抱えたりと、心身の健康を維持しづらい環境にあります。そこでアサヒグループは、震災直後から「県外避難者支援活動」をしているNPO法人「医療ネットワーク支援センター」の活動に賛同し、東京・浅草にあるアサヒグループ本社ビルで定期的に交流イベントを開催。同郷の人たちが集まる場を提供しています。こちらも毎回アサヒグループ社員がボランティアとして参加し、グループの商品をご提供したり、一緒にゲームなどを楽しみながら、参加者の方たちがリフレッシュできる時間をお届けできるよう頑張っています。また、子どもたちで作るダンスサークルの活動も応援していて、2014年5月にはアサヒグループ本社隣にあるホールで発表会を行いました。

「復興の森」でのボランティア活動 首都圏へ避難されている方へのコミュニティイベント

―長く関係を築いたからこそお手伝いできることがある

 こうして自治体やNPOと密に連携しながら、アサヒグループ社員も参加して、お互いに"顔の見える支援"を継続してきたことで、刻々と変化する被災地のニーズも把握できるようになりました。例えば、東松島市とのお付き合いが深まる中で、地元の方たちが「震災の被害でできてしまった遊休地や荒れた土地を何とか有効活用できないものか」という悩みを抱えていることを知ったのもそのひとつ。そこでアサヒグループから、これらの土地で大麦栽培を行うことを提案。すでに試験的な栽培が始まっています。

 復興を応援する取組みを担当するアサヒグループCSR部門の松沼彩子は、「東松島市が復興を加速するために設置した『一般社団法人東松島みらいとし機構』に、2012年から弊社の社員が出向するなど、地域の中に深く入り込みながら応援を続けてきた結果だと考えています。通常であれば、主に食品を扱う企業に対し、土地に関する相談をしようとは思わないはず。地域の方たちと長く関係を築いてきたからこそ、こうした課題を率直にお話しくだるようになったのだと感じています」と話します。また、これまでボランティア活動に6回参加したカルピス株式会社の本田優は、「私達グループ社員ができることは微力ではありますが、被災地に行って、見て知ること、聞いて知ること、得るものがあります。そして、活動によって被災地の方々と笑顔で交流できればこの上ない喜びです。震災の記憶を風化させないためにもこれからも参加し周囲にも伝えていきたいと思います。」と参加した感想を語ってくれました。

 今後もアサヒグループは、復興に向けた取組みを継続する事を決定。「ともに未来あしたへ~2020」というテーマのもと、『人を育てる』『人の暮らしを応援する』『人が集う場をつくる』事に貢献する取組みを実施してまいります。被災された方たちが心の底から笑顔になれる日が来るまで、応援を続けていきたい。それが社員みんなの思いです。

大麦の試験栽培を展開している圃場 カルピス(株)人事・総務部
担当課長 本田 優