アサヒグループホールディングス株式会社 統合報告書2016
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Asahi Europe Ltdは、グローバルプレミアムビールのパワーハウスとなることを目指しています。この目標を達成するために必要なブランド、ノウハウ及び人材はそろっています。アサヒグループホールディングス(以下、ホールディングス社)は、欧州で成功するべく、プレミアムビールブランドのリーダーになるという我々の目標の達成に協力的です。全社員が目標を共有しており、私はこの目標達成に向けた体制は盤石であると確信しています。2016年10月11日、我々は、Asahi Europe Ltdのスタートを祝うとともに、私はアサヒグループの一員としての明確な将来像を社員に示し、連帯感を高めました。ホールディングス社との統合作業は順調に進捗しており、今後は、シナジーの創出に注力していきます。また、『アサヒスーパードライ』を欧州におけるプレミアムブランドとして成功させることにも注力しています。大きな挑戦を目の前に、我々は大きなやりがいを感じるとともに、万全な準備をしています。ホールディングス社との関係は、非常に前向きで建設的です。最近の中東欧事業の取得はこれまで以上に大きな機会を創出することと確信しています。Asahi Europe Ltd CEOAsahi Europe Ltd(西欧事業)Hector GorosabelLetters from CEOs2017年3月にクロージングした中東欧事業の買収対象は、西欧事業と同様にSABMiller社が保有していた中東欧5ヵ国(チェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア)の製造・販売会社及びピルスナービールの元祖である『Pilsner Urquell』などのグローバルブランドとなります。各国の市場シェアは、1人当たりのビール消費量が最も多いチェコの44%をはじめとして、スロバキアを除きトップであり、トータルの販売数量は2億5,000万箱と日本の約1.5倍の規模となります。中東欧事業はこうした強い事業基盤を背景として、EBITDAマージン30%と高い収益性を持つ事業となります。売上収益の73%をチェコ及びスロバキアとポーランドが占める構造の中、価格競争の激化に伴うポーランドの減益により過去3ヵ年の利益成長は横ばいとなっていますが、単価の上昇により業績は回復基調にあり、スタンドアローンの課題は解決しつつあります。中東欧事業を買収した目的は、西欧事業と同様に『長期ビジョン』と『中期経営方針』に基づく海外成長基盤の獲得であり、特に本件は、同じ旧SABMiller社傘下にあった西欧事業とブランド展開や経営管理の親和性が高く、合わせて買収することにより、欧州全体に強固な成長ネットワークを築くことが可能となります。欧州全体の数量成長は限定的ですが、平均単価の上昇とプレミアム化により市場規模は安定的に成長しており、メインストリームの強い事業基盤をキャッシュカウとしながら、ブランドオーナーとしてプレミアム市場を軸に成長を目指していく上で、戦略オプションを拡大することができます。今後は、統括会社であるAsahi Breweries Europe Ltdのもと、西欧事業と同様に、まずはスタンドアローンでの安定成長を最優先とした上で、当社グループの「強み」との融合により、更なるバリューアップに向けたシナジーを創出していきます。事業概要今後の方針中東欧事業Growth Engine30ASAHI GROUP HOLDINGS, LTD.Medium-Term Management Policy

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