アサヒグループホールディングス株式会社 統合報告書2016
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『中期経営方針』の重点課題への取組み「麦」の知見を活かし、被災地の地域産業の発展を目指す人と社会アサヒグループは東日本大震災復興支援活動の一環として、被災地に新たな産業や交流を生み出すことを目的とした「希望の大麦プロジェクト」を行っています。これは、被災地で大麦を栽培し、収穫した大麦を商品に加工して販売する取組みで、一般社団法人東松島みらいとし機構とともに取り組んでいます。2015年に収穫した大麦からは地ビールやお菓子が商品化され、東松島市を中心に販売されました。さらに2016年11月にはアサヒグループのクラフトビール醸造所「隅田川ブルーイング」において「希望の大麦エール」を醸造し、外食部門で販売するなど、商品化の幅も広がっています。アサヒグループはこのプロジェクトの地域産業としての定着を目指し、今後も活動を続けていきます。アサヒグループは、ビール醸造の副産物である酵母細胞壁を活用した農業資材の開発を進めています。2017年3月には新会社「アサヒバイオサイクル(株)」を設立し、事業の一層の強化を図っています。この農業資材は、ビール酵母の細胞壁が持つ植物の免疫力を高める力を活用したもので、農産物の収量の増加や品質の向上に効果があります。この農業資材を活用することにより、環境保全型農業の実現や温室効果ガスの削減などに貢献することが可能になります。今後、この事業を広く展開することにより、社会的課題となっている水田転作地や耕作放棄地の活用などに貢献し、持続可能な社会への貢献を目指していきます。アサヒグループでは、お客様に新たな健康価値を提供する商品の開発を強化しています。長年取り組んできた乳酸菌の研究や微生物応用技術をはじめ、アサヒグループが独自で開発した素材や技術を商品開発に取り入れています。確かなエビデンスに裏付けされた「特定保健用食品」「機能性表示食品」といった商品はもちろん、アサヒグループのさまざまなブランドが持つ健康価値を強化し、これまでの知見を活かした新たな提案にチャレンジしていきます。アサヒグループはこれからも、お客様の健康づくりに役立つグループになることを目指していきます。健康価値を提供する商品開発を強化食と健康ビール酵母細胞壁で環境保全型農業に貢献環 境希望の大麦プロジェクトビール酵母を活用した農業資材の開発健康価値を提供する商品の開発39統合報告書 2016

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