アサヒグループホールディングス株式会社 統合報告書2016
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事業環境(機会とリスク)セグメント別事業概況こうした機会とリスクを踏まえ、飲料事業では、差別化されたポジションを確立することにより、利益ある成長を目指します。販売シェアのみを重視して価格競争に陥るのではなく、透明炭酸飲料のNo.1ブランドである『三ツ矢サイダー』をはじめ、これまで培ってきた「ブランド育成力」を軸にして、個性的で際立ったポジションを確立していきます。また、健康機能に強みを持つ会社を目指し、「特定保健用食品」などによる高付加価値化や乳酸菌技術などを活かした更なるイノベーションに挑戦していきます。さらに、最適生産・物流体制の構築など完全統合したアサヒ飲料(株)及びカルピス(株)とのシナジーの最大化に加えて、販売チャネルや容器構成などのミックス改善、SKU(stock keeping unit:在庫管理単位)の削減などにより、強靭な収益構造の確立に努めていきます。国内飲料市場は、過去5年間の年平均成長率が1%程度で推移していますが、今後も数量ベースの大幅な成長は期待できない見通しです。一方、健康志向や安全・安心志向の高まりなどを受けて、無糖茶やミネラルウォーター市場などが拡大傾向となっています。さらに、特定保健用食品や機能性表示食品の飲料市場は拡大しており、各カテゴリーの高付加価値化による成長機会はさらに拡大していくものと想定しています。また、飲料業界では多数の大手メーカーが存在しており、厳しい競争環境が続くリスクもありますが、昨今は業界全体として収益性を重視した「価値競争」へのシフトが進みつつあります。一方で、カテゴリー別に上位ブランドへの集中化が進む中、業界内の再編の可能性も見据えた成長機会も捉えておく必要があります。会社別市場シェアマーケット・データ国内飲料市場規模推移『中期経営方針』(重点課題)お茶飲料コーヒー飲料野菜・果実飲料乳性飲料炭酸飲料その他飲料出所:(有)飲料総研出所:(有)飲料総研0200,000100,000150,00050,000(万箱)2012201320142015201652,80038,80027,90020,0003,45046,650C社A社D社B社その他アサヒ2016年27.120.813.412.211.115.3(%)65統合報告書 2016

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