アサヒグループホールディングス株式会社 統合報告書2016
82/93

業績概況当年度における世界経済は、中国をはじめとした新興国の景気減速や、英国のEU離脱問題などに伴い不透明感が高まりましたが、米国経済の回復が続いたことなどにより、全体としては緩やかな回復となりました。日本経済におきましては、輸出・生産面に鈍さがみられたものの、雇用・所得環境の改善を背景にした個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかな回復基調が続きました。こうした状況の中、アサヒグループは『中期経営方針』の3つの重点課題を基軸に、これまで推進してきた“企業価値向上経営”の更なる深化に取り組みました。特に「稼ぐ力」の強化においては、国内では、高付加価値化、差別化を基軸とした収益基盤の盤石化を図るとともに、海外では、既存事業のブランド強化・育成を軸とした成長戦略の推進や日本発の「強み」を活かす新たな成長基盤の獲得などに取り組みました。その結果、アサヒグループの当年度の売上収益は1兆7,069億円(前期比1.0%増)となりました。また、事業利益は1,484億円(前期比5.5%増)、営業利益は1,368億円(前期比41.7%増)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は892億円(前期比17.8%増)となりました。売上収益酒類事業においては、ビール類の販売数量の増加や、ビール類以外の酒類とアルコールテイスト清涼飲料の増収に加え、新規連結子会社の業績の上乗せなどにより、増収となりました。その他の事業においては、主に、飲料事業における炭酸飲料やコーヒー飲料の販売数量の増加や、国際事業の各地域の堅調業績に加え、欧州事業の業績の上乗せなどにより、連結全体では、前期比1.0%増、173億円増収の1兆7,069億円となりました。事業利益国際事業において豪州などの通貨安の影響や欧州事業買収に伴う一時的な費用の発生により減益となったものの、酒類事業や食品事業の製造原価の低減に加えて飲料事業の品種・容器構成比の改善、生産物流体制の最適化などにより、国内事業が増益となりました。その結果、連結全体では、前期比5.5%増、77億円増益の1,484億円となりました。営業利益事業利益の増益に加え、遊休不動産の売却による資産の流動化や減損損失の減少などにより、連結全体では前期比41.7%増、402億円増益の1,368億円となりました。※ 事業利益は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標です。事業利益推移売上収益推移2,0001,5001,000500−5000(億円)20122013201420152016酒類事業飲料事業食品事業国際事業調整額(全社・消去)その他の事業全社調整項目(IFRS調整)買収に伴い生じた無形資産償却費1,2081,1971,1971,1691,1371,13332325284139242528413924264641272102396962065283610212320IFRS日本基準−31−199−62−49−184−57−184−162−149−127−126−139−194−18420,00015,00010,0005,000−5,0000(億円)20122013201420152016酒類事業飲料事業食品事業国際事業調整額(全社・消去)その他の事業9,7669,70910,0589,6469,4859,4403,6393,5021,1132,5049724,7731,1722,5049724,7651,1192,3478373,7541,5791,0347444,6621,0811,9288152,5031,1081,022−970−907−907−861−832−762IFRS日本基準79統合報告書 2016財務・会社情報

元のページ  ../index.html#82

このブックを見る