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ニュースリリース

アサヒグループホールディングスのニュースリリース

ニュースリリース

2012年09月20日
アサヒグループホールディングス株式会社

平成24年度 日本醸造学会奨励賞を受賞
ビールの特徴であるホップの香り成分を解明

〜香りの処方づくりの短期間化・確実な香りの再現を実現〜


  アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 小路明善)の醸造研究所は、ビールの特徴であるホップの香り成分を明らかにし、その香り成分をコントロールする技術を確立してきました。本研究成果が認められ、9月26日(水)から27日(木)に「北とぴあ つつじホール」(東京都北区)において開催される平成24年度日本醸造学会大会にて奨励賞を受賞することとなりました。9月26日(水)に授賞式が行われるとともに、本研究内容を本大会の受賞記念講演にて発表します。

    ■研究成果について
    【背景】
  • ビールに苦味と香りを付けるために用いるホップには色々な品種が存在しており、ホップの品種の組み合わせや量によって、異なる特長の香りをビールに付与できることは知られていた。
  • ビール醸造においてホップの香り付けのコントロールは、造り手の経験に基づいて試行錯誤を重ね、時間をかけて行われてきた。
  • ビール類の新商品開発においては、目指す香りの処方を短期間で作り上げるとともにいつでもその香りを再現できることが必要だった。
  • そのためにホップがビールに付与する香りの特長を構成する成分を特定し、それらをコントロールする技術が必要とされていたが、以下の4つの課題があり、アサヒビールの醸造研究所は研究を行ってきた。

① ホップの香りは多種多様な成分から構成されている。
② 香りに寄与する成分は非常に微量しか含まれていない。
③ 醸造工程を経て、元のホップ原料とは全く異なる香りへと変化する。
④ ビールには約630の香り成分が含まれている。ある特定の成分を解析する際に、分析を阻害する物質も多く含まれているため従来の分析技術では解明が困難だった。

    【研究成果①】ビール中のホップの香りの特長を評価
  • 色々なホップの品種を用いてビールを造り、アサヒビール(株)社内のビール専門評価者にて、ビール中のホップの香りの特長を評価した。
  • その結果、ホップの香りは「グリーン」「柑橘」「フローラル」「スパイシー」「マスカット」の言葉で特長付けられた。
  • それらの香りを有するアメリカ産カスケード種、ドイツ産ヘルスブルッカー種、チェコ産ザーツ種の評価例を図1に示す。

    【研究成果②】ビール中でホップの香りを構成する27成分を特定
  • ある特定のホップを添加したビールとホップを添加していないビールを比較して分析した結果、ビールに含まれる約630の香り成分の中から、ビール中のホップの香りを構成する27成分とそれぞれの香りの特長を特定した。
  • 各成分を添加する試験の結果から、ビール中に含まれる27成分のバランスによってビールに付与される香りが作り出されていることを見出し、それぞれの成分を増加・減少させる方法を検討した結果、ホップがビールに付与する香りをコントロールする技術を確立した。
    【研究成果③】ホップの品種による香り成分の量の違いや散布される農薬の種類によってもホップの香りの特長が変化することを見出す
  • 27成分のうち、マスカットのような香りに強く寄与する成分「4−メルカプト−4−メチルペンテン−2−オン(以下、4MMP)」に関しては、ホップの産地によって含有量に差が大きいことが判明した。
  • 「4MMP」は、アメリカやニュージーランド、オーストラリア産のホップからは検出されるものの、ヨーロッパ産のホップからは検出されないことがわかった。また、分析の結果、その理由がヨーロッパでベト病(カビの一種)の対策として古くから散布されているボルドー液の影響であることを見出したほか、散布される農薬の種類によってもホップの香りの特長が変化することがわかった。