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ニュースリリース

アサヒグループホールディングスのニュースリリース

ニュースリリース

2013年03月08日
アサヒグループホールディングス株式会社

日本農芸化学会2013年度大会で発表
りんごポリフェノールが老化の進行を抑制

〜マウスの寿命延長効果、生体内での抗酸化作用を初めて確認〜


   アサヒグループホールディングス株式会社(本社 東京、社長 泉谷直木)の食の基盤技術研究所は、順天堂大学大学院と千葉大学大学院との共同研究によって、りんごポリフェノールの摂取による老化モデルマウスでの老化抑制作用と生体内での抗酸化作用を初めて明らかにしました。この研究成果を、3月24日(日)から28日(木)に宮城県仙台市で開催される日本農芸化学会2013年度大会において発表します。

<研究概要>
 健康維持やクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上の役割を担う食品開発に向けて、アサヒグループの保有する機能性素材である「りんごポリフェノール」による老化予防機能および生体内抗酸化の検証を行った。  酸化ストレスが生体へおよぼす影響を解析するために作製された、心筋特異的マンガン-SOD欠損マウス※1を用いた検証の結果、りんごポリフェノールを摂取したマウスの寿命が延びることを確認。また、りんごポリフェノール摂取による、心筋組織の線維化の減少、心臓の酸化ストレスマーカーの減少、心筋細胞の酸化ストレス産生量の減少を確認した。りんごポリフェノールの摂取は、活性酸素の産生増加による老化の進行を抑制する可能性が示された。

<検証方法・結果>
 酸化ストレスが生体へおよぼす影響を解析するために作製された、心筋特異的マンガン-SOD欠損マウスに対して、プロシアニジン類※2を半分以上含むりんごポリフェノールを0.1%含む飲料水を自由摂取させたところ、りんごポリフェノールを摂取しなかった欠損マウスと比べて生存率が有意に高くなった。

また、欠損マウスでは通常のマウスと比べて、心臓の重量増加(心拡大)、心筋組織の線維化※3および心臓DNA中の8-oxodG※4の増加が見られたが、りんごポリフェノールを摂取した欠損マウスでは摂取しなかった欠損マウスと比べて心臓の重量が有意に減少し、心筋組織の線維化の度合いは有意に低い値を示し、心臓DNA中の8-oxodGの量は低い傾向を示した。

さらに、りんごポリフェノールを摂取した欠損マウスの心臓を摘出し、灌流操作※5により心臓に酵素(コラゲナーゼ)を流して、心筋細胞どうしをつなぐコラーゲンを溶かし、心筋細胞を生きたままひとつひとつ単離した。こうして得られた心筋細胞が産生する活性酸素種の量を、試験管内で検出試薬を用いて測定したところ、りんごポリフェノールを摂取した欠損マウスの心筋細胞では摂取しなかった欠損マウスの細胞と比べて低い値を示したことから、りんごポリフェノールの摂取によって生体内の過剰な酸化ストレスが軽減されることによって、欠損マウスの生存率が上昇している可能性が示唆された。

<用語解説>
※1 心筋特異的マンガン-SOD欠損マウス:生体が持つ抗酸化酵素のひとつであるマンガン-SODを、生まれつき心筋で持たないように改変した遺伝子組み換えマウス。過度の酸化ストレスによって、成長とともに拡張型心筋症が進行するため、老化促進モデルマウスと考えられている。
※2 プロシアニジン類:カテキンが2分子以上結合したポリフェノールの総称。
※3 線維化:組織が傷害を受けたときに、線維芽細胞が集合、増殖し、コラーゲンを多く産出した状態。心筋で線維化が進行すると、心筋の伸び縮みができなくなり心臓機能が低下する。
※4 8-oxodG:生体のDNAを構成する4種の塩基のひとつであるデオキシグアノシンの酸化体。生体内の酸化ストレスによってDNAが損傷することで生成されるため、酸化・老化マーカーとして知られている。
※5 灌流操作:血管を通して臓器へ人為的に液を流すこと。今回の試験では、心臓の大動脈に差し込んだチューブから心臓冠動脈に血液と類似成分の塩溶液を流して、心臓の隅々まで酸素と栄養を供給した。
※6 フローサイトメトリー:細胞のような微細な粒子を流体中に分散させ、個々の粒子を光学的に解析する手法。

<関連情報>
特許第3521155号:りんごの未熟果から高純度のポリフェノールを効率的に抽出・精製する方法で2004年にニッカウヰスキーが特許を取得している(現在はアサヒグループホールディングスが特許を保有)。