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ニュースリリース

アサヒグループホールディングスのニュースリリース

ニュースリリース

2014年09月16日
公益財団法人アサヒグループ学術振興財団

アサヒグループ学術振興財団 30周年記念特別シンポジウム

「『和食のちから』和食にこめられた知恵と工夫」

開催のお知らせ


 公益財団法人アサヒグループ学術振興財団(所在地 東京都墨田区、代表理事 川面 克行)は、10月31日(金)に、30周年記念特別シンポジウム「『和食のちから』和食にこめられた知恵と工夫」をアサヒ・アートスクエアにて開催します。このシンポジウムへの参加者を先着200名様募集します。

 アサヒグループ学術振興財団は、1984年の財団設立以来、人と社会の未来を展望し、学術研究の発展と国民の生活文化の向上に寄与することを目的として、日本国内の大学・研究所等に所属する研究者、または学識があると認められる個人およびグループを対象に、主として食に関わる「生活科学」「生活文化」及び「地球環境科学」「サスティナブル社会・経済学」の4部門に関する研究活動の助成をおこなうとともに、各種研究に関する発表やシンポジウムなどを開催しています。

 今回、アサヒグループ学術振興財団では、2014年に迎えた財団設立30周年記念として、昨年に続き「30周年記念特別シンポジウム」を開催します。

 日本は四方を海に囲まれて四季折々の海の幸・山の幸に恵まれ、外来の食を取り入れながら独自の食文化を育んできました。
 和食は栄養的にもすぐれており、日本は今では世界に冠たる長寿国になり、2013年12月「和食」はユネスコ無形文化遺産に登録されました。
 今回で3回目の開催となる30周年記念特別シンポジウムの第一部の講演では「和食」の素晴らしさや、そもそも「和食」とは何なのか、また、先人の知恵と科学が詰まっている素材の調理加工や持ち味を活かした健康面からみても素晴らしい「和食」について紹介します。第二部のパネルディスカッションでは、現代の食の課題や和食をどう伝えていくか等々、食の未来への伝承について考えていきます。

 その他、講演内容の概要については末尾【講演の要旨】をご参照ください。

【アサヒグループ学術振興財団 30周年記念特別シンポジウム
「『和食のちから』和食にこめられた知恵と工夫」概要】

タイトル 『和食の力』和食にこめられた知恵と工夫
日時 10月31日(金)13:00〜16:30
場所 アサヒ・アートスクエア
(アサヒグループ本社ビル隣、スーパードライホール4階)
スケジュール
概要
12:30
開場・受付開始

13:00〜13:05
主催者挨拶 竹田 義信(アサヒグループ学術振興財団業務執行理事)

第一部 13:05〜14:55 

【講演】
(基調講演)
13:05〜13:30
東京家政学院大学 名誉教授 江原 絢子氏 
「世界に誇る食文化『和食』」

13:30〜13:55
千葉大学教育学部 教授 石井 克枝氏 
「世界の食事と和食」

(講演)
14:10〜14:25
大妻女子大学 名誉教授 下村 道子氏 
「海の幸を生かす生活の知恵」

14:25〜14:40
関西福祉科学大学 客員教授 的場 輝佳氏
「和食を彩る野菜料理の魅力」

14:40〜14:55
アサヒビール株式会社 酒類技術研究所 副所長 滝澤 宗禎氏
「『おいしく、長持ち』を発見した日本人の知恵」

14:55〜15:10
昭和学院短期大学 学長 畑江 敬子氏
「和食で健康増進」

第二部 15:30〜16:30

【パネルディスカッション・質疑応答】
15:30〜16:30
テーマ「『未来へ向けて』−現代の食の課題−」
パネリスト:上記講演者全員
コーディネーター:お茶の水女子大学 名誉教授 島田 淳子氏
参加費 無料(事前の申し込みが必要)
定員 200名様(先着順)
応募方法 Webサイトからの応募のみ受付
http://www.asahigroup-foundation.com/academic/
※定員になり次第受付を終了させて頂きます。
※未就学児の入場はご遠慮ください。
応募受付 9月22日(月)10:00から  ※先着順
発表 WEBサイトでお申し込み受付後、受付完了メールを送信いたします。
※受付完了メールが届かない場合は事務局までお問い合わせください。
主催 公益財団法人アサヒグループ学術振興財団
後援 墨田区、一般社団法人 日本調理科学会、「和食」文化の保護・継承 国民会議
講演者
■江原 絢子(えはら あやこ)
1966年お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業。博士(教育学)東京家政学院大学名誉教授・客員教授。専門は、食文化史・食教育史。 主な著書:『和食と食育』(編著アイ・ケイコーポレーション)、『家庭料理の近代』 (単著 吉川弘文館)など

■石井 克枝(いしい かつえ)
お茶の水女子大学大学院家政学研究科修士課程食物学専攻修了。大妻女子大学家政学部助手。福島大学教育学部助手、講師、助教授。千葉大学教育学部助教授。千葉大学教育学部教授 現在に至る。

■下村 道子(しもむら みちこ)
お茶の水女子大学大学院家政学研究科食物学専攻修了。理学博士(上智大学)。東京都中・高等学校教諭。専門は、調理科学、とくに魚の調理に関する研究、1998〜2001日本調理科学会会長。2007〜2011年大妻学院理事。1997年日本家政学会賞。2005年栄養士養成功労者 厚生労働大臣顕彰。主な著書『調理と理論』(共著、同文書院)、『食の文化第3巻 調理とたべもの』(共著、食の文化センター)、『調理を育む水』(共著、ドメス出版)その他。

■的場 輝佳(まとば てるよし)
関西福祉科学大学・客員教授 奈良女子大学名誉教授。京都大学大学院農学研究科博士課程(農芸化学専攻)修了。京都大学食糧科学研究所助教授、奈良女子大学生活環境学部食物栄養学科教授、附属図書館長を経て、2006年3月定年退職、奈良女子大学名誉教授。同年4月関西福祉科学大学健康福祉学部教授。昨年4月から客員教授。 日本調理科学会・元会長、日本料理アカデミー・理事、奈良の食文化研究会・理事などを務める。

■滝澤 宗禎(たきさわ むねよし)
東京大学農学部農芸化学科卒業。東京大学農学系大学院農芸化学科修了。 協和発酵工業入社。サントネージュワイン出向。国税庁醸造試験所派遣。アサヒビール新商品開発本部(マーケティング)。アサヒビール酒類技術研究所。

■畑江 敬子(はたえ けいこ)
お茶の水女子大学家政学部卒業。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学家政学部講師 助教授、教授をへて、お茶の水女子大学名誉教授。和洋女子大学教授。昭和学院短期大学学長。


【講演の要旨】

第1部:講演

「世界に誇る食文化『和食』」
江原 絢子氏(東京家政学院大学 名誉教授)

 2013年12月、ユネスコ無形文化遺産の代表一覧表に記載されたのは、「和食;日本人の伝統的食文化−正月を例として−」です。このことは、「和食」が料理そのものをさすというより、そのあとに続く「日本人の伝統的食文化」を意味しており、食材の生産から加工、調理、配膳に至るまでの知識・技術や食事作法など、日本人の食に関する社会的慣習をさしています。「和食」は、年中行事や人生儀礼などとともに発展し、自然への畏敬の念を育て、食を通して人々の交流をはかる役割を果たしてきました。また、食事の基本形「飯、汁、菜、漬物」は、味や栄養のバランスを取りやすく、健康的な食生活にも貢献しています。日本の自然環境と食文化の形成、異文化の影響、食事の事例などをとおして、日本人の伝統的な食文化の特徴をとりあげ、その継承について考えます。

「世界の食事と和食」
石井 克枝氏(千葉大学教育学部 教授)

 世界では穀類のなかでも米、小麦を主に食にしている文化圏があり、それぞれの地域の米の食べ方、肉料理や魚料理の特徴などが知られている。しかし、日常の食事ではどのようなものをどう食べているのだろうか。日本、台湾、タイ、フランス、イタリアについて調査した。その結果を踏まえて、これらの国、地域の食事を比較しながら食事の特徴を述べる。特に主菜となるたんぱく質を多く含む食品、すなわち肉類、魚類、卵類、乳製品、大豆加工品を対象に調査した。朝食、昼食、夕食にどんな食品をどのように調理して食べているのだろうか。大豆加工品は日本の朝食には味噌汁や納豆などで30%の食事にみられた。肉は日本の朝食には19%、台湾、タイの朝食には41〜69%と多く、フランスやイタリアの朝食にはほとんどない。現代の日本の食事が洋風化しているといわれているが、それはどういうものなのだろうか。和食としてどのような形で維持されているのだろうか。国際比較により見えてくる日本の特徴を明らかにしたい。

「海の幸を生かす生活の知恵」
下村 道子氏(大妻女子大学 名誉教授)

 日本列島は南北に長く、近海では寒流と暖流にのってくる多くの魚類があり、また沿岸の磯には海藻が繁り、小魚が育ち、根魚がいて多種類の魚が漁獲できる。さらに、漁れた魚類を、生、煮る、焼く、蒸す、揚げる、漬けるなどの調理している。また、家畜類と違って魚類は季節によって脂肪・水分量が増減するので、それに合わせて調理法も変る。魚ごとに最もおいしく食べる方法を長い間の生活の知恵で工夫してきたのである。このような食生活ができたのも、醗酵性調味料の影響は大きく、日本の調理法の特徴でもある。古代に我が国では仏教が導入され、畜肉の摂取が禁止され、動物性タンパク質の摂取は魚介類によるところが大きかった。後に外国の文化・文明とともに導入された肉食の習慣は、それまでの魚の食べ方にも影響を及ぼし、現在では多彩な魚介類料理を作り出し、海藻を食べる習慣とともに、日本人の健康に大いに寄与している。

「和食を彩る野菜料理の魅力」
的場 輝佳氏(関西福祉科学大学 客員教授)

 和食の野菜料理には、外国の料理にない特色と魅力がある。それは食材の種類が大変多く、調理法も料理も極めて多彩なことである。今日の野菜の大半は海外から渡来し、長い間に我が国の多様な気候風土に適合して地域の食文化を反映しながら、我が国独自の野菜に品種改良され栽培されてきた。野菜は健康増進のみならず、季節感や郷土色を楽しむ食材として和食に必要不可欠である。厚労省は、1日350g以上の野菜摂取を勧めている。ガン、老化、生活習慣病を予防することが期待できる食品成分が含まれているからである。野菜は本来おいしい食材で“だし”と調理すると一層おいしくなり、他の食材の風味をも引き立てる。しかし、近頃の子供たちや若者たちの食嗜好は“野菜離れ”である。家庭では手間暇のかかる和食が敬遠されて、野菜のおいしさを体験する機会に恵まれないのも一因かも知れない。野菜のおいしさに気が付けば、和食の魅力にも気が付いてくれるのではと考える。健康増進の切り札、野菜の魅力を次世代に継承したい。

「『おいしく、長持ち』を発見した日本人の知恵」
滝澤 宗禎氏(アサヒビール株式会社 酒類技術研究所 副所長)

 現在は美食の時代ともいわれ、多様且つ非常に多くの食品に囲まれております。もちろん素材も重要ですが、加工技術によって素材以上の素晴らしい香りや味わいに変化します。特に昨年末ユネスコ無形文化遺産に登録された和食では、人の手による「仕事」が大変重要です。直接的には、切断をはじめ物理的刺激による変化,浸透圧や加熱・冷却の利用,細胞の自己消化を利用し、そしてそれらの加工や素材の組み合わせ、調味料の使用によって素晴らしい味わいを実現しています。ただ、それだけではこれほど多様な味わいや素材と大きくかけ離れた美味しさは実現できません。我々が今享受している美味しさや健康は小さな働き者(微生物)の力を借りて作り出されているものが大変たくさんあります。今回の講演では、話題の和食、特に日本の調味料やお漬物を中心にお話させていただきます。当然のことながら、微生物の働きを利用した最たる加工品、「お酒」についてもお話させていただきます。

「和食で健康増進」
畑江 敬子氏(昭和学院短期大学 学長)

 和食の特徴として、一汁三菜があげられているが、このパターンにあわせると献立が立てやすい。定食のパターンがこれにあたる。主食としての飯に汁物、主としてタンパク質からなる主なおかず、野菜からなるその他のおかず、それに漬物のパターンで、栄養素のバランスが良い。日本人は昔から魚を多く食べてきた。最近になって肉の摂取量が魚のそれを超えたが、世界でも有数の魚食民族である。従って、EPA,DHAを含む魚油の摂取量が多いことも、健康増進に寄与する点である。 なかでも、魚を生でさしみとして食べるのは日本の食文化である。しかし、生食には寄生虫や食中毒の危険を伴う。それを克服するために寄生虫の危険の多い川魚を生では食べないし、生魚は真水で洗ったり、冷蔵したりして安全にする種々の方法がとられている。さらに、和食では大豆、大豆製品を多く食べる。これは米に不足するアミノ酸を補う有効な食べ方であり、豆腐、納豆、油揚げ、味噌、醤油等どれも、世界に誇るべき伝統食品である。

第2部:パネルディスカッション

「『未来へ向けて』−現代の食の課題−」
パネリスト:江原 絢子・石井 克枝・下村 道子・的場 輝佳・滝澤 宗禎・畑江 敬子
コーディネーター:島田 淳子

<本件に関するお問い合わせ先>

アサヒグループ学術振興財団 事務局 電話:03-5608-5202 FAX:03-5608-5201
受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝を除く)