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動物実験による、ビール酵母マンナンの肥満予防効果

ビール酵母の肥満予防効果が酵母に含まれているどのような成分によるものかを明らかにするため、ビール酵母の外側を覆う細胞壁から酵母マンナンを抽出し、マウスを使った動物実験を行った結果、酵母マンナンが肥満予防作用に重要な役割を果たしていることがわかりました。

 ビール酵母の外側を覆う細胞壁はグルカン、マンナンと呼ばれる食物繊維を豊富に含んでおり、免疫機能を高める作用、ミネラル吸収を高める作用、整腸作用、コレステロールの排泄を促進する作用等がこれまでに報告されています。

 今回の研究では、ビール酵母が有する肥満予防作用が、酵母に含まれるどのような成分によるものかを明らかにするため、細胞壁から酵母マンナンを抽出し、その肥満予防作用を検証致しました。
 雌雄のマウス(一群20匹)を離乳直後の3週齢から2%の酵母マンナンを添加した飼料で30週間飼育し、酵母マンナンを含まない通常の飼料で飼育した対照マウスと体重等を比較致しました。マウスには飼料を自由に摂食させており、試験期間を通じて酵母を与えたマウスと対照のマウスでは飼料の摂取量に差はなく、ほぼ同じカロリーを摂取したと考えられました。

  試験開始第4週頃から、雌雄ともマンナンを与えたマウスの体重増加が対照のマウスを下回るようになり、第15週におけるマンナン群の体重は、対照群と比較して雌で8%、雄で10%低値となりました(図表1)。この時点で一群8匹ずつについて生殖器の周囲に蓄積した内臓脂肪重量を測定したところ、マンナン群の脂肪蓄積量は、雌において32%、雄において24%対照群よりも低値となりました。その後、残りの一群12匹について30週目まで飼育を継続したところ、マンナン群の体重は対照群と比較して、雌雄とも12%低値となりました。

 これまでの検討において、乾燥ビール酵母を5%添加した飼料をマウスに30週間自由摂取させた場合、対照マウスと比較して体重が約10%低くなることを確認しており、今回の試験では酵母マンナンがより少ない摂取量で同等以上の肥満予防作用を示したことになります。また乾燥ビール酵母の摂取により、血液中のインシュリンが低下することも確認しておりますが、酵母マンナンにも同様な効果が認められました。試験開始第15週において、マンナン群の血漿インシュリン濃度は、雌雄ともに対照群よりも低値となり、雄に関しては有意差が認められました(図表2)。

  こうしたことから、これまでに確認されているビール酵母の肥満予防作用には、その細胞壁に含まれる酵母マンナンが活性成分として大きく貢献しており、酵母マンナンが血液中のインシュリン濃度を適正に保つことで、体脂肪の過剰な蓄積を抑えることが示唆されました。

  今後、ビール酵母マンナンの肥満予防効果について、ヒトに対する効果の研究を進めていく考えです。