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りんごのポリフェノールによる筋力アップ効果と脂肪蓄積抑制効果を動物実験で確認

りんごから抽出される天然素材である「りんごポリフェノール」の機能性研究の一環として日本体育大学大学院体育科学研究科・中嶋研究室の中里浩一講師との共同研究により、ふくらはぎの筋力増加効果と内臓脂肪の蓄積を抑制する効果があることを確認いたしました。この研究成果は第59回日本体力医学会大会(平成16年9月14日〜16日開催)において発表いたしました。

 今回の未来技術研究所と日本体育大学との共同研究では、りんごのポリフェノールの新たな機能性の研究の一環として、りんごのポリフェノールを摂取させたラットのふくらはぎが発揮する筋力及び内臓脂肪の蓄積量を測定・検証し、りんごポリフェノールの摂取により筋力の増加効果と脂肪の蓄積が有意に抑制されたことを動物試験において確認したものです。

 動物試験は、12週齢の雄ラットを(1)通常飼料を与える群、(2)通常飼料にりんごポリフェノールを0.5%配合した飼料を与える群、(3)通常飼料にりんごポリフェノールを5%配合した飼料を与える群の3群に分け、3週間飼育して、その体重やふくらはぎの筋力、内臓脂肪重量を測定・比較する形で行いました。

 その結果、りんごポリフェノールを5%配合した飼料を摂取したラット群は、通常飼料を摂取した群に比べ、ふくらはぎの筋力が16%増加する効果が観察されました(図1)。この時、体重と下肢の骨格筋重量は3群間で有意差は出ておらず、体格が変わるのではなく筋力のみが増加していることがわかりました。

  また、筋力が増加した一方、各群のラットの臓器重量や内臓脂肪重量を比較したところ、各臓器の体重あたりの重量に各群での差はなかったものの、内臓脂肪重量については、摂取したりんごポリフェノールの濃度依存的に減少する効果が確認できました。りんごポリフェノールを5%配合した飼料を摂取した群のラットは、対照群に対して内臓脂肪重量が27%も抑制されていました(図2)。

 以上の試験結果より、りんごポリフェノールを摂取することで、体格や臓器の成長に影響を与えることなく、筋力の増加効果と内臓脂肪量の減少が同時に得られる効果を確認しました。この効果は、筋力アップや体脂肪率の抑制を期待する運動選手(体脂肪は減少させたいが、筋力は維持・増加させたいアスリート)にとって理想的な効果であると思われます。

 次に、それぞれのラット群について、ふくらはぎが発揮する筋力の経時的な変化を、2分間の連続した運動で測定しました。この結果、図3に示すように、りんごポリフェノールを摂取したラット群は、対照のラット群に対して、連続運動による筋力の低下が抑制されることがわかりました。特に、試験開始105秒以降の数値で、りんごポリフェノール5%摂取群とコントロール群の間に、有意差が認められました。

 この結果、りんごポリフェノールの摂取による、筋力の持久的効果が認められました。

 ふくらはぎの筋力を増強がアップするメカニズムについては、りんごポリフェノールの摂取によって筋収縮に係わるホルモンであるカテコールアミンの分泌が促進される傾向がみられたことより、アドレナリンなどのカテコールアミンの分泌にりんごポリフェノールが作用しているのではないかと推定しています。 また、脂肪蓄積を抑制するメカニズムについては、りんごポリフェノールにより、摂取した脂肪の体内への吸収が抑制されるためであろうと推定しています。

  いずれの効果についても、今後さらに詳細な解析を進め、より明確なメカニズムを解明する予定です。

 りんごポリフェノールについては、これまで、食品の品質保持機能や生体の健康に係わる諸々の機能や効用が研究機関等により確認されています。また、りんごポリフェノールは他の同様な植物ポリフェノールの中でも、優れた水溶性をもつとともに比較的苦味が少ないため、応用範囲が広く食品への利用がし易い、といった利点を持ちます。

 今回の動物試験により、経口摂取によるりんごポリフェノールの筋力増強筋力アップ効果と脂肪蓄積の抑制効果が確認できたことで、運動選手に向けた新しいスポーツフーズ素材等のりんごポリフェノールの新たな分野への応用が期待されます。

 今後、筋力が増加する詳細なメカニズムの解明や、ヒトに対する筋力増強筋力アップ効果の検証などの関連研究を進めていく考えです。