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満腹たんぱく研究の紹介

本年4月からは特定検診・特定保健指導が開始され、メタボリック症候群対策への関心が高まっています。アサヒグループにおける消費者調査によると、ダイエットを中止したくなる要因として、「空腹に耐えられないとき」56%、「口寂しさに耐えられないとき」46%が上位に挙げられているとおり、ダイエットを実践する上で、“空腹感を克服”することは特に重要な要素といわれています。 健康おいしさ研究所は、この“空腹感を克服”するというテーマに対して、満腹感を持続することができる素材を様々な食品素材の中から探索し、その作用が大きい素材を発見しましたので、その研究結果について紹介します。

動物試験による候補素材の選抜

 雄性7週齢ラットを使った摂餌(せつじ)量測定実験により、様々な食品用たんぱく素材をそれぞれ配合した試験飼料を調製し比較しました。1晩絶食後のラットにたんぱく素材1gを配合した試験飼料を5g与え、その後10時間の標準飼料(AIN-93G)の摂餌量に及ぼす影響を調べました。その結果、5gの標準飼料を与えたときと比べ、摂餌量を15%以上低く抑えられるたんぱく素材を発見しました。この素材は植物由来のたんぱく質で、当社は別名「満腹たんぱく」と命名しました。
図1.動物試験による摂餌量への影響

「満腹たんぱく」の作用メカニズムについて

 上記試験の結果、「満腹たんぱく」には満腹感を持続効果が推測されますが、このメカニズムを探るために「胃からの排出速度」を測定しました。つまり、この「胃からの排出速度」は、満腹感と強く相関するといわれており、胃排出の遅さが満腹感の持続につながっていると考えられます。
 雄性5週齢ラットを使用し、24時間の絶食後に「満腹たんぱく」を与えました。その結果、「満腹たんぱく」を与えた群は、対照のたんぱく質に比べて有意に胃からの排出速度が低いことが分かりました。このことが満腹感の持続と関係していると考えられます。
図2.動物試験による胃排出への影響評価
ヒトによる実証試験

 外部の一般人による実証試験(クロスオーバー、ダブルブラインド)を実施しました。
 15名の被試験者に対して、5gの「満腹たんぱく」を配合した試験食品(シェイクタイプ)と、別の日に「満腹たんぱく」を含まないが、たんぱく質量は同じである対照食品を食べて頂き、その後3時間の自覚的満腹感を15分おきにアンケートにて調査しました。アンケートは「とても空腹」〜「とても満腹」までの7段階で該当する段階に○をつける方式をとりました。
 その結果、「満腹たんぱく」を配合した試験食品を摂取した後は対照食品摂取後と比べて有意に満腹度が高い状態が続いていることが分かりました。これは「満腹たんぱく」により人の自覚的な感覚においても、満腹感が長く維持することを証明したと考えています。
図3.ボランティア試験による満腹感への影響評価
 今回の研究で、同じたんぱく質の中でも“腹持ち”に違いがでてくる点に注目し、更なる探求をすすめていきます。また、今回発見した「満腹たんぱく」は、日本人に馴染み深い大豆由来の一般的な食品素材であることから、安心して摂取を続けることができ、応用の仕方によって健康的にダイエットを続けられる可能性を秘めていると考えます。
 今後もアサヒグループの展開する商品への「満腹たんぱく」の様々な応用を探っていきます。本研究成果は平成20年3月26〜29日に開催された日本農芸化学会で発表しました。