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りんごポリフェノールが酸化LDLを抑え、脂肪を溜めない血管にすることを確認

現在日本人の死因の1/3は、動脈硬化を原因とする心疾患、脳血管疾患です。この動脈硬化は動脈の血管壁が老化して硬くなったり、血管に脂肪が溜まって詰まりやすくなることで起こる症状です。
今回りんごポリフェノールがこの脂肪を溜める原因となる酸化LDLを抑えて血管を健やかに保つ可能性があることを確認しました。この研究成果を、2010年11月11日(木)〜2010年11月12日(金)の第20回 日本循環薬理学会で発表しました。

発表の概要

 動脈の血管壁が老化して硬くなったり、血管に脂肪が溜まって血管が詰まりやすくなる動脈硬化。この動脈硬化を引き起こす原因の1つは、悪玉コレステロールと呼ばれる「LDLコレステロール」です。このLDLコレステロールが体に悪影響を及ぼすのは、活性酸素によって酸化された「酸化LDL」という状態になった場合だと考えられています。
 最近の研究では、この「酸化LDL」は、血管の壁に存在している「LOX−1」という物質に結合することで、動脈硬化を始めるスイッチをオンにするしくみになっていることがわかってきました(図1)。
 そして今回アサヒの研究グループでおよそ500種類もの食品素材を調べたところ、ブドウやリンゴなどの種子や果皮に多く含まれるポリフェノールのひとつである「プロシアニジン」という成分に、酸化LDLとLOX−1の結合の邪魔をする作用があることがわかりました。りんごポリフェノール(AP)には、このプロシアニジンが多く含まれていることもわかっています。
 また遺伝的に高血圧になりやすく血管が詰まりやすいラットに脂肪の多い食事を食べさせるとともにプロシアニジンを食べさせて血管への脂肪の蓄積を確認しました。その結果、りんごポリフェノールにも多く含まれるプロシアニジンを食べることで、血管への脂肪の蓄積が抑制されることが動物で確認されました。

(図1) 動脈硬化のメカニズムとりんごポリフェノール(イメージ図)

図1.●酸化LDLとLOX−1結合で動脈硬化進行  ●APによる動脈硬化の抑制

研究詳細

 SHRSPラットに脂肪分の多い高脂肪餌もしくは高脂肪餌に0.5%のプロシアニジンを含有させて2週間摂取させ、血管の様子を比較しました。すると、プロシアニジンを与えたラットでは、脂肪分の多い餌を食べていても血管壁に溜まる脂肪が少ないことがわかりました(図2)。

  * SHRSPラットは遺伝的に血圧が高くなりやすく、脂肪分の多い餌を食べるとより血管に脂肪が溜まりやすいラットです。

(図2) 高脂肪餌を与えたラットの血管の様子

図2.高脂肪餌を与えたラットの血管の様子

まとめと今後

 この結果から、プロシアニジンを多く含むりんごポリフェノールを継続的に食事と摂取することで、血管に脂肪が溜まりにくくなり、動脈硬化を起こしにくくなることが考えられます。
 アサヒグループは今後も食と健康に関する研究を続け、お客様の心豊かな健康生活を支援するためのさまざまな活動に取り組んでいきます。