- 地場食材の活かし方と農業の活性化
- 大阪市農業セミナー
- 開催日時
- 2017年12月22日(金) 18:00~20:00
- 講師
- アル・ケッチァーノ シェフ 奥田 政行 講師・(株)ビーワンフードコンサルタント 荒井 静雄 講師
- このイベントは
終了しました
本日のイベントは、「大阪市主催:大阪市都市農業振興セミナー:地場食材の活かし方と農業の活性化」です。
大阪市とアサヒビール㈱とのコラボセミナーです
大阪市内の農業の活性化や、農地活用をテーマにし、学び・体験していただく事で農業の可能性を探る「農業従事者向け」及び、「農業に高い興味のある市民の方向け」のセミナーを、アサヒ ラボ・ガーデンで開催しました
多くの方にお越しいただき、会場は熱気ムンムンです!
最初に、大阪市経済戦略局産業振興部 藤田さんよりこのセミナーの主旨と開会のご挨拶をいただきました~。
このイベントは、「大阪市内の農業の未来を考える!学ぶ!7日間」の第1回キックオフセミナーです。
今後、「農業者向け」セミ ナー、「農業に高い興味のある市民向け」セミナーをそれぞれ3回ずつ、計7日間開催されるそうです
本日のイベントのコーディネーターは、株式会社ビーワンフード コンサルタント 荒井静雄さんです
荒井さんは、前職は株式会社ぐるなび で、営業所長、セミナーセクション責任者等を歴任されました。
食を通した地域活性化事業に取組まれ、全国で飲食店と生産者による地域活性化や、6次産業化についての勉強会などでも登壇され、現在は飲食店の継続的な経営をサポートするコンサルティングなど活動を広げられています
荒井さんから、「農地は消えて行き、宅地になるが、人口が減少しているのに、そんなに宅地がいるだろうか?」という素朴な疑問は、本当に深刻な問題なのですとおっしゃいます。
そこで今日は、大阪の地域ならではの野菜「なにわの伝統野菜」や農業と食の可能性について、そして地域の特色の見つけ方、広げ方、続け方などを、親交深いゲストスピーカーと共に、お話していただきました
ゲストスピーカーは、山形県鶴岡市で、その地域ならではの野菜=「在来野菜」に注目し、地域で暮らす女性たちに向けた料理教室をはじめ、大学とパートナーシップを組み「在来野菜」を研究するなど、地域に隠れていた魅力を再発見することで、鶴岡市を活性化させている「地場イタリアン」を掲げる店「アル・ケッチァーノ」奥田政行シェフにご登壇いただきました
ここからは、奥田シェフと荒井さんとの掛け合いトークで進めて行きます~。
奥田シェフは、荒井さんとともに全国を回り、幅広い世界を見た中で気づかれたこと、役立つことなどをお話しいただきました。
奥田シェフ、実はお父様が大阪で修行をされたそうで、大阪には非常にゆかりがあるそう。
軽妙なトークで、時々「ここ笑うとこ?」と、笑い所を通り過ぎてしまうほど、楽しいお話しでした
奥田シェフの著書「地方再生のレシピ」の中から、エピソードを抜粋しながら、お話をお聞きしました。
鶴岡市でイタリア料理店「アル・ケッチァーノ」を開業され、地元の新鮮な在来野菜を使いたいのに、地元の野菜は全て東京の市場へ出荷され、なかなか奥田さんへ譲ってくれなかったそう
そこで、ご自身で畑で野菜の栽培を始めたものの、手間がかかり本業のレストランがおろそかに??
そこで交渉の末、地元の農家さんと物々交換のお取引きから始めて、レストランで地場の野菜(特に在来野菜)を使ったメニューを展開、これが評判になりました。また、シェフが、在来野菜の料理教室を開催し、地元の人が地元野菜の魅力を再発見した事で、レストランが続々と誕生したのだとか
奥田シェフは「食の都 庄内」を広めるために、大変ご尽力され、"食の都 庄内親善大使" も務められたそうです。
お若い頃から苦労されていた家庭の借金問題のお話と絡めながら、大変失礼ながら面白おかしくお話くださいました
奥田シェフ「人と人をつなぐために神様は僕に使命を与えてくれた」と強く感じておられたからこその、苦労の連続だった「食の都 庄内」計画も、奥田シェフの求心力でどんどん進んで行ったのだそうです
その後「情熱大陸」に出演、これがさらに推進力となり(この後まだまだ借金問題は絡んでいましたが)、「食の都 庄内 美味しい山形」が、徐々に、いや一気に浸透していったそうです
野菜は形を見ると、だいたい進化の過程が見えるとおっしゃいます。
「なぜ、聖護院大根が丸いのか?それは土地が固いせいで、長く伸びる事が出来なかったんですよ。」なるほど!!
後半は、アサヒ スーパードライをご試飲いただきながら、なにわ伝統野菜の天王寺蕪を、生とピクルスで召し上がって頂きました!酸味と苦みがスーパードライと良く合うようです
最後は、お店の看板メニュー・地域の看板メニューの作り方を教えて頂きました。
「この食材の為に、自分に出来ることは何か」それを考えると看板メニューになる。
「看板メニューは相思相愛じゃないとダメ。」
店の為に看板メニューがあるのではなく、看板メニューがあるからお店に人が集まる。そう考えるべきなのだと。
奥田シェフの、自然から頂く食材に対する畏敬の念が伝わってくるお話でした~
再び荒井さんから話題提供をしていただきました。
・都市農業のことでこんなことをしている人がいる。
・この場が「都市農業のこと」を考えるキッカケになればいいです。
・「大阪市都市型農業」
・最近の飲食店と農業のつながりトレンド。
などなど。本日のイベントいかがでしたか?
大阪市の農業の未来について考えるきっかけに、十分なりえたのではないでしょうか
☆アル・ケッチァーノ オーナーシェフ 奥田政行氏
1969年、山形県鶴岡市生まれ。新潟と山形との県境の町で育つ。鶴岡東高校を卒業後、東京でイタリアン、フレンチ、フランス菓子、ジェラート作りの修業 に勤しむ。27歳で鶴岡ワシントンホテルの料理長に就任。2000年、「地場イタリアン」を掲げる店「アル・ケッチァーノ」を櫛引町(現・鶴岡市)にオー プン。2004年より山形県庄内総合支庁「食の都 庄内」親善大使。「庄内浜文化伝道師マイスター」も務めている。イタリア・スローフード協会国際本部 「テッラ・マードレ2006」で「世界の料理人1000人」に選出された。2009年、東京・銀座の「ヤマガタ・サンダンデロ」をプロデュース。 「FOOD ACTION NIPPONアワード2009」コミュニケーション・啓発部門優秀賞受賞。2010年5月、第1回「辻静雄食文化賞」を受賞。