- 水をめぐるコレクション
- アサヒビール大山崎山荘美術館提携企画
- 開催日時
- 2014年8月30日(土)14:00~15:00
- 講師
- アサヒビール大山崎山荘美術館 学芸員 川井 遊木さん
- このイベントは
終了しました
本日のイベントは、アサヒビール大山崎山荘美術館で開催中のコレクション 『水のたゆたい』 について、鑑賞のポイントや楽しみ方を、所属学芸員 川井 遊木(ゆうき)さんからご紹介いただくイベントです。
本日は土曜日のお昼時でしたが、多くの方にお越しいただきました
まずは、アサヒビール大山崎山荘美術館の歴史についてご紹介がありました。
大山崎山荘は、大正から昭和初期に実業家・加賀正太郎が別荘として自ら設計した英国風の山荘です
その後、加賀家の手を離れた山荘は、取り壊しの危機にあいましたが、貴重な文化財を後世に伝え、豊かな社会を創出するため、京都府、大山崎町、そし て加賀正太郎と親交の深かったアサヒビール初代社長 山本為三郎とのご縁もあり、アサヒビール株式会社の三者が復元整備を行い、1996年春 『アサヒビール大山崎山荘美術館』 としてよみがえりました
この加賀正太郎さん、実はニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏(通称マッサン)とも親交があり、その妻リタさん含め家族ぐるみでお付き合いがあったとか。この秋のNHK連続テレビ小説「マッサン」にも注目してくださいね、と川井さん。
では早速 『水のたゆたい』 展の鑑賞ポイントについてお話が進んできましたよ。
皆さん「たゆたい」って言葉の意味はご存知でしたか?
「たゆたう」の名詞形で、ゆらゆらと動いて定まらないという意味だそうです
印象派の巨匠クロード・モネは、時間や季節と共に移ろいゆく水面の光を追いかけカンヴァスにとどめた事で知られていますね。
あまり にも有名なそのモネの作品 《睡蓮》 。
モネは水面に空や周りの木々たちの映り込みを表現していました。
鋭い観察力と表現力で「光」と共に「たゆたう」様子が見事に表現されています
また明るい色彩で水の都をテーマとした新印象のポール・シニャックは、《ヴェネツィア》の風景を、色を重ねることなく点点で並べて描く点描画法で明度を保ち、水面の明るさ表現しました。
実際のモデルとなったヴェネツィアの港の風景の写真も見せていただき、その明るさ、美しさには驚かされました。
シニャックは、モネに憧れてこの道に進んだそうで、色の使い方などもかなり影響を受けているそうですよ
その他、アルベール・マルケの《アルゼの港》などの西洋画の作品や、諸仏諸神を題材とした版画を残す棟方志功の作品、「水色」を見事に表現した「釉薬の魔術師」河井寛次郎の陶磁器も展示されていて、スライドで観せていただきました。
関連展示として、加賀正太郎が愛し育んだ、洋蘭を忠実に再現した版画作品も展示されています。
当時の写真技術では表現し切れなかった為、版画で細かな再現を試みています
その他、作品以外のアサヒビール大山崎山荘美術館ならではの楽しみ方のご紹介もしていただきましたよ。
お庭の蓮もまだ、鑑賞出来るかも?
2階カフェから見渡せる、3本の川を望む景観や、コレクションオリジナルのスィーツセット も、美味しそうでしたね~(笑)
本日のイベント、いかがでしたでしょうか?
『水のたゆたい』 大山崎山荘美術館へ、ぜひ足をお運びくださいね
美術館ホームページ