森の植物・
生きものたち
アサヒの森では、植物668種、
鳥類60種が確認されています。
森を適切に管理することで
豊かな生物多様性が育まれています。
自然豊かな15の山々
各山の現況
広島県庄原市と三次市に点在するアサヒの森。各山の植生と生物調査の結果概要をご紹介します。
各山の名称をクリックすると
詳細をご覧いただけます。
- 俵原山 たわらばらやま
- 二分坂山 にぶざかやま
- 曲谷山 まがりたにやま
- 法仏山 ほうぶつやま
- 比和奥山 ひわおくやま
- 黒口山 くろくちやま
- 鳥袋山 とりぶくろやま
- 甲野村山 こうのむらやま
- 女亀山 めんがめやま
- 赤松山 あかまつやま
- 灰谷山 はいだにやま
- 殿畑山 とのはたやま
- 戸谷山 とだにやま
- 須川山 すがわやま
- 下赤松山 しもあかまつやま
森に生息する生きものたち
生きものの概況
アサヒ15の各山には植物668種、鳥類60種が確認されており、生きものたちは各山に点在して生息しています。一般的に人工林では生物多様性が少ないと言われますが、間伐などの適切な森林管理によって、光が地面に届き、多様な植物が育ち、その葉や実を利用する昆虫や鳥なども増えるのです。ここではその代表的な一部の生きものをイラストでご紹介します。
俵原山
ブナを代表とする自然の森
標高が高く、ブナ林などの自然林が多いことが特徴です。ブナ、コタニワタリ、チドリノキなどの冷温帯の植物やオオタカやノスリなど森林生態系の食物連鎖の頂点となる動物も生息しています。
総面積:181ha
人工林面積:101ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が233種、鳥類が27種確認されています。哺乳類ではノウサギやタヌキ、テンなどが生息しています。植物ではアテツマンサク、鳥類ではオオタカやハイタカなどの貴重な生物も生息しています。
二分坂山
ツキノワグマも住んでいる自然度の高い森
神之瀬峡県立自然公園の一部で、標高が高く二次林が多いのが特徴。沢、スギ-ヒノキ植林、二次林などが主要な環境要素です。このため植物や鳥類が多く、ツキノワグマや森林生態系の食物連鎖の上位にいるハイタカなど、自然度の高い場所に生息する動物も多くみられます。
総面積:144ha
人工林面積:73ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が260種、鳥類が24種確認されています。哺乳類ではタヌキ、ニホンジカ、ツキノワグマなどが生息しています。植物ではアテツマンサクなど、動物ではツキノワグマ、ハイタカなどの貴重な生物も生育・生息しています。
曲谷山
平均的なアサヒの森
神之瀬峡県立自然公園の一部になっていますが、面積的にもスギ・ヒノキ植林の割合の上でも、アサヒの森の平均的です。托卵の習性があるホトトギスやジュウイチが生息していることは、宿主であるオオルリやウグイスがたくさん生息していることを示しています。人の出入りが少ないため、植物も動物も外来種がほとんどいません。
総面積:157ha
人工林面積:134ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が190種、鳥類が19種確認されています。哺乳類ではタヌキなどが生息しています。キビノクロウメモドキなどの貴重な植物も生育しています。
法仏山
外来種の少ないスギ・ヒノキの純林
面積が小さく、最もスギ-ヒノキ植林の割合が高い山で、生物の種類はそれほど多くありませんが、アサヒの森の中で帰化植物の割合が最も低く、在来の植物が生育しています。
総面積:64ha
人工林面積:59ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が202種、鳥類が18種確認されています。鳥類ではフシグロセンノウ、ササユリ等が生息しています。鳥類ではキビタキ、オオルリ等が生息しています。
比和奥山
沢沿いと尾根沿いの広葉樹林が楽しいコンパクトな森
アサヒの森では二番目に小さな山です。人里に隣接しているため、帰化植物の割合がやや高くなっています。尾根沿いのコナラ林やアカマツ林では、カラ類やキツツキの仲間が見られ、沢沿いの落葉広葉樹ではキビタキやオオルリがさえずります。
総面積:46ha
人工林面積:38ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が169種、鳥類が21種確認されています。哺乳類ではノウサギなどなどが生息しています。アカゲラ、ゴギなどの貴重な生物も生息しています。
黒口山
急峻で変化の少ない斜面林
神之瀬峡県立自然公園の一部になっていますが、地形的には単調な山腹の急斜面で、生物種は植物も動物も多くありません。大部分はスギ-ヒノキ植林地でわずかにコナラやアベマキがあります。
総面積:56ha
人工林面積:50ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が159種、鳥類が20種確認されています。哺乳類ではイノシシなどが生息しています。オオアカゲラやフクロウなどの貴重な生物も生息しています。
鳥袋山
スギ-ヒノキ植林の多いうっそうとした森
鳥袋山山頂付近には広葉樹がありますが、それ以外はほとんどスギ-ヒノキ植林となっています。
総面積:124ha
人工林面積:111ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が225種、鳥類が24種確認されています。哺乳類ではタヌキやイノシシなどが生息しています。 ヤマドリなどの貴重な生物も生息しています。
甲野村山
人間活動との調和がもたらす里山の森
草刈りをしている草地があり里山の生物が多いことが特徴。アサヒの森の中で最も広く、里山以外にもいろいろな環境があり、明るい森や暗い森に住む生物まで多様な生物が住んでいます。
総面積:408ha
人工林面積:317ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が274種、鳥類が40種確認されています。哺乳類ではノウサギやムササビ、ニホンジカ、タヌキ、イノシシなどが生息しています。植物ではオミナエシ、動物ではサシバ、ヤマドリ、ブッポウソウ、オオアカゲラ、サンコウチョウ、ゴギ、オオサンショウウオなどの貴重な種も生息しています。
女亀山
県の自然環境保護地域にも指定されたブナの自然林
二次林が多く、標高の高い場所にはブナ林の自然林もあります。山頂付近は広島県の自然環境保全地域に指定されており、冷温帯の植物であるブナ、イヌブナ、オオクルマムグラなどが生育しています。
総面積:115ha
人工林面積:71ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が275種、鳥類が36種確認されています。哺乳類ではノウサギ、タヌキ、ニホンジカ、イノシシなどが生息しています。植物ではシロテンマやアテツマンサク、動物ではアカショウビン、センダイムシクイ、ハチクマ、サシバ、ヤマドリ、アカゲラ、オオアカゲラ、サンコウチョウなどの貴重な生物も生育・生息しています。
赤松山
アベマキが代表する広葉樹の森
アベマキやクリ、ミズナラといった落葉広葉樹が多いことが特徴。キツツキやカラの仲間、オオルリやキビタキなどの広葉樹林を好む鳥類が多く生息し、カッコウやキクイタダキなど、アサヒの森の他の山では見られない鳥類も観察できます。
総面積:213ha
人工林面積:174ha
確認された植物・生物:
これまでに これまでに 16種類の植物と、鳥類35種が確認されています。哺乳類ではノウサギ、ムササビ、タヌキ、イノシシなど、両生・爬虫類ではマムシやカスミサンショウウオなどが生息しています。ヤマドリやオオアカゲラ、カスミサンショウウオなどの貴重な生物も生息しています。
灰谷山
列状間伐で整備された植林地
ほとんどがスギ-ヒノキ植林地で、列状間伐等によって整備されています。伐採跡地にはササや灌木が茂り、サブサメ、ミソサザイ、ウグイスなど笹藪のような環境を好む鳥類が多く生息しています。尾根沿いにはコナラやアベマキがまとまって残っていて、カラ類やキツツキの仲間が生息しています。
総面積:80ha
人工林面積:60ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が208 種、鳥類が21 種確認されています。哺乳類ではタヌキなどが生息しています。
殿畑山
狭いながらも大木など見応えのある森
アサヒの森で最も小さな山ですが、ヒノキの大木があり、尾根筋にもアカマツ林があります。帰化率は低く、在来の植物が多く生育しています。
総面積:20ha
人工林面積:14ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が206種、鳥類が18種確認されています。哺乳類ではノウサギやイノシシが生息しています。
戸谷山
典型性と独自性を兼ねそろえた森
周囲を山林に囲まれており、スギ-ヒノキ植林地が大部分ですが、尾根沿いにコナラやアカマツ林が残るアサヒの森の典型ともいえる森林があります。一方で、アサヒの森には珍しい貯水池があり、独自の生態系を形成しています。
総面積:337ha
人工林面積:271ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が208種、鳥類が18種確認されています。哺乳類ではノウサギ、イノシシなどが生息しています。植物ではモウセンゴケ、アテツマンサク、動物ではコノハズク、オオサンショウウオなどの貴重な生物も生育・生息しています。
須川山
整備の行き届いた植林地らしい生物多様性の森
スギ-ヒノキ植林が多く、所々に列状間伐の跡地があります。このような跡地を利用してヨタカが繁殖しています。やや太いコナラやアベマキ林があり、カラ類やキビタキ、オオルリなどアサヒの森の代表的な野鳥が生息しています。
総面積:151ha
人工林面積:137ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が229種、鳥類が21種確認されています。ほ乳類ではノウサギ、タヌキ、テン、ニホンジカの他、コウモリの一種も確認されています。サシバ、アカゲラ、ヨタカ、サンコウチョウなどの貴重な生物も生息しています。
下赤松山
落葉広葉樹の森
アサヒの森の中で最も二次林の割合が高い場所で、広葉樹林やアカマツ林が広がっています。地形としては単調なため、植物の種類はそれほど多くありませんが、発達した広葉樹林を好むサンショウクイやセンダイムシクイがさえずり、夜はヨタカが谷を飛び交います。
総面積:69ha
人工林面積:31ha
確認された植物・生物:
これまでに植物が160種、鳥類が24種確認されています。哺乳類ではノウサギ、ニホンジカ、イノシシなどが生息しています。サンショウクイなどの貴重な生物も生息しています。