コンプライアンス推進
コンプライアンス推進の基本的な考え方
アサヒグループでは、グループ共通の理念である「Asahi Group Philosophy(AGP)」を実現するために、2019年1月に「アサヒグループ行動規範」を制定しました。
また、2023年9月、グループ全体の行動規範の浸透レベルを引き上げるため、「アサヒグループ行動規範」を全面改定し、18か国語に対応することで、海外を含む全グループ会社の役員・社員に適用しています。
アサヒグループはコンプライアンスについて、法令や社内規定等のルール、さらには社会規範等の遵守も含めて、社会が私たちに対して当然期待するように行動する、すなわち「ステークホルダーとの信頼関係を決して裏切らないこと」と考えています。このような考えのもと、「アサヒグループ行動規範」は、すべての役員及び社員がとるべき具体的な行動を定めており、アサヒグループでは「アサヒグループ行動規範」の周知徹底を図ることで、コンプライアンス最優先の行動の徹底に努めています。
なお「アサヒグループ行動規範」は運用状況を取締役会が監督するとともに、制定および改定(軽微なものは除く)についても取締役会にて決議し決定するものとしています。コンプライアンスの取組みを高い水準に保つために、今後も「アサヒグループ行動規範」や各施策の有効性を定期的に評価・検証し、必要に応じて改善していきます。
コンプライアンス推進体制
アサヒグループは、コンプライアンス経営を推進するために「アサヒグループ倫理・コンプライアンス基本規程」を定めています。この規程をもとに、コンプライアンスに関する社内体制や運用を明確化し、法令はもとより、広義でのコンプライアンスに則した、公正で透明性の高い事業活動を推進しています。
アサヒグループでは、コンプライアンスに関する最上位審議機関として、「コンプライアンス委員会」を置いています。この委員会は、アサヒグループホールディングス(株)の取締役、Head of Legal および委員会が別途任命した者で構成され、「アサヒグループ行動規範」の浸透度や「クリーン・ライン制度」(内部通報制度)の運用をモニタリング・是正することにより、コンプライアンス推進活動の実効性を高めています。
また、アサヒグループにおいては各事業会社の経営トップが推進責任者として「アサヒグループ行動規範」を遵守しコンプライアンスを推進するとともに、国内、海外の事業会社のリーガル部門間において連携を図り、グループのコンプライアンス推進体制を構築しています。
腐敗防止の取組
アサヒグループでは、世界各国の贈収賄※に対する規制強化に伴い、グループの全役員・全社員に適用される「アサヒグループ贈収賄防止基本方針」を定め、グループ全体で腐敗防止体制の構築に取り組んでいます。
「アサヒグループ贈収賄防止基本方針」では、直接及び間接の賄賂授受、ファシリテーションペイメントなどを禁止しており、アサヒグループ各社の代理人などの中間業者、ビジネスパートナーに対しても、同方針に従うこと及び腐敗行為の禁止を求め周知しています。また、買収・合併・合弁等の際には、相手方についても腐敗リスクに応じた事前評価を実施します。
また、腐敗防止の遵守状況について定期的に自己点検によるリスク評価を行うほか、基本方針と遵守手続についても定期的に見直し、必要に応じて改正・改善を行うこととしています。
腐敗リスクが高い事業においては、腐敗行為を防止するためのガイドラインを策定し、従業員への周知徹底を図っています。
その他、社員への教育として、腐敗防止に関する研修を実施しています。
取締役会では「アサヒグループ贈収賄防止基本方針」の運用状況の監督を行っており、コンプライアンス委員会では「公務員への贈賄」、「接待・贈答」、「不適切な寄付」、「反社会的勢力との接触」、「マネーロンダリング」等の腐敗防止を含む「アサヒグループ行動規範」の運用状況について監督し、取締役会へ報告します。
- アサヒグループでは、贈賄・収賄・贈収賄について以下の通り定義しています。
- 「贈賄」とは、営業上の不正の利益を得るために、相手方にその職務に関する作為又は不作為をなさしめる目的で、金銭その他の利益を提供すること又はその申込み若しくは約束をいう。
- 「収賄」とは、自己又は第三者の利益を図る目的で、金銭その他の利益の提供を受けること又はその要求若しくは約束をいう。
- 「贈収賄」とは、贈賄及び収賄をいう。
2023年度のアサヒグループにおける「アサヒグループ贈収賄防止基本方針」に違反する事例
懲戒処分または解雇された従業員 | なし |
腐敗に関連した罰金、課徴金、和解金 | なし |
コンプライアンス研修の実施
アサヒグループでは、コンプライアンスレベルを高めていくために、行動規範などグループ共通のテーマに関して本社主導でグループ共通の研修や周知活動を展開するほか、グループ会社においてそれぞれの実情に即した最適な内容と方法で独自のコンプライアンス研修を企画、実施しています。
2023年のコンプライアンス研修の実施状況
2023年9月、アサヒグループの海外を含む主要事業会社の全従業員を対象として、「アサヒグループ行動規範」に関するe-ラーニングを実施しました。
モニタリング体制
内部監査
アサヒグループホールディングス(株)のInternal Audit等が実施する内部監査において、法令・社内規定の遵守状況を毎年チェックしています。
コンプライアンスサーベイ
アサヒグループでは、毎年1回主要グループ会社を対象にグローバルコンプライアンスサーベイを実施しています。「アサヒグループ行動規範」の浸透度およびリーガルリスクを把握し、改善へ繋げることを目的としています。
内部通報制度
アサヒグループは、企業活動に伴うコンプライアンス問題や人権侵害を早期に認識し、問題の早期是正、被害者の早期救済を目指して、グループ全体に「Speak Up制度」を設けています。本制度の下、従業員やお取引先、コミュニティを含むアサヒグループの社内外の全てのステークホルダーは、アサヒグループの事業活動に関連した法令違反や「アサヒグループ行動規範」に違反する行為、人権侵害、その他これらの恐れのある行為について、以下のグループ共通窓口から通報することができます。通報は匿名で行うこともでき、通報者は24時間365日、事業展開国の様々な現地語で、オンラインフォームや電話により通報することができます。
グループ共通窓口「Speak Up」
ウェブサイト:asahigroup.ethicspoint.com
モバイルサイト:asahigroupmobile.ethicspoint.com
通報のなされた事項は、アサヒグループの調査チームが十分検討し、必要な場合調査を行い、問題が確認された場合は是正措置を行います。その後、結果を通報者へフィードバックします。「アサヒSpeak Up規程」では、本制度の利用方法などについて定めると共に、通報等に関する秘密保持と通報等を行った者が不利益な扱いを受けないことを保証しています。
この「Speak Up制度」導入にあたっては、従業員に研修を行い、制度の周知徹底を図っています。
なお、アサヒグループ内の各事業会社においては、必要に応じ、上記グループ共通窓口に加え、独自の内部通報窓口を整備しており、各通報窓口でも、通報された事項に対し適切に対処しています。
内部通報件数
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | ||
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通報の分類 | ハラスメント・モラル違反 | 33 | 22 | 12 | 19 | 27 |
労務管理不備 | 7 | 17 | 13 | 15 | 16 | |
社内規程・法令違反 | 9 | 6 | 8 | 4 | 3 | |
公私混同 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | |
その他 | 6 | 2 | 2 | 6 | 3 | |
合計 | 61 | 47 | 35 | 45 | 49 |
- 数字は国内件数のみ、グループ全体については2024年度以降開示予定