アサヒグループ本社ビルとアサヒグループホール棟

東京都墨田区吾妻橋に位置する琥珀色に輝く「アサヒグループ本社ビル」と、個性的な金色の炎のオブジェ「フラムドール」が特徴の「アサヒグループホール棟」は、浅草のランドマークとして広く親しまれています。

創業100周年の記念事業として建設

1955年当時吾妻橋工場の外観

この地にはかつて、吾妻橋工場があり、途中被災による影響があったものの1903年から1985年までの約82年間、ビールづくりを支えてきました。しかし、当時の経営再建の一環として惜しまれつつも閉鎖・売却されました。

画期的なシステムと評判だった野外発酵貯酒タンク搬入の様子と吾妻橋

その後「アサヒスーパードライ」のヒットにより業績が回復。創業100周年の記念事業のひとつの取り組みとして、アサヒビールは吾妻橋工場の土地の一部を買い戻し、新世紀への飛躍のシンボルとなる2棟の建物が1989年に誕生しました。

アサヒグループ本社ビル

金色に輝くアサヒビール本社ビルは、なみなみとビールが注がれた巨大ジョッキをイメージしたデザイン。20階までは琥珀色のハーフミラーガラスを用い、21~22階はビールの泡に見立てた白い外装を施しました。高さは約100メートルを誇ります。
アサヒグループ本社ビルは現在もアサヒビールを含むアサヒグループの本社として機能しており、泡の部分である21~22階は展望が楽しめるレストランとなっています。

アサヒグループホール棟

アサヒグループホール棟の屋上にある、ユニークな形の金色のオブジェは「フラムドール(Flamme d’Or)」と呼ばれ、フランス語で「金の炎」を意味します。このオブジェは「新世紀に向けて躍進するアサヒビールの燃える心」を表しています。
長さ44メートル、重さ360トンの巨大な炎のオブジェは鋼材で作られており、それを支える逆台形の台座には黒御影石が使われています。この台座は「聖火台」をモチーフにしています。

ビアレストラン「フラムドール」内部
完成当時

当ホール棟内部は、大型客船内をイメージして設計されています。泡をイメージした2階まで貫く巨大な柱や白い大理石の階段など、フランス人デザイナーのフィリップ・スタルク氏が設計した遊び心あふれる空間が広がっています。スタルク氏は設計について『環境調和を考えた上で“あそこにアサヒがある”という強い印象を持たせることを心がけ、東京には一切ない新しいもの、どの時代にもなかった神秘なものを考えた』と説明しています。
また、アサヒグループホール棟には、どなたでもご利用いただけるビアレストラン「フラムドール」が併設されています。ホール棟内の一部では、会議やレセプションなど、さまざまな用途に活用されています。