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青山ハッピー研究所 ハピ研

「人がしあわせを感じるモノやコトって、何だろう?」衣・食・住・美など生活に密着したテーマでその答えを考える“しあわせ探しの情報サイト”

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ハピ”プロ”インタビュー | 「その道のプロ」にインタビュー。そこに在る「しあわせ」をレポート

作品を通じて、僕たちのフォルダをたくさんの人と共有できればハッピーですね。 KOSUGE 1-16さん

下町のとある長屋に自転車のための抜け道をつくったり、16m×4mの超巨大なサッカーゲームを出現させたり、強烈なインパクトで見る人の記憶に残る作品を発表しつづけるアーティストユニット「KOSUGE 1-16」。笑いや驚きを誘う大胆なアイデアに対して、その説明図として描かれた精巧なドローイング、さらに作品にしっかりとしたコンセプトを据える緻密なリサーチ活動など、そのミスマッチ感がこれまたユニーク。子供から大人まで見た人を虜にする遊び心満載のアートはいったいどこから生まれてくるのか?お二人の幸せ観とともにお話しを伺いました。

パレットを街に広げて、絵の具の色を選ぶように
気に入った場所やアイテムを選んだら楽しいだろうなって。

KOSUGE 1-16の作品には、人とのつながりをテーマにしたものが多いようですが…

土谷:そうですね、どちらかと言うと学生の頃からプロジェクト型の作品づくりを志していて、何かモノをつくるというよりは人との関わりをつくるということに興味がありました。

車田:この人、学生時代に、枯れ葉とか拾って渋谷の街で配るなんてことをやってたんですよ。

土谷:ティッシュ配りの人たちの列に交じって枯れ葉を配ったんですけど、突然、枯れ葉をもらったらどんな反応するかな、ということに興味があって。街の中でアクションをおこして、それがどう転がって行くのか?というのを見たかったんです。やってみると、これが面白いことに、一人だと全然相手にしてもらえないのに、大勢で配ると説得力が増すようでもらってくれる人が出てくる。「新しくオープンする居酒屋のキャンペーンですか」なんて言われたり。もちろん、怒る人もいましたけど(笑)。もともと油絵を専攻していたんですけど、技法を手段にしたくなかったというか、技法で表現を固定したくなかったんですね。それよりも、パレットを街に広げて、絵の具の色を選ぶように気に入った場所やアイテムを選んで行ったら、もっと楽しいことができるんじゃないかと。結局、絵を描くという行為も画面の中に秩序をつくっていく作業ですし、そういうモノの見方なんかはもっと社会の中でも活かしていけるんじゃないかと考えていました。

どうして番地(KOSUGE 1-16)をユニット名にしようと思われたのですか?

土谷:小菅(東京都葛飾区)には9年前から住んでいますが、もともとは車田が住んでたんですよ。で、行き来しているうちに僕もすっかり気に入ってしまって。KOSUGE 1-16は、2001年に活動を開始させましたが、それまでは二人とも別々の作品を作っていました。それがある時、それぞれが東京をテーマにしたビデオ作品を撮ることになって、そうしたら二人とも撮りたい場所が一緒になってしまって…。ちょっとケンカにもなりましたけど最終的には一緒にやろうかってことになりました。ユニット名については、平等を期す意味で住所からとりましたけど、これにはもちろん、気に入っているこの下町からアートを発信したいという思いも含まれています。

車田:この辺りはもう下町感いっぱいですよ。郵便受けに晩ご飯のおかずが入っていたり、ドアノブに開封済みのお菓子がかかってたりしますから(笑)。

土谷:そんな下町感が心地いいんです。僕は作品をつくる上において、個人的なパッションを表に出すのがアーティストだと思っていましたけど、ここに移り住んで、環境という外からの情報によっても随分と影響を受けるものなんだなあと感じています。よくよく考えてみると、東京をテーマにしたビデオ作品なんかも環境に表現させられているとも言える訳で、あながちKOSUGE 1-16というユニット名も的を外れてなかったなと、後追いの検証ながらにそう思っています。

僕たちはアスリートタイプではないですから…
目指すは、クラブチーム的なアート表現です。

「自転車」や「スポ研」などアクティブな題材が目立ちますが、もともとスポーツはお好きですか?

土谷さんが描いた、知的障害者のハンディキャップサッカーの油絵

車田:体育は大っ嫌いでした(笑)。

土谷:僕も、テレビでサッカーを見たことがなかったですから(笑)。スポーツに目覚めたのは、僕たちの作品づくりをお手伝いしてくれる方の中に、両国のサッカークラブの監督(金属加工業)がいまして、彼から、「(サッカー)クラブというのはもともとローカルな環境で育っていくものなのに、今はステップアップするためのとっかかりでしかなく、子供たちはお受験のようにサッカーをやっている。本来スポーツはアスリートをつくるジャンルではなく、見る人も、応援する人(たちのつながり)も含めて楽しむものなのに…」という話を聞いたのがキッカケでした。僕らがアートとしてやりたいのもまさにそこなんです。アスリート的なアート作品をつくってニューヨークやロンドンで評価を受けるよりも、クラブチーム的なアート表現で地域の人たちと関わっていきたい。僕たちが出なくても、関わった人たちが僕らを追い越して行ってくれるような環境をつくっていきたいですね。

代表作の「アスレチッククラブ4号 プロジェクト(AC4号)」をつくろうと思ったキッカケは?

横浜トリエンナーレ2005にて発表した巨大サッカーボード「AC4号」。

土谷:僕らは、もともと専門にしていた油絵というメディアを切り離してしまったので、ホワイトキューブで何かやれと言われてもできないんですよ(笑)。だから、何かのためとか、誰かのためとかといったキッカケがないとなかなか表現に至らないんです。AC4号の時は、会場が横浜という事で、以前から僕らの作品を応援してくれていたNPO横浜スポーツコミュニケーションズと一緒にやりたくて彼らに声を掛け、大会やトーク等のイベントを企画してもらい、スタジアム制作をアトリエ・ワンにお願いしコラボレーションした作品です。

車田:NPO横浜スポーツコミュニケーションズはもともと横浜FCのサポーターの方たちから派生したNPOなので、はじめからサッカー寄りの作品をつくろうってことで。4号というのは、作品を発表した横浜トリエンナーレ2005の設営会場が上屋4号(港の倉庫)だったんです。

土谷:サッカーのクラブ名って、地域名が入るじゃないですか。だから、4号というのも、ソレっぽくしようと。地域名が入ると、なんか一体感が増しますよね。KOSUGE 1-16も、まさにアートのクラブチームとして、地域全体を盛り上げて行けたらと思います。

その他に、想い出深い作品(プロジェクト)を挙げるとすると?

車田:帯広にある大正小学校に2週間滞在して行った「小菅スケートスクール」ですね。これは、2002年に行った「自転車の為の抜け道の為のバリアフリー」という作品のビデオを、たまたま帯広のキュレーターさんが見てくれて、「この人たちだったら子供を相手に何か面白いことをやってくれそう」とお話しをいただきました。

土谷:「冬場のワークショップをしてください」ということで行きましたけど、-20℃とかにもなる環境下で、とにかく寒い。校庭にはタンクローリーで散水してつくったスケートリンクがあって、冬場の体育の授業はもっぱらアイススケートなんですね。じゃ、もうコレしかないだろうと。それも、僕らが生徒に教えてもらう逆スクールを考えました。スケートをやったことのない二人が体育の授業(スケート)に出て、さらに放課後は子供たちの猛特訓を受けて「記録会」を目指すというワークショップなんですが、教えてもらったお礼として僕たちに何ができるかを考えた時、今まであえて避けてきたメディアである絵画に行き着きました。そこで、生徒たちに教えてもらったその集大成として、1枚の絵画(スケートを楽しむ全校生徒を描いた作品)を公開制作し、学校にプレゼントしてきたんですけど、この時改めて絵画の持つ意味(良さ)を再認識できました。

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プロフィール

KOSUGE 1-16さん

土谷享、車田智志乃のアーティストユニットとして2001年より活動を開始。街と、そこに暮らす人々とのつながりをテーマに、「自転車の為の抜け道の為のバリアフリー」「アスレチッククラブ4号DX」「ドンドコ巨大紙相撲」など、思わず笑ってしまうインパクトのある作品を次々と発表。世界標準を地域に落とすのでは無く、地域から世界標準のもの、だけどローカルなものを生む足掛かりとしての美術を目指して活動中。
»KOSUGE1-16

しあわせタイプ診断

今回の”プロ”のしあわせタイプ

土谷享さん

自分と家族中心

車田智志乃さん

他人の幸せは自分の幸せ あなたのしあわせタイプは?