居酒屋は、日本独自の食文化のひとつとされていますが、昨今では、海外でも人気を集めているようです。ところで、そもそも「居酒屋」の定義とは何でしょうか?大辞林によると、「簡単な料理とともに安く酒を飲ませる大衆的な酒場」とされていますが、それだけではなさそうな気もします。そこで、今回はその謎を探るべく、皆さんの求める居酒屋について聞いてみました。
1位は、当然ながら「味が良い」でした。「あまりお酒が飲めないので、料理がおいしい方が良い」(女性30代)、「いくら安くても不味ければダメ」(男性40代)など、美味しい料理にこだわる回答が多く寄せられました。また2位の「値段が安い」を支持した方の中にも、「うまくて高いのは当たり前!」(女性40代)など、「うまくて安い」をあげる回答が多かったことを考えると、料理と値段の「バランス」が居酒屋選びの重要なポイントになっていることがわかります。
次いで3位には「メニューバリエーションが多い」に高い支持が集まりました。「女性同士で行くので、いろいろ珍しいものを小皿でたくさん注文したい」(女性40代)、「メニューが少ないと飽きてしまう」(女性30代)など、アルコールがあまり強くない女性同士では、「飲み」よりも「食べる」ことを楽しみに居酒屋を利用している方も少なくなさそうです。旬の食材をベースに、豊富なメニューを用意するお店は、やはり人気がありそうですね。
4位は、意外にも「店長・店員の態度に好感が持てる」でした。「いくら美味しくて安くても店員さんの態度が悪かったら、二度と行きたくない」(女性50代)、「愛想の良い女性店員が入れば申し分ない」(男性30代)など、味・価格と同様に、店員の態度も店選びを大きく左右しているようです。また、5位の「生ビールがおいしい」も同様に、「ビールジョッキを注ぐ動作で、その店の姿勢がわかる」(男性30代)など、ちょっと「通な」判断基準も少なくありませんでした。
性別では、男性10位の「自宅に近い」は、女性では5位にランクインしています。「酔っ払っても安心して帰れる」(女性30代)、「自宅に近いとタクシー代が安くすむ」(女性20代)など、帰り道を心配する女性ならではの視点かもしれません。さらに、女性9位に「座敷がある」があげられている理由も男性とは異なり、「子連れで行くので、座敷があるとうれしい」(女性30代)、「子供が騒いでもOKなところが良い」(女性30代)など、子供を持つ30代主婦からの支持が多く寄せられました。他にも禁煙席、清潔なトイレなど、居酒屋の設備を重視している女性も多くいました。
今回のアンケート結果から、居酒屋選びには「味」「価格」「メニューの種類」「サービス」がポイントであることが分かります。こうした結果を踏まえた居酒屋の定義は、さしずめ「種類豊富なおいしい料理とともに安く酒を飲ませ、人の良い店員がいる酒場」といったところでしょうか。さらに性別で見ると、男性は「生ビールのおいしさ」「コストパフォーマンス」などの実質面を重視する傾向が強く、女性はこれらに「自宅に近い」「オシャレな内装」など、立地や設備に対する要望が加わるようです。今宵の居酒屋選びの参考に、是非いかがですか。