江戸時代、寿司は屋台で売られていた元祖ファストフードだったそうです。ここ最近、回転寿司をはじめ、リーズナブルな寿司店も増え、かつての手軽さが復活し始めているようです。きっと皆さんも、寿司を楽しむ機会が増えているのではないでしょうか。そこで今回は、寿司屋で頼む最初の一品、そして最後の締めに頼む一品についてうかがいました。
「最初に頼む寿司ネタ」の1位は、王道ともいうべき「マグロの赤身」でした。「マグロを食して、店のネタの新鮮度をチェックする」(男性30代)、「寿司はマグロに始まりマグロで終わる」(男性60代)など、マグロの赤身でその店の力量を計ろうという「ツウ」な回答が少なくありませんでした。2位にも「中トロ」が選ばれ、マグロ人気の高さがうかがえます。
続いて3位には、意外にも「いか」がランクインしました。「最初は高くないネタからソロソロと・・・」(男性30代)、「淡白なものから濃厚なものへ」(女性30代)など、1位、2位に目立った「好きだから・・・」といった声に代わって、淡白、癖がない・・・など、出だしは「さっぱり」系からという方が結構多いようです。
一方、「締め」のネタはどうでしょうか。堂々1位には、「玉子」が選ばれました。「最後はほんのり甘い玉子で締めてホッとする」(女性30代)、「最後の締め(の玉子)は、子供の頃からの楽しみだったネタ」(男性40代)など、寿司の最後を飾るにふさわしい、ちょっとしたデザート感覚で、「玉子」を楽しみにしている方が多いようです。
締めの2位には、「最初に頼む寿司ネタ」でも人気の高かった「中トロ」があげられました。「トロで終わると寿司を食べた満足感が持続する」(女性30代)、「高価なので最後の楽しみにとっておいて締める」(男性30代)など、お店を出た後も、口中に残る余韻を楽しみたいという方も少なくないようです。こうした濃厚ネタで最後を締めくくるという方が案外多く、4位に「うに」がランクインしていることからも同様なことが言えそうです。
またその反面、3位には、1位同様に生モノではない「かっぱ巻き」があげられました。「魚の臭みを取り、海苔の香りを残したい」(男性70代)、「最後は口直しで・・・」(男性60代)など、いろいろと濃厚なネタを食べて満足した後は、「かっぱ巻き」で口中をスッキリさせるという回答も目立ちました。
こうした最後の一品が「さっぱり系」と「濃厚系」に分かれた背景には、性別による好みの違いがありそうです。女性が選ぶ最後の締めランキングでは、2位に「中トロ」、3位に「うに」と、比較的濃厚なネタが上位を占め、総合ランキング3位の「かっぱ巻き」はやや低調気味でした。一概には言い切れませんが、男性は「玉子」「かっぱ巻き」などで最後を締める「さっぱり系」、女性は「中トロ」「うに」などで締める「濃厚系」といった傾向があるようです。
今回の結果から、寿司を頼む順番は「(最初)さっぱりネタ→(途中)濃厚ネタ→(締め)さっぱりネタ」または「(最初)さっぱりネタ→(徐々に)濃厚ネタ→(締め)濃厚ネタ」の2パターンに大別されることが分かります。中には「好きなネタをまず食べ、好きなネタで締める・・・満足、満足」(女性40代)の声に象徴されるように、最初と最後に一番好きな同じネタを食べるという方も全体の13.9%いました。また、性別によっても傾向の違いがあるなど、想像以上にこだわりをお持ちの方が多いようです。次回、寿司店を訪れた際、まわりのお客さんのこだわりをさり気なく観察してみませんか。