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古典芸能は好きですか?

ここのところ和ブーム、日本の伝統を見直す動きが以前よりも高まっているような気がします。こうした中で特に目立つのが、歌舞伎、能・狂言や落語・・・といった「古典芸能」への関心の高さではないでしょうか。そこで今回は、ファンが増えつつあると言われる「古典芸能」との付き合い方について聞きました。

全体の4人に1人が寄席に行った経験がある

過去に皆さんが、実際に劇場や舞台へ観に行ったことがある「古典芸能」は何でしょうか。最も回答が多かったのは「落語」(26.4%)でした。「小学校の高学年から家から近いこともあり、上野の鈴本へ、月に一度ぐらいのペースで(寄席を)観にいっていた」(男性60代以上)、「TVで見るより話が長いので驚きましたが、じっくり聴くことが出来ました」(男性40代)など、テレビやラジオで見たり聞いたりする以上に、生の寄席は迫力があり、面白さも段違いであるといった声が多数寄せられ、「落語」は古典芸能の中でも、特にライブ人気の高さが目立ちました。続いて2位は、「落語」に僅差で追従する「歌舞伎」(20.5%)。「歌舞伎に興味があり、着物を着て見に行ったことがある。一日非日常気分で楽しかった」(女性30代)など、独特な言い回しや、華やかな衣装に現代劇とは異なる感動と、新鮮さを感じた方も少なくないようです。以下、3位「能・狂言」(19.3%)、4位「日本舞踊」(10.4%)が続きました。

■古典芸能の中で観に行ったことがあるのは?

1 落語 26.4%
2 歌舞伎 20.5%
3 能・狂言 19.3%
4 日本舞踊 10.4%
5 器楽(箏曲・尺八・和太鼓・三味線ほか) 8.6%

MA(複数回答)/n(有効回答数)

全体の半数以上が「古典芸能」をライブで見た経験なし

劇場や舞台で古典芸能を観たことがある?

SA(単回答)

その一方で、今までに劇場や舞台で「(古典芸能を)観に行ったことがない」と回答した方は52.1%。実に全体の2人に1人の皆さんが、日本の伝統文化である「古典芸能」を生で観た経験がないことが明らかとなりました。特にこうした傾向は世代が若くなるに連れて顕著で、60代で29.1%であったものが、20代では倍以上の64.2%に達しました。若者の多くが直に古典芸能に触れる機会が減少していることがうかがえます。では、なぜ多くの皆さんが劇場や舞台へ足を運ぶことを敬遠するのでしょうか。次にその理由について、具体的に見ていくことにしましょう。敬遠理由の堂々の1位は「勉強、知識がないと、面白さが分からないと思うので」(27.7%)でした。「歌舞伎・能は文語表現の上、独特の節回しで聞き取りづらく、初心者には無理だと思う」(女性30代)など、特に歌舞伎、狂言は古典表現が多く、また台詞の言い回しに耳馴染みがないため、事前に勉強をしないとストーリーや、意味を理解するのが難しいといった分かりにくさが足を遠のける1番の理由となっていました。同様に3位にも「敷居が高い感じがする」(26.0%)、4位「鑑賞チケットが高い感じがする」(24.0%)が挙げられ、もともと大衆娯楽として始まったはずの古典芸能が、いわば「古典芸能=インテリで、セレブな娯楽」と化し、庶民には手の届かない存在と感じている方も案外多いのかもしれません。

世代別:古典芸能を観たことがある?

SA(単回答)

■劇場へ行かない理由は?

1 勉強、知識がないと、面白さが分からないと思うので 27.7%
2 住んでいる近くに劇場がない 27.0%
3 敷居が高い感じがする 26.0%
4 鑑賞チケットが高いので 24.0%
5 興味はあるが、劇場へ行く程のファンではない 22.0%

MA(複数回答)/n(有効回答数)

古典芸能ファンは、必ずしも劇場、舞台で鑑賞する人ではない!?

また世代によっても異なり、多くの20代、30代は上で既に述べたように「勉強、知識がないと、面白さが分からないと思うので」、「敷居が高い感じがする」といった理由で敬遠する方が目立ったものの、年齢とともに「古典芸能」に対する敷居の高さやインテリなイメージは減少し、代わって「住んでいる近くに劇場がない」「興味はあるが、劇場へ行く程のファンではない」や「テレビで観たり、CDやテープで聞くだけで十分なので」という声が増加する傾向が見受けられました。近くに劇場や舞台がないというのも大きな理由かもしれませんが、「落語が好きで、寝る前に聞きながら眠る」(女性40代)など、最近ではテレビ、CDやDVDに至るまで、様々なメディアで鑑賞が可能となっているため、「古典芸能ファン=劇場、舞台で鑑賞する人」とは必ずしも言えなくなりつつあるようです。

世代別:古典芸能を観に行かない理由は?

MA(複数回答)/n(有効回答数)

初めて観に行ったきっかけは「学校行事で」

反対に劇場や舞台に観に行ったことのある人は、一体どんなことがきっかけだったのでしょうか。次に初めて訪れた理由について聞いてみたところ、最も多かったのは「学校の授業の一環で、学生時代に観に行った」(28.2%)でした。「学校行事で桂歌丸さんの落語を見ました。なめらかな口調で面白いお話。高校生だった私でも笑えて、歌丸さんファンになってしまいました。頭のキレといい見事なおしゃべりといい感動」(女性30代)など、学校行事で「古典芸能」に初めて触れたという声が意外に多く、これをきっかけに興味や関心を持ったという方も珍しくないようです。さらに「古典芸能の好きな友人や家族に誘われて観に行った」(26.7%)、4位は「テレビや雑誌を見て、以前より興味があって観に行った」(24.1%)など、友人からの誘いや、マスコミの影響も興味を持つきっかけとなっていることがうかがえます。もちろん、「若い頃に友人が日本舞踊を習っていましたので、観に行きました。当時はよく理解出来ませんでした・・・」(女性50代)と興味なく誘われて観に行った方の中には、面白さや良さが分からなかったという声も少なからず寄せられました。

■初めて観に行ったきっかけは?

1 学校の授業の一環で、学生時代に観に行った 28.2%
2 無料チケットをもらって観に行った 27.1%
3 古典芸能の好きな友人や家族に誘われて観に行った 26.7%
4 テレビや雑誌を見て、以前より興味があって観に行った 24.1%
5 好きな出演者が出るので観に行った 18.2%

MA(複数回答)/n(有効回答数)

若い人は「学校行事」、年齢とともに「無料チケットをもらって」へ

次に世代別できっかけを聞いたところ、若い20代で目立ったのは「学校の授業の一環で、学生時代に観に行った」(62.1%)で、こうした声は年齢とともに減少し、60代以上では僅か10.3%でした。つまり、古典芸能鑑賞を授業で積極的に取り入れ始めたのは、この10、20年間のことであることがうかがえます。その一方、年齢とともに増加したのが「無料チケットをもらって観に行った」、さらに「好きな出演者が出るので観に行った」など、偶然手に入った招待券がきっかけだったり、またテレビや雑誌で馴染みのある憧れのタレントに会いに行く感覚で、劇場や舞台へ足を運んだという方がほとんどでした。このように世代によって観に行ったきっかけは大きく異なるものの、どの世代も根っからの古典芸能ファンだったというよりも、むしろ偶然に鑑賞の機会を得たというのが正直な理由なのかもしれません。

世代別:はじめて観に行ったきっかけ

MA(複数回答)/n(有効回答数)

いま注目するナンバーワンは「落語」、ドラマや映画も人気を後押し

では、実際に劇場・舞台で観たことあるもの、ないもの含め、いま皆さんが興味・関心を寄せれている「古典芸能」とは一体何でしょうか。注目の人気ナンバーワンは「落語」(46.3%)でした。「笑点メンバーが好きなので落語も面白そうかな・・・」(男性40代)、「落語を扱ったドラマを見て、本物の落語を見てみたいと思いました」(女性30代)、など、2005年にTBSで放送された「タイガー&ドラゴン」以来、噺家さんを題材としたドラマや番組が増え、落語に興味を持つ若者も次第に増えていることがうかがえます。また「TOKIOの国分太一さんが、今度映画で落語家の役で出演していると知り、映画は見に行こうと思っている。1から落語の勉強になりそう」(女性40代)と、先週からは映画「しゃべれども しゃべれども」が封切りとなり、人気タレントの主演も手伝って落語人気にますます拍車が掛かりそうな気配がします。

■いま興味・関心のある古典芸能は?

1 落語 46.3%
2 歌舞伎 31.4%
3 能・狂言 20.0%
4 器楽(箏曲・尺八・和太鼓・三味線ほか) 12.9%
5 雅楽 9.9%

MA(複数回答)/n(有効回答数)

注目の2位は「歌舞伎」(31.4%)。「大河ドラマなど歌舞伎界の方がテレビなどにもたくさん出ていたり、ニュースが多くて身近に感じる事が増えてきた」(女性30代)など、「落語」同様にテレビや雑誌といったメディアでの露出の多さが、「古典芸能」を支える重要なポイントとなっていることがうかがえます。特に「海老蔵さんと勘三郎さんの影響が大きい」(女性40代)など、歌舞伎界を代表するスターの存在は大変大きなものと言えそうです。また見逃せないのは、3位の「能・狂言」(20.0%)。「狂言は、NHKの子供番組で親しみがあるので本物を見てみたいという興味はある」(女性20代)など、狂言師・野村萬斎さんが出演するNHKの子供番組「にほんごであそぼ」の影響が強いようで、お子さんのいるご家庭では「能・狂言」への興味や関心の高さがうかがえました。


今回は日本の伝統芸である「古典芸能」について、皆さんのご意見を聞いてきました。実際に劇場や舞台に足を運んだことのある人は、全体の約2分の1に過ぎず、残りの半分が未体験者であることが判明しました。敬遠理由は、主に「難しい、レベルが高そう」「チケットが高そう」「敷居が高そう」という3つのハードルが高く立ちはだかり、庶民にはやや縁遠い存在となっていることがうかがえます。とはいえ、その反面「生で落語を聞いた事が無いので聞いてみたい。きっと、テレビとはちがう雰囲気で楽しめるのでは・・・」(男性30代)、「2歳の娘が『歌舞伎』という物を知り、興味を持ち始めた。テレビで歌舞伎のメイクをした人を見ると『カブキ!』と喜ぶ為、本物を見せてあげたい」(女性30代)など、興味や関心を持っている人が次第に増えているのも確かなようです。「落語」「歌舞伎」では若手スターの台頭も手伝って、公演の中にはチケット入手が困難なものも多いとか。あと一歩、敷居の低さや大衆芸能であることを上手くアピールできれば、映画やロックコンサートへ行く感覚で、もっと親しく「古典芸能」と付き合える時代が訪れるのではないでしょうか。