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長引く不況下、あなたは『節約』を意識していますか?

「景気が底打ちした」とは言われるものの、まだまだ実感の薄い今日、皆さんのご家庭における「節約意識」に変化はありますか?そこで今回は厳しい不況が続く中で、皆さんの日ごろの買い物や家庭内における節約術について聞きました。

全体の9割以上が「節約意識がある」と回答

日ごろ、「節約」を意識して生活している?

SA(単回答)

長引く経済不況の中で、皆さんの「節約」に対する意識は高まっているのでしょうか。「高校、大学への進学する子供が3人いて、(家庭での)話は支出のことばかり…」(男性40代)、「残業代・給料(大幅)カットされ、ボーナスもなく、節約をしなくては生活出来ない」(女性30代)など、「(節約を)強く意識している」と回答した人が37.5%。さらに「まあまあ意識している」という声が56.0%を数え、全体の9割以上の人びとが「節約」を意識して生活を送っていることが明らかとなりました。また昨年1月・8月に実施した同調査によれば、「強く意識している」という声は2009年1月時で39.1%、8月時で34.6%であったことから、昨夏に節約意識が一旦軽減されたものの、この半年間で37.5%まで意識の押し戻しが起こったことがうかがえます。ここ最近の経済不況による大手企業の相次ぐ経営破綻のニュースが、消費者の意識に少なからず影響を及ぼしているのかもしれません。


世代別で「強く意識している」という声を見てみると、20代では42.2%と高い数値を示したものの、30代で37.8%、さらに50代では35.3%まで減少し、何かと物入りが多いはずの30〜50代で意外にも「節約」に対する意識が低調でした。こうした背景には「必要なものしか買っていない…」(女性50代)、「節約するほど無駄なことをしていない」(男性40代)など、住宅ローン、教育費等の負担が高い世代であるため、もともと浪費や無駄遣いをしてきたという意識がそう高くないことがうかがえます。一方、子育てが一段落した世代である60代で41.7%、70代以上では最も高い50.0%に達し、世代間で節約意識に大きな隔たりがあることが判りました。

世代別:「節約」を意識して生活している?

SA(単回答)

「給与減少」「ボーナスカット」「失業」など、厳しい雇用状況を反映

この半年間で「節約志向」の高まりが見受けられましたが、次にその理由についてみていきましょう。なぜ、皆さんは「節約」を切実に意識しなければならないのでしょうか。最も回答が多かったのは「給与が減少したため」(40.4%)でした。「給与削減。不況で今日にもリストラを免れないから」(女性20代)、「経費削減を理由に手当はなし、おまけに時給は下がって明細を見るのが虚しくなるほど。昼食代すら節約しなければ…」(女性40代)など、厳しい経済不況を背景に「給与」や「残業手当」の削減が響いているという声が多数寄せられました。同様4位に「ボーナスの減少またはカットのため」(29.3%)、10位にも「失業・休職中のため」(7.5%)が挙げられ、もはや「不況ムード」という言葉だけでは片付けられない状態と言えそうです。

■「節約」を意識する理由は?

1 給与が減少したため 40.4%
2 老後の生活不安のため 37.2%
3 日本経済が不況ムードのため 32.2%
4 ボーナスの減少またはカットのため 29.3%
5 もともと「節約する」のは好きだから 28.5%
6 子供の教育費のため 24.0%
7 住宅購入または住宅ローンの支払いのため 18.4%
8 家電を購入するため 11.0%
9 旅行・留学費を貯めているため 10.1%
10 失業・休職中のため 7.5%

MA(複数回答)/節約志向のある人(n=1340人)


次に2位は「老後の生活不安のため」(37.2%)。「自営業なので、いつ収入が途絶えてもいいよう普段から節約はしていたものの、ここ1年ほどで収入は激減。老後どころか来年の自分の生活がどうなるかわからず、非常に不安」(女性40代)、「今後、日本の年金システムがなくなってしまうかもしれないので、将来のことを考えて節約しようと」(男性30代)など、年金制度の破綻が囁かれる中、老後や将来に不安を抱く若い層も多く、家計の引き締めがますます加速する一因となっています。そのほか、6位の「子供の教育費のため」(24.0%)、7位の「住宅購入または住宅ローンの支払いのため」(18.4%)など、節約しようのない出費やローンを抱えているご家庭も少なくありませんでした。

20代では「不況ムード」が目立ったものの、
30代を境に「給与減少」が上昇し、年齢と共にリアルな痛みに変化

世代別に「節約理由」を聞いてみたところ、20代では「日本経済が不況ムードのため」という声が目立ち、実質的な痛みを負っているというよりも、むしろマスコミや世論の反応から意識が芽生えている人が意外に多いようです。ところが30代を境に「日本経済が不況ムードのため」という理由以上に、「給与が減少したため」という声が急増。50代ではピークの50.4%に達し、会社で重要な役職に付いている世代ほど、その影響が現実的に大きいことがうかがえます。そのほか、40代では「子供の教育費のため」(34.8%)、60代では「老後の生活不安のため」(75.9%)という声が目立ち、各世代ならではの理由が見えてきました。

世代別:「節約」を意識する理由は?

MA(複数回答)/節約志向のある人(n=1340人)

「節電」「節ガス」「節ガソリン」など、省エネ・エコ生活が目立つ

さて、皆さんのご家庭ではどんな節約対策を講じているのでしょうか。最も回答が多かったのは「節電している」(69.5%)でした。「暗くなって(物が)見えづらくなるまで電灯を付けない。一人の時はこたつを出来るだけ付けない、エアコンも付けずに着込む…」(女性30代)、「コンセントはまめに抜き、待機電力をカットする」(男性50代)など、冬場とはいえ、電気の使用量をなるべく抑えながら省エネ生活を送っているという声。同様7位に「節ガスしている」(34.1%)、8位にも「交通費・ガソリン代を抑えている」(32.6%)が挙げられ、エネルギーの無駄遣いを減らしたいという声が多数寄せられました。中には「地球の資源には限りがあり未来に残しておかなければならないから…」(男性50代)など、家庭内の「節約」に留まらず、地球上の「エコロジー」を踏まえた対策に取り組んでいる人も少なくありませんでした。

■現在、「節約」していることは?

1 節電している 69.5%
2 外食費・飲み代を抑えている 59.4%
3 食費を抑えている(なるべく安いものを探す) 55.4%
4 節水している 51.6%
5 ファッション・衣類を買い控えている 50.4%
6 旅行・レジャーを控えている 39.9%
7 節ガスしている 34.1%
8 交通費・ガソリン代を抑えている 32.6%
9 家電を買い控えている 28.5%
10 外出を控えている 24.3%

MA(複数回答)/節約志向のある人(n=1340人)

「外食・外飲み」から「内食・家飲み」へシフト

続いて、回答が多かったのは2位の「外食費・飲み代を抑えている」(59.4%)。「昼は必ずお弁当を持っていくようにして、飲み物は会社でお茶を入れて済ます」(女性30代)、「お酒を飲みたい時は、家で飲むようにする」(男性30代)など、「外食・外飲み」から「内食・家飲み」へシフトしたという声が多数寄せられました。同様3位にも「食費を抑えている(なるべく安いものを探す)」(55.4%)が挙げられ、節約意識は家庭内の「食生活」に大きな影響を与えたことがうかがえます。中には「家での御飯を楽しむための雰囲気作り。またレシピ本を購入し、食事に変化をもたせている」(男性40代)など、手間は掛かるものの、美味しい食事作りに創意工夫をするようになったというご家庭もありました。そのほか、5位に「ファッション・衣類を買い控えている」(50.4%)、6位に「旅行・レジャーを控えている」(39.9%)、9位に「家電を買い控えている」(28.5%)など、必要に迫られていないものは買い控えるという声が目立ち、購買行動に慎重な消費者の姿が垣間見られました。

「高速道路1000円」「エコポイント」の効果も…

昨年1月、8月に実施した同調査と今回のアンケート結果を比較してみたところ、「節電」「外食・飲み代」「食費」「節水」「ファッション・衣類の購入」など、ほぼ全項目にわたって節約対策の実施率は増加傾向が見受けられました。中でも「食費」対策はデフレの影響もあってか、2009年8月よりも15.4%、2009年1月よりも22.1%増と大幅な伸びを記録しました。その一方、「交通・ガソリン代」「家電の購入」は、2009年1月よりもやや意識が減少する傾向が見受けられました。こうした背景には「高速道路1000円」「エコポイント」などの経済対策の効果があるのかもしれません。

1年間の節約対策の動向

MA(複数回答)/節約志向のある人(n=1340人)

全体の4割は「節約効果を実感できない」と回答

「節約対策」の効果を実感している?

SA(単回答、節約志向のある人 n=1340人)

ここまで「節約」について皆さんの具体的な対策を聞いてきましたが、ではその対策によって、皆さんは成果や効果をどのくらい実感しているのでしょうか。「光熱費が、多いときよりも30%ほど減った」(女性50代)など、「(節約の)効果を強く実感している」と回答した人が9.7%。さらに「効果をまあまあ実感している」という声も49.2%を数え、全体の6割近くの人びとが「節約効果」を大なり小なり実感していることが明らかとなりました。中には「昼食費の節約で、お金が貯まって旅行に行ける」(男性40代)、「自転車通勤で体力が向上したことと交通費の節約が出来た」(男性50代)など、「節約」に伴って+αの恩恵を得たという人もいました。その一方、「いくら節約しても確実に支出するものを減らさない限り、実感が湧かない」(男性40代)など、「あまり効果が実感出来ない」(32.6%)、「全く実感がない」(3.8%)という声も全体の約4割近くを占め、効果が見えづらい中で「節約対策」を継続することがそう生易しくないことがうかがえます。


今回は最近の「節約意識」について、皆さんのご意見を聞いてきました。「(節約を)強く意識している」「まあまあ意識している」という声は全体の9割を超え、日本全体に「節約意識」が日常化している現状が明らかとなりました。こうした背景には、長引く経済不況による先行きの不透明さが大きく起因しているものと考えられます。とはいえ、「節約意識」の芽生えは決して悪いことではありません。確かに「耐える」「苦しい」というネガティブなイメージが先行しがちですが、私たち日本人が忘れてかけていた無駄のない「シンプルな生活」を思い出させるキッカケにもなっています。例えば、「風呂は間を空けずに家族が続けて入り、追い炊きはなるべくしない」(女性30代)、「残り湯を洗濯やトイレに使ったり、夏は庭の植木に撒いている」(女性50代)など、ひと昔前の日本ではごく当たり前の光景が、日本経済の成長と共にいつしか消えかけていたことに改めて気づかされます。今後、私たちは「不況」による経済の落ち込みを早々に立て直す必要があるものの、その一方で、もともと日本人が持っていた「もったいない」の精神、「節約・エコ」に対する美意識の高さを今一度見直す必要があるように感じます。一見、「経済」と「節約・エコ」は相反するもののようですが、これからの社会はこのバランス感覚がとても大切なのではないでしょうか。