研究レポート
人にとって「食と健康」ってナニ?
〜首都圏に在住する40代から60代の夫とその妻150組300名を対象に調査した『第五回食と健康のセンサス』特別版〜
本調査は、当研究所が毎年実施している、『食と健康』意識調査の特別版として、健康へのニーズの高まる中高年の夫と妻の健康と食事に関する意識の共通点とギャップを把握するため、ご夫婦の方を対象に行いました。 健康や食事について、夫婦の年代や夫と妻という立場の違いにより微妙なギャップがありながら、最終的には夫が妻に頼り、妻は夫をリードする、日本の中高年夫婦の姿が見える、興味深い結果が得られました。

※センサスとは国勢調査などで行われるような調査をさし、日本の縮図を表しているといえます。
■調査概要 
調査対象:首都圏に在住する40代から60代の夫とその妻150組300名(実際の夫婦)
調査方法:訪問面接法 
調査期間:2005年7月29日〜8月11日

発見1.

夫婦の「健康・食意識」の年代変化
〜 夫婦の年代、夫と妻で微妙なギャップあり 〜

発見2.

夫婦の「食と健康」についての力関係
〜 「食と健康」管理については「妻唱夫随」? 〜

発見3.

夫婦の「将来」意識 
〜 お互い健康で80過ぎまで、妻に長生きして欲しい。 〜

発見1.

夫婦の「健康・食意識」の年代変化
〜 夫婦の年代、夫と妻で微妙なギャップあり 〜

 自分の健康について、夫と妻それぞれが気になる症状をあげてもらったところ、夫婦の年代が上がるにつれて、気になる症状も変化すると同時に、夫と妻では症状の出る時期に微妙な差があることがわかりました。年代別に見ると、40代夫婦の夫は疲れやすさや肥満、体脂肪、中性脂肪などが気になり始めるのに対し、妻は気になる症状がまだあまりありません。50代夫婦の場合、老眼は夫婦ともに気になっていますが、夫が腰痛・関節痛などが気になるのに対し、妻はこの年代になって肥満や疲れやすさを気にするようになり、更年期障害も出てきます。そして60代夫婦になると、夫は血圧や内臓機能などの症状が現れ、妻も一気に腰痛・関節痛、コレステロール、目の疲れ、肩こりなど、多くの症状が気になりだすようです。(資料(1))
資料(1)〈年代別「気になる症状」〉
問  : あなたご自身について、最近「健康面」で気になること、心配だと感じることはどのようなことですか。(複数回答)
 健康状態の変化につれて、夫婦が健康のために留意する食事の内容にも変化が見られます。「豆腐や納豆など植物性タンパクの多い食事」はすべての年代の夫婦が共通して摂取していますが、それ以外のところでは、食卓を共にする家族が多く、夫婦ともまだまだ元気な40代夫婦は夫も妻も「家族揃って」「楽しく」食べる食事を重視しています。

夫婦ともに肥満や脂肪が気になりだす50代夫婦になると、妻を中心に「ダイエットによい食事」「バラエティのある食事」に気をつけるようになります。さらにさまざまな不調が気になりだす60代夫婦になると、夫婦とも塩分や油分を控えた食事やあっさりした味付けの食事が中心になるようです。また、年齢が上がって薄味系の食事が中心になるにつれ、妻は「新鮮なもの、季節の食材を取り入れた食事」で素材そのものの味わいを大切にするようになるという傾向も見られます。(資料(2))
資料(2)〈年代別健康のための食事への取り組み〉
問 : あなたが、自分の健康のためにとっている食事をお知らせください。(複数回答)

では、お酒についてはどうでしょう。夫婦二人で飲みたいお酒をたずねたところ、ビールが夫・妻とも半数以上で支持され、圧倒的な1位となりました。年代別で見ると、夫婦の年代が若いほどビールの支持率は高くなっています。それ以外のお酒についてみると、40代夫婦では夫・妻ともにワインを二人で飲みたい人が多いのですが、50代夫婦の場合、夫は焼酎派が増えるのに対し、妻は相変わらずワイン派が多く、ややギャップが見られます。さらに60代夫婦になると、夫は日本酒で注しつ注されつしたいけれど、妻はお酒全般をあまり飲まない人が多いようです。50代60代になって健康に気を使い、あっさりした食事が増えてきた際、二人で飲むビール以外のお酒については、今後の夫婦間での調整が必要なようです。(資料(3))
資料(3)〈夫婦二人で飲みたいお酒の種類〉
問   : 家庭内外にかかわらず、あなたが夫婦二人だけで一緒に飲みたいお酒をお知らせください(複数回答)

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発見2.

夫婦の「食と健康」についての力関係
〜 「食と健康」管理については「妻唱夫随」? 〜
 中高年夫婦の健康管理や食事管理の役割はもっぱら妻にゆだねられています。そして、妻自身もそれを自分の役割として自負しているようです。このためか、夫と妻の力関係を見ると、夫が妻に頼り、妻の機嫌をそこねないように気遣っている気配が感じられます。

 夫婦で食卓を囲むことの意識を見ると、全体として常に夫のほうが妻と一緒に食事をしたいという気持ちが強いことがわかります。これを年代別に見ると、夫婦の年代があがるほど夫は妻と食事をしたがる傾向がある(特に家にいることが多い休日について)一方、妻は年代別による違いが少ないため、年代があがるにつれ食事を一緒にすることについて、夫の片思いがつのるようです。 (資料(4))
資料(4)〈夫婦で一緒にとりたい食事〉
問   : 家庭内外にかかわらず、あなたが夫婦二人だけで一緒に飲みたいお酒をお知らせください(複数回答)

妻の食事の評価に関しても夫の採点は満足しており7割以上の夫が妻の食事に100点満点中80点以上の点数をつけています。(平均点は79点)(資料(5))
資料(5)〈妻の食事の総合得点〉
問  : 総合的に見て、妻が普段作る食事は100点満点で何点ぐらいだと思いますか。点数をお知らせください。(点数を自由回答)
 最近話題の「食育」について認知している母親の子どもは、非認知の母親の子どもに比べて、食育に関連した食行動の実践率が高いという結果も得られており、例えば「1日1回は家族と楽しく食事」「簡単なものなら料理ができる」といった項目では実践率が10ポイント以上高くなっています。このことから、全体的としては、親子間の食に対する意識ギャップは、大きいながらも、母親の食育意識は知らず知らずのうちに子どもに影響を与え、食に対する前向きな意識や行動を導いているということができます。(資料(6))
資料(6)〈夫婦で互いに気遣いたいこと〉
問 : あなたは妻(夫)に対して、今後どのようなことを気遣ってあげたい、気をつけてあげたいと思われますか。(複数回答)
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発見3.

夫婦の「将来」意識
〜 お互い健康で80過ぎまで、妻に長生きして欲しい。 〜
 中高年夫婦の理想の生活イメージを見ると、最も高いのは「二人とも健康で過ごす生活」で、夫・妻とも60%近くの人が支持しています。夫婦二人の健康を保った上で、妻は「お互い干渉せず好きなことをする生活」、夫は「のんびりと過ごす生活」を理想的な生活としてイメージしており、年齢を重ねるにつれて趣味や楽しみなどに積極的に時間を費やす妻と、そんな妻にたよりながらのんびり悠々自適の生活を楽しむ夫という熟年カップルのギャップも浮かび上がっています。(資料(7))
資料(7)〈夫婦の将来像〉
問 : これからのご夫婦の生活をどのようにしていきたいと思われますか。お二人の「理想の生活」とはどのようなものであるか、お知らせください。(3つまで回答)

 お互いの寿命に対する希望は夫婦とも80歳以上と共通しています。(資料(8))そしてどちらがより長生きするかということに関しては、「一緒に長生きしたい」が4割を超え、夫は妻に自分より長生きしてほしい、妻は自分のほうが長生きしたいと思っており、「共に白髪の生えるまで」長生きした上で、「妻が夫を看取る」のが、夫婦の共通の理想的老後としてイメージされているようです。(資料(9))

資料(8)〈お互いの寿命の希望〉
問  : あなたは妻(夫)に何歳くらいまで長生きして欲しいとおもいますか。具体的な年齢をおしらせください。(年齢を自由回答)
資料(9)〈夫婦どちらが長生きするかの希望〉
問   : 次の考えについて、あなたにあてはまるものをお答えください。(単一回答)
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BACK NUMBER :食と健康のセンサス(2004年版)
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BACK NUMBER :食と健康のセンサス(2002年版)
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お客様生活文化研究所

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