研究レポート
人にとって「食と健康」ってナニ?
〜首都圏男女1000名にインターネットで調査した
『第四回 食と健康のセンサス 2004』〜
今回は、「現代人の食事」について調べました。健康意識が高まる中、“理想”と“現実”の間で大きなギャップが生じているようです。またこのセンサス調査も今年で4年目。食と健康の「4年間の意識変化」も追跡しています。

※センサスとは国勢調査などで行われるような調査をさし、日本の縮図を表しているといえます。
■調査概要 
調査対象:首都圏に在住する15〜69才男女、計1000人(有効回収)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2004年8月27日〜9月8日

発見1.

現代人の食事は、理想と現実の間で大きなギャップ
〜理想は「おいしい」「体によい」「安心・安全」な食事、現実は「満腹感」を重視〜

発見2.

4年間の変化より  健康情報への接触度が増加!
〜若い家庭で目立つ調理離れ〜

発見3.

4年間の変化より  若い女性に広がる老化への危機感 
〜自分のキレイを重視する若い母親が急増中〜

発見1.

現代人の食事は、理想と現実の間で大きなギャップ
〜理想は「おいしい」「体によい」「安心・安全」な食事、現実は「満腹感」を重視〜

 食や健康に関する情報量が年々増大する中で、現在の生活者は、健康的な食生活に対してどのような意識があり、かつ、実行しているのかを探るため、理想とする食事内容と実際に食べている食事内容を調べ、それを比較してみることにしました。
 
 まず、現代人の“理想の食事”のイメージを把握するために、『理想的な日常の食事をイメージしたときの大切な点は何か』を調べたところ、朝・昼・夕3食に共通して「おいしい」「体によい」「安心・安全」といった項目が重視点の上位となるとともに、その順位もほぼ同じような結果になりました。
〈理想として求めている食事〉
  朝食 % 昼食 % 夕食 % 総合 %
1位 おいしい食事 50.4 おいしい食事 51.1 おいしい食事 78.1 おいしい食事 59.9
2位 体によい食事 50.4 体によい食事 39.6 体によい食事 56.1 体によい食事 48.7
3位 安心・安全な食事 43.2 安心・安全な食事 37.9 充実感を得る食事 54.9 安心・安全な食事 42.9
4位 簡単便利な食事 36.0 経済的な食事 35.4 楽しい食事 47.6 充実感を得る食事 38.0
5位 充実感を得る食事 30.2 簡単便利な食事 31.2 安心・安全な食事 45.3 満腹感を得る食事 29.5
6位 経済的な食事 24.5 満腹感を得る食事 29.9 満腹感を得る食事 39.8 楽しい食事 29.3
7位 楽しい食事 18.8 充実感を得る食事 29.0 経済的な食事 23.7 簡単便利な食事 28.0
8位 満腹感を得る食事 18.7 楽しい食事 24.0 簡単便利な食事 16.8 経済的な食事 27.8
 しかし、実際に『普段の食事で“非常に満足”している点』を調べると、理想の食事の重視点で上位にあがった「おいしい」「体によい」「安心・安全」といった項目が軒並み順位を下げ、変わって「満腹感」が総合で1位となりました。
〈実際に満足している食事〉
  朝食 % 昼食 % 夕食 % 総合 %
1位 簡単便利な食事 17.4 簡単便利な食事 16.0 満腹感を得る食事 27.3 満腹感を得る食事 17.5
2位 安心・安全な食事 15.0 満腹感を得る食事 13.1 おいしい食事 26.6 おいしい食事 16.1
3位 満腹感を得る食事 12.1 経済的な食事 11.8 充実感を得る食事 23.2 安心・安全な食事 15.5
4位 おいしい食事 11.7 安心・安全な食事 11.0 安心・安全な食事 20.6 簡単便利な食事 13.7
5位 体によい食事 11.5 おいしい食事 10.0 体によい食事 20.2 体によい食事 13.2
6位 経済的な食事 11.0 体によい食事 7.9 楽しい食事 18.8 充実感を得る食事 13.1
7位 充実感を得る食事 8.5 充実感を得る食事 7.8 経済的な食事 9.8 経済的な食事 10.8
8位 楽しい食事 5.8 楽しい食事 6.8 簡単便利な食事 7.8 楽しい食事 10.4
現代人の求める“理想の食事”に比べて、“実際に食べている食事”は、違う点で満足していることがわかりました。特に、理想の食事として上位重視点だった「体によい」は、現実の満足度においては朝・昼・夕全ての食事で5位以下となっており、その低さが目立っています。

 さらに、『普段の食事で“非常に満足”している点』を朝・昼・夕の3食別に見てみました。
 朝食では「簡単・便利」が1位、2位は“理想”としても高かった「安心・安全」となり、現代人の一日は“手軽で信頼できる食事”からスタートしている様子がうかがえます。
 昼食では、朝食同様「簡単・便利」が1位となり、続いて「満腹感」「経済的」と続くことから、“早くて、安くて、お腹いっぱいになる食事”をとっている様子がうかがえます。
 夕食では、「満腹感」が1位となり、続いて「おいしい」「充実感」と続くことから、手早く済ませていた朝・昼食の分を補うかのように、“おいしい食事をお腹いっぱいゆっくり食べる”ことを優先させているようにうかがえます。それを表しているのか、「簡単・便利」が最下位となっています。
 現代人の実際に食べている食事は、朝・昼・夕それぞれの食事において満足している点が変わってくることもわかりました。

 本当は「おいしい」「体によい」「安心・安全」な食事を食べたいのだけれども、実際に食べている食事の満足する点が変わってきてしまうのは、現代人の忙しいライフスタイルがそうさせているのかもしれません。
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発見2.

4年間の変化より 健康情報への接触度が増加!
〜若い家庭で目立つ調理離れ〜

 生活者全体で、健康に関する情報の接触率が高まっています。情報源別で見ると、「テレビ番組(04年:55%、01年:52%)」「家族や友人の口コミ(同34%、27%)」が高くなっており、
メディアだけでなく口コミによっても健康情報に接する機会が年々増加している様子がうかがえます。

 家庭内における食や健康を主に管理しているのは、女性(主婦)が中心です。それは、 『自宅での食事調理者』が「自分」である人の割合が、既婚女性の9割以上となっていることからもうかがえます。

 そんな中、『調理者自身にあてはまること』を調べると、若い主婦(44歳以下既婚子有り)においては、「手作りすることが多い(38%、全体は49%)」「料理好きである(同24%、36%)「品数が豊富(同13%、30%)」などの項目が一様に低くな っています。女性の社会進出化などが影響しているのか、若い家庭では調理離れしつつある様子がうかがえます。

 生活者全体で、健康のために意識的に摂取している食品をみると「ヨーグルト(04年:69%、01年:58%)」「野菜ジュース(同41%、35%)」といった、栄養価が高く手軽に摂取できる食品が増加しており、健康に関する情報に年々触れる機会が増えていく中、手作りの食事でまかなえなくなりつつある“健康”を、こうした食品等で補っているのかもしれません。
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発見3.

4年間の変化より 若い女性に広がる老化への危機感
〜自分のキレイを重視する若い母親が急増中〜
若い母親(44歳以下既婚子有り)の「体重・体型」と「老化」に対する意識が年々高まっています。
  「体重・体型」については、若い母親の「体重」を心配する意識が01年から20ポイントも上昇(04年:76%、01年:56%、)しているとともに、「太っているからやせたい」と感じる意識も大幅に増加(同55%、35%、)しており、肥満への危機意識が大幅に拡大しています。

これに伴い、食生活では「カロリーの摂りすぎを控える(同51%、32%)」「油分を控える(同43%、20%)」「糖分を控える(同38%、17%)」といった努力を実践しています)。
  また、『現在の生活における悩みで「老化」を心配』する若い母親も年々増加(同63%、55%、)しており、「肌荒れ、シミ・ソバカス・シワ(67%、)」といった外見の老化を特に気にしています。
  若い母親の間では、子どもを生んでもいつまでも若く、きれいでいたいという意識が高まっている様子がうかがえます。

 
* * *

 今回の調査結果を通してみますと、食や健康に関する情報量が増えていくとともに、若い家庭を中心に健康に対する考え方が変わってきている様子がうかがえ、食事の“理想と現実のギャップ”が生じるのも、そこに通じているのかもしれません。

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BACK NUMBER :食と健康のセンサス(2003年版)
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BACK NUMBER :食と健康のセンサス(2001年版)
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