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気候変動への取組み〜TCFD提言への賛同

アサヒグループは、気候変動によるリスクと機会に関連した事業インパクトの評価・対応策の立案が、持続可能な社会の実現及び事業の持続可能性に必要であると認識し、2019年5月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。経営戦略会議や取締役会にて議論を重ね、最もインパクトのあるビール事業(ビール類原料とビール類製品のバリューチェーン)に特化して、アサヒグループが直面する気候変動リスク・機会における事業インパクトをシナリオ分析の手法を用いて定量的に評価しました。
今後は、リスクに対する対応策について更に検討を深めていくとともに、ビール以外の酒類事業、飲料事業、食品事業にシナリオ分析の対象範囲を拡大し、分析精度の向上を図っていきます。

ガバナンス

気候変動をサステナビリティの重要課題として捉え、CEOが委員長となる「グローバルサステナビリティ委員会」において戦略を構築するとともに、取締役会に報告し、取締役会の監督の下でPDCAの強化を図ります。

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戦略

ビール事業(ビール類原料とビール類製品のバリューチェーン全体)における気候変動リスク・機会による事業インパクト、対応策の検討に向けて、以下のステップでシナリオ分析を実施しました。

シナリオ分析のステップ

シナリオ群には、IPCCによるRCPシナリオRCP2.6(2℃シナリオ)、RCP8.5(4℃シナリオ)及びIEAによるシナリオを参照
出所:IPCC第5次評価報告書制作決定者向け要約(図SPM.7)をもとに当社にて作成

STEP 1:リスク重要度の評価

気候変動に伴う移行リスクや物理的リスク等、様々なリスク・機会がある中で、当社のビール事業にとって重要なリスク・機会を以下の通り特定しました。

リスク分類 事業リスク・機会 重要なリスク・機会とした理由
政策/法律 炭素税・炭素価格 リスク 「アサヒグループ環境ビジョン2050」において、バリューチェーン上におけるCO2排出量ゼロを目指す「アサヒカーボンゼロ」に取り組んではいるが、国・地域によって状況は違うものの、炭素税導入については財務インパクトが大きいと想定される。
水使用に関する規制 リスク 原料生産・操業の双方において水は必要不可欠であり、事業継続および財務インパクトが大きいと想定される。
市場変化/
技術変化
顧客行動の変化 機会リスク 環境配慮意識の高まりに伴うリスク・機会が、売上高に影響する新たな要因となりうる。
物理的リスク 原材料価格の高騰 リスク 主要農作物原料の収量減少による原材料価格の高騰やそれに伴う代替原材料への転換が必要となった場合、財務インパクトが大きく、事業継続に関わると考えられる。
平均気温の上昇 機会 夏季のビールの消費量は、気温の上昇による影響が大きいと想定される。
降水パターンの変化 リスク 深刻な水不足により農地や生産拠点が影響を受け、事業継続が難しくなる可能性がある。
異常気象の激甚化 リスク 近年多発している豪雨や台風の被害が更に深刻化した場合、バリューチェーンが甚大な被害を受け、事業継続が難しくなる可能性がある。

STEP 3:事業インパクト評価の対象

アサヒグループの事業にとっての重要性に鑑みて、事業インパクト評価の対象を以下の通りとしました。

  • 農産物原料:大麦・ホップ・トウモロコシ・コメ
  • 地域:日本・欧州・豪州
シナリオ分析のステップ

数値は2018年実績に基づく
合計値が100にならないのは四捨五入によるもの

STEP 3・4:事業インパクトの評価と対応策の方向性の検討

STEP1で抽出した重要リスクの中でも、農作物原料の収量減少による原料価格の高騰と炭素税の導入によるコストの増大が、事業に対して特に大きな影響を及ぼす可能性があることを認識し、以下の通り事業インパクトの評価を実施しました。

農作物原料収量への影響

さまざまな文献を参考に2℃シナリオ・4℃シナリオの主要原料の収量変化を推定した結果、大麦とトウモロコシについては、2℃シナリオに比べ4℃シナリオの場合に大きく減少することがわかりました。限られた情報からの試算のため精度の課題はあるものの、今後継続的に情報収集を行い、精度向上を図っていきます。

2℃シナリオ・4℃シナリオにおける原料供給量への影響

2℃シナリオ・4℃シナリオにおける原料供給量への影響

2018年供給量を100とした場合の2050年推計値

炭素税導入の影響

2℃シナリオにおいて、バリューチェーン全体でのCO2排出量をベースに炭素税の影響額を試算しました。その結果、CO2排出量を2050年までにゼロ・2030年までに30%削減を目指す「アサヒカーボンゼロ」の取組みを実施することで、2050年には70億円の全額、2030年には取り組まなかった場合と比較して14億円の削減効果があることが分かりました。この結果から、アサヒグループが現在取り組んでいる戦略は気候変動によるコストの上昇への耐性が高く、レジリエンスの観点からも正しいと認識しています。ただし、炭素税の影響額は国によって導入の有無や時期、単価が異なる可能性があるため、今後継続的に情報収集を行って精度向上を図っていきます。

2℃シナリオにおける炭素税の影響額

2℃シナリオにおける炭素税の影響額

対応策の方向性の検討

重要リスクに対する対応策については既存の取組みを継続・加速するとともに、以下の方向性についても経営課題として取り組んでいきます。また、機会についても検討していきます。

リスク 既存の取組み 対応策の方向性
原料価格高騰
  • 複数購買によるリスク分散化
  • 気候耐性品種開発
  • 栽培方法の開発と導入
  • 代替原材料への切り替え
  • 調達エリアの変更
炭素税・炭素価格
  • 「アサヒ カーボンゼロ」の推進
  • コージェネレーションシステムの導入
  • モーダルシフトの推進
  • ポーランド、オランダにおける風力発電による再生可能エネルギー導入
  • 高効率冷凍機の導入
  • SBT1.5℃認証取得検討
  • RE100への参画、更なる再生可能エネルギーの活用
水使用に関する規制
  • 2050年までに持続可能な水資源利用100%を達成
  • 2025年までに国内ビール工場でウォーターニュートラルを達成
  • 水使用量の削減(洗浄・殺菌工程での水使用削減や回収水の有効利用)
  • 更なる水使用量の削減(大規模なリサイクルシステムの導入等)
  • 生産拠点における水リスクの把握および分析に基づく対応策の検討
顧客行動の変化
  • 「スーパードライ」350ml缶及びギフトセット、「アサヒドライゼロ」に「グリーンエネルギー・マーク」を記載
  • エシカル消費拡大への対応(認証原料の使用など)
異常気象の激甚化
  • 風水災対策実施
  • 拠点の移転・新設時における中長期的な気候変動影響の考慮

リスク管理

アサヒグループは2020年に策定した「グループ リスクアペタイト ステートメント」の中で、自然環境に影響を与えるリスクを低減する取組みを進めることを宣言しており、グループエンタープライズリスクマネジメント(ERM)において「気候変動」を主要リスクとして扱い、ERMのマネジメント体制下でPDCAを回していきます。また、2020年に刷新したサステナビリティ推進体制とERMを連動させることにより、グループ全体でリスクマネジメントに取り組んでいきます。

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指標と目標

「アサヒグループ環境ビジョン2050」において取り組んでいるCO2排出量ゼロの達成に向けては、「アサヒカーボンゼロ」の枠組みで取り組んでおり、まずは2030年までにCO2排出量30%削減を目指しています。また、気候変動に関連する項目として、容器包装や水についても「アサヒグループ環境ビジョン2050」における「持続可能な資源利用100%」の中で具体的な目標値を設定し、グループ全体で取組みを強化しています。

関連情報

CSRマネジメント
環境
健康
コミュニティ
責任ある飲酒