アサヒグループホールディングス株式会社 統合報告書 2015
45/75

P40で報告したマテリアリティに対して、アサヒグループでは事業を通じたさまざまな取り組みを推進しています。社会的課題の解決を通じて企業価値の向上を目指した取り組み事例を、CSR活動領域に沿ってご紹介します。社会的課題の解決を目指した活動事例「CSR重点テーマ」の見直しによって新たに設定した「栄養・健康」のテーマにおいては、重要な取り組みのひとつとして、消費者の皆様への啓発活動を実施しています。■ 乳酸菌の出前授業を全社活動として実施アサヒ飲料(株)では社員自らが講師となって小学校で授業を行う「『カルピス』こども乳酸菌研究所」を行っており、2015年までにのべ2,969名の小学生に参加していただきました。この授業は、「カルピス」をつくり出す乳酸菌や酵母の顕微鏡観察に加えて、「カルピス」の原料である牛乳と発酵乳の味や香りの比較など、五感をフルに使いながら学ぶプログラムになっています。さまざまな可能性を持つ乳酸菌に関する知識を深めることで「食」への関心を高めてほしいという思いのもと、担当部署だけが関与するのではなく、社長から新入社員まで参加し全社活動として展開しているのが特長です。■ 毎年10万人以上に栄養相談を実施アサヒグループ食品(株)では、子育て中の保護者など育児に携わる方を対象とした「和光堂栄養相談活動」を55年以上にわたり実施しています。これは、栄養士の資格を持つ従業員が、離乳食や栄養に関する相談を直接受けてアドバイスするもので、相談者は毎年のべ10万人以上にのぼります。育児情報が氾濫する中、離乳食の進め方や子どもの栄養摂取に不安を抱えている方は少なくありません。アサヒグループ食品(株)は、栄養士としての専門知識を持つ従業員が丁寧にアドバイスを行うことで、育児への不安を和らげるとともに、離乳期から「食」を楽しむことを伝え続けていきたいと考えています。■ 適正飲酒の啓発活動を展開アサヒビール(株)では、アルコール飲料を製造・販売する立場から、飲酒に関する正しい知識を伝えることにより、不適切な飲酒による諸問題を撲滅することを目指して、ビール工場見学施設を活用した「正しいお酒の飲み方講座」や、企業・大学などでの「適正飲酒セミナー」といった啓発活動を行っています。これらの活動においては、酔いのメカニズムや不適切な飲酒で引き起こされる健康被害、社会的問題のほか、問題飲酒を防ぐために有効な工夫などを伝えています。参加される方の立場や環境に合わせた具体的な内容を盛り込むことで、実際に活用しやすいプログラムを目指しました。アサヒビール(株)は今後もさまざまなコミュニケーションを通じて、多くの人が健康的にお酒を楽しんでいただけるよう啓発活動を推進していきます。「『カルピス』こども乳酸菌研究所」の授業風景アサヒグループのESG食と健康事業活動を通じて健全な食生活に向けた啓発活動を展開42

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 45

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です