2023年第3四半期決算説明会 主な質疑応答
A.『中長期経営方針』において、3年程度を見据えたガイドラインとなる事業利益のCAGR+1桁台後半を目指す方針は変えてはいない。現在、来期の計画については、コストアップ影響の可能性などを踏まえて、検討・策定している。
A.日本は成長軌道に乗っている中、酒類事業においては、Q4以降には投資を強化することで、そのモメンタムを維持していく。また、飲料事業も上手にコストコントロール出来ている。オセアニアについては、収益構造改革を進めており、欧州では市場シェアが高まっていることは、今後の様々なリスクがある中でも期待できる点だと考えている。
A.当初には、来期に一部コストダウンになる可能性も想定していたが、足元は主要3地域(日本・欧州・オセアニア)とも、コストアップになる可能性が出て来ている。その要因としては、加工賃の上昇に加え、日本やオセアニアにおける為替影響のネガティブな影響があげられる。
A.日本の酒類事業は、2026年の酒税一本化を見据えて、ビールの魅力を消費者に伝えるため、今の水準を継続していきたい。欧州は、売上収益を見ながら投資額をコントロールしているが、販売モメンタムを下げないようにするため、プレミアム戦略に基づいた投資強化を継続していく。オセアニアは、高い市場シェアの水準なども踏まえつつ、効率化も選択肢に入れながら、柔軟にコントロールしていく方針となる。
A.経営層では、グローバル全体でパイプライン強化を図っている。既に、本社HRのHeadや、2024年から運営を開始するAsahi Global ProcurementのCEOに欧州から人材を登用するなど、リージョンを跨いだ人材配置を実行している。また、IT・DX領域における外部人材の登用に加え、グローバル幹部候補を対象とした育成研修の充実などを図っている。来期以降も、人材への投資は、積極的に実施していくことにより、人的資本の高度化を進めていく。
A.価格改定後の業務用の需要動向については、10月には前年比+50%を超える成長となったこともあり、現時点の影響は軽微だと見ている。今後の事業利益の回復イメージは、単価向上に伴い、増収率が高くなっているため、事業利益率の改善には時間を要するが、事業利益額は2025年を目途にCOVID-19前の水準を目指していく。アサヒグループジャパン㈱でのOne Asahiの取り組みやグループ調達などのコストダウン効果も創出していく。
A.変動費コストアップは発生しているが、飲料事業におけるバリューエンジニアリングによる抑制効果や酒類事業の業務用における構造改革の成果を積み上げている。また、飲料事業では、ダイドー社との自動販売機の業務提携など、ダイナミックな取り組みを進めてきた中で、徐々に成果が出てきている。
A.発売初期の販売は順調に進んだとみており、10月には108万箱の出荷となった。世界的にも、ミッドストレングスと呼ばれるアルコール度数3.5%前後の市場が拡大しており、10年後に消費のど真ん中の商品に育成できるように、注力し続けていく。
A.欧州は、一部エリアでは、一時的にダウントレードも起きているが、賃金が上昇していることもあり、今後、インフレが落ち着いてくれば、プレミアムカテゴリーの成長トレンドは戻ると見ている。
豪州では、輸入プレミアムビールやクラフトビールは、従来よりも成長率は落ち着いているが、当社は『Great Northern』を中心としたコンテンポラリービールで需要を獲得し、市場平均を上回る成長をしている。市場は、政策金利の大幅な上昇に伴い業務用への影響なども多少見られるが、輸入プレミアムビールの需要動向などは注視しながら、柔軟な対応を可能とするケイパビリティを高めていく。
A.中東欧エリアは、7-8月は気温が低く、雨が多かったが、9-10月は、好天により好調に推移した。景況感の悪化やインフレの影響に加えて、大幅な価格改定の影響が和らぐのに想定よりも時間がかかっているが、大幅な需要減退に繋がるほどの悲観はしていない。
A.外部データを見ると、1-8月の家庭用市場の当社シェアは、チェコ+2.0%、ポーランド+0.6%、ルーマニア+1.2%のシェアが上昇している。先月には、ポーランドやルーマニア市場を視察したが、店頭でも当社の商品が多く並んでおり、ブランドの優位性を感じた。尚、西欧エリアにおいては、UK▲0.1%、イタリアは価格改定を先行して行ったこともあり▲0.9%だが、どの市場も計画の範囲内で進捗している。
これまでの厳しい局面において、Profitable Revenue Growth Managementやブランド価値に重点を置いたマーケティング投資をしてきた成果が出てきていると考えている。
A.豪州の酒類市場は、1-9月の販売数量は前年比で▲1桁台前半、7-9月は前年並みに対して、当社の1-9月は同+1%程度、7-9月は+3%となり、『Great Northern』の継続的な成長に加え、『Asahi Super Dry』やその他のブランドも好調を維持し、主力ブランドを中心に競争優位性が高まっている。また、新たな収益構造改革に着手したことで、収益力も向上している。
A.変動費のコストアップがある中でも、単価向上に加え、一定のコスト効率化の効果を創出できるようになっていることから、1-9月は増益を達成することができた。今後も利益効果の積み上げに取り組み、成長に向けた投資にも再配分していく。
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