2024年第1四半期決算説明会 主な質疑応答
A.キャッシュアロケーションの方針について、2024年2月の決算発表時に公表した内容から大きな変化はない。株主還元については、2025年までに配当性向40%を目指しており、安定的な増配を続けつつ、残りのキャッシュについては成長投資に振り向けたいと考えている。ただし、成長投資の機会がない場合は、株主還元の強化を含めて他のキャッシュアロケーションも検討していく。現時点で具体的な自社株買いの計画はないが、財務状況が改善してきたことを受け、株価対策も含めて検討していく。2025年2月の決算発表時に新たな財務方針を示す予定であり、その際にキャッシュアロケーションの考え方についても改めてご説明したい。
A.詳細は非開示だが、年初の想定では、第1四半期の事業利益は減益を見込んでいた。実際には、前年比で+27億円の増益となった。
A.変動費コストアップは、年間で200億円程度を想定している。第1四半期はグループ全体で30億円程度となり、地域別では、オセアニアのコストアップ額が一番大きく、次いで日本、欧州は若干のコストダウンとなった。オセアニアは、サプライチェーン全体における人件費の高止まり影響が加工賃に反映されたことなどが要因となった。各事業でコストコントロールに取り組むと共に、今年からAGPROも稼働しており、変動費コストアップをオフセットしていけるような収益構造改革を更に進めていきたい。
A.豪州では、2022年Q4にイタリアで原料の調達が滞り、2023年Q1はその反動で一時的に出荷が増えたことで、本年Q1はその裏返し影響があった。また両地域ともに景況感が良くなく、特に家庭用を中心に影響があったと考えている。一方で『Asahi Super Dry』は好調であることから、インターナショナルプレミアムビールが一概に不調というわけではなく、調達やマーケティングなど複合的な理由によるものと考えている。
A.広告販促投資は引き続き高い水準で行っており、一時的な期ズレ等の影響はない。各種コストの効率化に加え、変動費コストアップを想定よりも抑制することができた。今後の見通しは、サプライヤーの加工賃の上乗せ等により追加のコストアップの可能性もあるため楽観視しておらず、年間計画を着実に達成していくことを目指したい。
A.4月初旬発売の競合新商品は、実際には3月末から出荷されたと推計している。その出荷影響を除けば、Q1の当社のビール数量前年比は、市場並みとなった。当社は、ビール市場の約半分のシェアを占めるため、新商品発売によりビール市場が拡大すれば、一定のシェアソースにはなってしまう。ただし、競合各社がビールに注力し、業界全体としてビール市場が活性化していくことは、当社にとってもポジティブなトレンドだと考えている。ビールシフトが進む2026年に向けてブランド投資を継続していく方針であり、実際に着実に投資の成果を生んでいる。ビール市場全体を盛り上げるトップランナーとして、今後も競合の動向等を見ながら最適な投資を行い、『スーパードライ』で勝ち抜いていきたいと考えている。
A.売上については、Octopiの買収による数量のプラス影響が2%程度あり計画を上回ったが、その影響を除いても、2023年Q4までの数量減少のトレンドから変化が生じ、数量増に転じた。また、プレミアム化を伴うボリューム成長に加えて、変動費などのコストが想定より抑制できたことが好調な業績につながった。
A.ポーランドに関しては、昨年4月の値上げ前の仮需によりQ1で数量増となったため、本年はその反動もありQ1の前年比は低迷した。一方で、速報値ベースの4月はプラスに転じており、他の主要国と合わせて欧州の全ての国で、数量がプラスのトレンドになってきている。また、プレミアム化については、Q1のメインストリームの数量が前年比▲1桁台前半である一方、プレミアムの数量が前年比+1桁台半ばで成長するなど、トレンドは継続している。
A.インフレの継続や雇用環境の悪化、金利の高止まりなどにより、2024年Q1のマクロ環境は厳しく、それらが消費者心理に影響を与えた。また競争環境については、競合他社の価格政策の影響などにより、主力商品の『Great Northern』が減少するなど、当社ビール類販売数量への影響があった。引き続き消費者心理への影響は残るが、2月の酒税改正時に各社も値上げを行ったことに加え、7月の所得税減税や今後の利下げの可能性などのプラス要因もあるため、年間を通しての懸念は低下している。当社は引き続き値下げ等による価格戦略は行わず、従来通りプロモーションなどを中心としたプレミアム化を図る方針。
A.Q1のような数量減少が継続した場合は、それをカバーするのは難しくなるが、このQ1の状況が年間を通して続くとは考えていない。また収益構造改革など、トップラインに依存しない部分での増益を図ることで、引き続き年初計画どおりの着地を目指していく。
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