事業戦略説明会(欧州)主な質疑応答

A.事業利益率が低下した要因としては、コストインフレの影響があり、価格改定などによりカバーしているが、全てを吸収することは難しかった。また、この4年間は、人材とブランドへの投資強を決断したこともあり、コストの水準は高まっている。一方で、こうした投資をしなければ、「Ferrari」や「Citi Group Football」とのパートナーシップも締結できずに今の競争力の獲得は成し得なかったと考えている。複数要因はある中でも、今後は3年程度の間に事業利益の絶対額をCOVID-19前の水準に戻していきたいと考えている。マーケットシェアも高い水準となり競争力は強まっており、強固な基盤の維持と戦略を通じて、収益性も高めていく。

A.足元の販売数量は安定化の基調にあり、インフレの水準も平常レベルに戻りつつある。これまで歴史的なインフレの中で、CPIと同水準となる1HL当たり10%以上の値上げを実施しており、それと同時にシェア向上を実現し、競争力は着実に高まっている。そうした中で、特にトップラインについては、今後のプレミアム化の流れを背景にこれまでのようなパフォーマンスが維持することが出来れば、目標達成は可能だと考える。コスト面では、ガラス瓶やアルミ缶、エネルギーの市況が緩やかになってきており、収益性にプラスとして働いてくる局面もくると考える。さらに、市況環境に極力左右されない様にデジタル化によりサプライチェーンの最適化も図っている。トップラインの成長と厳格なコスト管理を実行することにより、事業利益額や収益性は着実に回復していくと考えている。

A.競争力の強化については、マーケティングに伴う長期的なブランド・エクイティの向上が一番の根幹になると考えている。そして優秀な人材を保有しており、ブランド投資も継続していくため、ブランド力を高め続けていくことが出来ると確信している。『Asahi Super Dry』『Peroni Nastro Azzurro』、他のイノベーション商品を拡大させていくと共に、テクノロジーを駆使して効率的なブランド投資も進めている。ブランドや施策の選択、進捗管理など、投資が最大限機能する取り組みを進めていることに加えて、投資を支出するためにバリューエンジニアリングによるコスト効率化プログラムも強化している。こうした取り組みを通じて、競争力を保ちつつ、収益性を高めていく。

A.バリューエンジニアリングでは、生産効率化やコストアップの回避などにより2023年も一定規模の削減を図ることができた。今後もコスト管理を目的とした重要な取り組みを推進し、コスト効率化による利益創出とトップライン成長・価値創造に向けた投資原資の確保をバランスよく配分していく。

A.欧州では、季節性が高いため夏場の気候影響などに伴い、トップラインにリスクが発生する可能性はあると考えている。但し、ブランド力が高まり強力な基盤を構築しており、プレミアム化は継続できている。また、Revenue Growth Managementによる適切なプライシングやプロモーションも展開して、コモディティ価格も軟化傾向にある。足元でも比較的良い天候が続いており、四半期毎で見れば容器デポジット制度などの対応による期ズレは生じる可能性はあるが、今期ガイダンスの達成には自信を持っている。

A.2030年をターゲットの1つとして販売拡大を加速化させているが、グローバルブランドの確立は長期的なプログラムであり、「Ferrari」や「City Football Group」とのグローバルパートナーシップがあっても短期で成し遂げられるものではない。重要なことは、正しい道筋を、学び、実行しながら着実に2030年までの歩みを進めることだと考えている。単に広告を展開するだけではなく、消費者への認知度を高め、トライアルやリピートの頻度を向上させて、ブランドを理解してもらうことが必要となる。様々なコミュニケーションを試みることに加えて、各市場にアクセスできるようにしていく。

A.現在は認知度を高めるための投資を強化しており、飲用経験の拡大に着実な成果を出すことができている。「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」の成果もあり、2023年の『Asahi Super Dry*』は前年比+35%となった。アジアに加えて、開催国のフランス、また英国などでも認知度が高まってきている。こうした取り組みによる成果を今後も示し続けることができると確信している。
*母国市場を除く販売数量

A.欧州事業にとって、米国は将来の中核となる市場にしたいと考えており、グローバルブランドの戦略において非常に重要となる。その中で、Octopiの買収は、米国における成長機会として非常な魅力的なものとなる。これまで米国では、『Asahi Super Dry』についての輸送時間やパッケージングなどに制約はあったが、これらから徐々に解消されることになる。今後、Octopiの製造能力の拡張が可能となり、『Asahi Super Dry』の大きな成長に向けて、先ずは獲得したプラットフォームを使ってブランドの強化を最優先に取り組んでいく。争の激しい市場ではあるが、更なるプレミア化の余地もあり、拡大展開を図っていく。

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