事業戦略説明会(日本)主な質疑応答

A.ブランド投資については、リターンを短期・中期・長期で求めていく中で、お客様からの評価・ブランドエクイティ・ユーザー数・競合の動向等を見ながら最適な投資を行うようにしている。計画達成という前提はもちろんのこと、売上収益広告販促費率が大幅に上昇しないように、優先順位に基づいて育成すべきブランドに集中し、総額をコントロールしている。特に「ビールカテゴリーで勝ち切る」ことを目的に投資を行っているが、単にその投資規模だけでなく、投資効率も重視しており、常に最適な方法を模索しながら投資を行っている。最近では、全国で一斉に投資を行うのではなく、まずは地域や業態を絞ったマーケティングを行い、一番効果が期待できる手法に経営資源を投入するなど、投資の成功確率を上げるための工夫も行っている。また、収益性の管理については、過去は四半期や年間の単位で管理していたが、現在は12ヶ月や18ヶ月と言った長いスパンでも管理し、短期施策に過度に依存することなく、中長期での収益性改善に向けて必要な手立てが打たれているかという視点でも議論している。

A.以前は、ビール市場及びビール類市場のユーザー数は減少傾向にあった。その後、2020年10月、2023年10月の酒税改正を経て、ビールの減税効果に加え、各社が、新商品発売を含めて、ビールに投資を集中してきたことにより、ビール購入者数が増加傾向にある。また、消費者の高付加価値商品への需要の高まりなどを受け、小売の店頭の棚割りにおいても、ビールの比率が増えてきていることもビール購入者数増加の一要因だと考えている。今後も2026年10月のビール類の酒税額統一に向けて、ビール類におけるビールの構成比が更に高まると予想される。

A.持続的な賃上げという好循環が実現すれば、可処分所得増加への期待が大きくなり、その結果、外食や観光などへの支出が増える可能性がある。外で飲食する機会が増えれば、ビール需要にも好影響を与えると考えている。また、新ジャンルからより価格の高いビールへのシフトが進む効果も期待できる。以前より、「ビール消費は景気にも影響を受ける」と言われており、当社としても景気の好循環の実現を期待している。

A.2026年の酒税改正では、ビール類の酒税額統一に加え、RTDの増税などにより、各カテゴリーの構成比に変化が生じる可能性がある。ビール類内では、現在のようなカテゴリー別の明確な価格差はなくなるが、海外の様に、プレミアム、メインストリーム、エコノミー、あるいは機能系というようなクラスターが形成される可能性がある。その中で、当社としては定番系の商品だけではなく、独自価値を持つ商品を含めて、ビールで圧倒的なポジションを目指していく。また、RTDについては、増税による店頭価格上昇を受けて、棚スペースが減少する一方で、健康志向の高まりを踏まえてノンアルコール、微アルコール、ローアルコールの商品が増える可能性もある。様々な市場変化を想定しながら、2026年以降の最適なポートフォリオの実現に向けて取り組んでいく。

A.日本での調達機能の強化については、「2025年に2022年比で約150億円のコスト削減」の計画に対して、2023年は50億円程度の削減を行うことができた。一方で、変動費を中心に各種コストアップが発生したため、削減効果が利益の押し上げ要因にはならなかったが、取り組み自体は順調に進んでいる。また、日本全体で基幹系システム等への各種投資を見込んでいるため、24年の日本全体としての増益幅が小さく見えるかもしれない。2025年及び2026年も投資額が増える可能性はあるが、日本独自でのコスト効率化の施策に加え、AGPRO社との取り組みの成果も上乗せしていきたい。

A.飲料事業は、売上規模では業界3位だが、収益性は競合対比で高い。また、酒類と飲料の消費の垣根が無くなりつつあり、5,000万人規模と推計している「アルコールを飲まない人」に対して酒類・飲料事業で連携してアプローチをしていくことが重要だと考えている。また、生産や物流においては、工場のハイブリッド化を含めて酒類との連携を既に進めている。食品事業については、『ミンティア』だけではなく、ベビーフードは業界シェアNo.1であるし、フリーズドライ食品、健康食品、サプリメント、粉ミルク等でも成長を果たしている。当社が有する技術シーズを活かした上で、拡大している市場、収益性が高い市場で取り組みを強化していく。また、酵母や乳酸菌におけるB to B市場でのプレゼンス拡大も図っていく。

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