事業戦略説明会(オセアニア)主な質疑応答
A.マクロ環境の悪化に伴い事業環境は年初想定より厳しい状況にある。インフレ影響により消費者マインドは悪化しており、主に酒類のトップラインに影響を与えているが、当社としては、柔軟なパッケージ戦略なども含めた対応を進めている。一方で、引き続き長期的な戦略に重点を置いており、ブランド投資によるイノベーションの推進などについても継続的に取り組んでいる。なお、金利政策の変更などについては、政府の発表を待つ状況であり、長期金利変動のタイミングにも左右される。所得税の減税については、本年7月から実行される予定ではあるが、実際の販売トレンドに反映されるまでには時間を要すると見ている。
A.業務用の飲食店については、我々の戦略の柱でありお客様と緊密な関係を構築している。足元のマクロ環境の悪さとは裏腹に、飲食店において平日は客足が減っている一方で、週末の客足に大きな変化はなく、業務用は強靭さを発揮している。但し、一部カテゴリーの数量は減少しており、特にビールからRTDへのシフトは起きている。その中で、我々は各カテゴリーにおいて購買時の平均価格、1回当たりの購入単価を高めることに注力している。
A.過去10年において豪州のビール市場は横ばい~若干の減少というトレンドを辿ってきた。しかし、当社は『Great Northern』のジンジャーフレーバーや『Balter』などイノベーティブな商品展開に加え、パッケージの工夫などにより明るい未来があると考えている。また、ビールを重要な位置付けに据えつつ、マルチビバレッジ戦略を進めており、様々な消費ニーズを満たす商品展開が可能となる。具体的には、成長性の高いRTDにおいて大きなシェアを占めていることに加え、飲料についてもスポーツ飲料などの強いブランドを保有しており、将来的な事業成長については自信を持っている。
A.他社の価格戦略についてのコメントは難しいが、当社としては競合の活動などを注視した上で、ブランド投資を適切に行い、売上の拡大を図る方針である。今後とも消費者ニーズに合わせたブランドやチャネルの展開を行った上で、適切な価格戦略を継続していく。豪州では、CPIの上昇に合わせて年2回の酒税改正があるため、そのタイミングで事業全体のポートフォリオ戦略などに照らし合せて価格戦略を決定していく。
A.中長期戦略を実行していく中で、利益率の向上も実現していく方針である。今後も高インフレが継続していくことなどのリスクは残るが、価格戦略に加え、プレミアム化、チャネルやパッケージミックスの改善、コストコントロールなどを推進することで利益率の向上を図っていく。
A.ニュージーランドにおいて、酒類は家庭用となるスーパーなどの食料品店と酒専門店があり、それに業務用を加えた3つのチャネルに分けられる。また、飲料は家庭用と業務用に分けられる。豪州においては、酒類と飲料には家庭用と業務用の下に複数のサブチャネルがあり、食料品店などに加えオン・ザ・ゴー(ガソリンスタンドなど)や、独立系の小売店やカフェ、レストランなどがある。当社は、こうした各チャネルに対してクロスオーバーに商品を提供しており、アルコールを含むマルチビバレッジ戦略を展開している。国ごとやチャネルごとの具体的なマージンについては開示していないが、全体を通して収益性の改善は可能だと考えている。Revenue Growth Managementの戦略を通して、高付加価値商品や多様なパッケージの展開により単価向上を図ることに加えて、缶の製造ラインを新たに立ち上げるなどのSCMへの投資を行うことで、効率性を高めていく。また、DX投資により顧客への有用なサービス提案や、営業担当者にとって使い勝手の良いITツールを提供することで、更なる成長に繋げていく。
A.既存ポートフォリオは、マルチビバレッジ戦略の推進ができるものとして満足している。近年のポートフォリオに組み込んだ『Allpress』や『StrangeLove』などによって、当社は広範囲な消費者にリーチすることが可能になっている。加えて、『Hard Rated』などイノベーション商品の展開にも成功しており、ブランドの既存、新規を問わずに、更なるポートフォリオの充実化を図っていく。
A.『Great Northern』は既に大きなシェアを占めているが、特に量販店など家庭用の需要を中心に、拡大の余地はあると考えている。アルコール度数3.5%というカテゴリーへの需要は根強く、イノベーションなど積極的な施策を通して中長期的にプレミアム化を図ることができる。
また、プレミアムカテゴリーはインフレの中においても、多様なパッケージ展開などを含めて価値訴求をすることで、成長余地があると考えている。当社はプレミアムは、メインストリームと比較して30%程度の価格が高い商品群と定義しており、『Balter』や『Mountain Goat』、『4 Pines』といった高価格帯のクラフトビールへの投資を通じ、業務用への展開も含めて強化することが重要だと考えている。インターナショナルビールである『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』も継続的に売上は拡大しており、今後も成長が期待できる。
A.当社最大のブランドである『Great Northern』は、ジンジャービールやノンアルコールビールなどエクステンション商品の展開もしており、コアブランドとしての投資を継続している。全体ポートフォリオを鑑みると1つのブランドへの依存は避けるべきだが、『Great Northern』はCAGRベースでも成長しており、各チャネルにマーケティング投資を強化することで、間口の拡大を見込んでいる。消費トレンドの変化に合わせて発売したジンジャービールは、足元では好意的な反響を頂いており本格的な成長軌道に乗せていきたい。全体的なポートフォリオ戦略として、他にも『Carlton Draught』や『Victoria Bitter』になどの主力ブランドも活用し、消費者との接点を更に拡大していく。
A.我々は継続的なコスト効率化を図っており、その過程においてベストプラクティスをグローバルに共有している。例えば4月からグループ本社において新たな執行体制が発足したことを受け、グローバルエグゼクティブチームにおいてお互いのノウハウを共有している。オセアニア事業としては、シェアードサービスの事例をコスト効率化とサービスの質向上につながる取り組みとして紹介した。また、将来における追加的なコスト効率化のチャンスとしては、SCMの効率化とそれに伴う商品ポートフォリオの合理化が挙げられる。さらに、デジタル化への投資も行っており、買収もした中で多様化した働き方に対し標準化した仕様を設計することによる効率性の追求や、ITツールにより営業部隊へ様々な情報提供を行うことなどに取り組んでいる。
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