2026年Q2決算説明会 主な質疑応答
A.まずは今回、決算開示を正常な状態に戻すことができ、投資家の皆様にさまざまな情報を発信していくための環境が整った。今後は、これまで推進してきたグローバルブランド拡販を含めたプレミアム戦略やBeer Adjacent Categories(ノンアルコール飲料、RTD、成人向け清涼飲料など、ビール隣接カテゴリー。以下「BAC」)などの成長領域について、定量的な戦略を示し、着実に実績を積み上げていくことが重要だと考えている。加えて、AIの活用などによる生産性向上や収益構造改革にも取り組んでいく。
また、2026年6月にグループ理念のAsahi Group Philosophyを改訂し、現在それに基づき、長期戦略や事業ポートフォリオ、必要なケイパビリティなどについて議論を進めている。これらの議論の内容も踏まえて、2027年2月の決算発表時を目途に今後の長期戦略についても、更新したものを示していく方針。
A.従来のAsahi Group Philosophyは、中長期戦略や従業員の行動変容に十分につながっていないという課題があった。また、「我々がどうありたいか」ではなく「社会に対して何を果たしていくべきか」という観点から改めてパーパスドリブンな形にして、従業員のモチベーション向上も図った。消費環境が変化する中で、大量生産・大量販売だけでは、持続的に成長していくことは難しいと考えている。当社はおいしい商品・素晴らしい商品を提供することで世の中に感動を生み出し、その感動が人と人とのつながりを生み出す、そういう世界を届ける会社でありたい。こうした考えを新たなAsahi Group Philosophyに反映しており、今後、長期戦略や具体的な取り組みに落とし込んでいく。
A.システム障害の影響などもあり、ガイドライン達成に向けた進捗は当初の想定より遅れている。一方、東アフリカ事業の買収はエクイティファイナンスを行わない前提であり、EPSやROEの改善に向けたプラス材料になると考えている。また、今後もキャッシュフローの創出を見込んでいることから、自己株式取得についても予定通り進めていく方針である。更に、最も重要なことは利益を着実に積み増していくことであり、ここから巻き返しを図っていく。ROEについては円安の影響もあり厳しい状況だが、その分、海外事業の収益力を一層高めていくことが求められる。厳しい状況ではあるが、2030年までのガイドラインを見直す段階ではない。
A.中東情勢による2026年のコストアップ影響を通期で約150億円見込む中、上期実績は30億円強となった。下期は110億円強を見込むが、このうち日本の60億円強については吸収できる見込みである。欧州とアジアパシフィックを合わせた約50億円についても可能な限り吸収を目指す。
2027年については、既にコモディティのヘッジを進めており、足元の高い価格水準の影響が一部継続する。また、燃料や物流費、サプライヤ―のコンバージョンコストなど、ヘッジできないコストの影響も想定される。本年は、通常のコストアップ約270億円に、更に中東情勢の影響も加わり、コストが高い水準になる。ただし、ベースとしてあらゆるコストが上がり続けるトレンドにあるため、来年以降も本年比較でコストが下がることを前提とせずに計画を策定している。
A.大きく二つの取り組みがある。一つ目は、グループ横断で進めている調達コストの効率化で、本年USD100M強の効果創出を計画しており、上期はその4割強を創出できた。
二つ目は、各RHQで進めている収益構造改革である。欧州では上期実績は約EUR25M、通期では約EUR50Mの効果を見込んでいる。アジアパシフィックでは上期実績は約AUD15M、通期では約AUD25Mを見込んでいる。日本については、構造改革効果を単独で切り出すことは難しいが、上期の固定費は前年比約30億円改善した。ただし、この中には酒類の広告販促費等約35億円の下期への組み替えも含まれており、すべてが構造改革による効果ではない。また、システム障害を契機として、ブランドの選択と集中など、さらなる構造改革を推進していく。こうした取り組みの効果は2027年以降にも創出できる。
A.外部環境の厳しさは今後も続くと見ており、欧州やオセアニアでは、ビールの販売数量が伸びないことを前提とした経営が求められる。その中でもダウントレーディングを起こさないためには、より高い価値を感じていただける商品や、消費される場を作っていくという、消費財メーカーとしての基本を徹底することが重要である。
一方、こうした取り組みだけでは不確実性もあるため、バリューエンジニアリングや部署の機能統合などによる収益改善も進める。同時に、ビールの強みを維持しながら、BACなどの成長カテゴリーへ経営資源や人材を投資していく。
A.欧州では、ウクライナ侵攻以降のコストアップを受けて、ポーランドやルーマニア、ハンガリーなどでは累計50%以上の値上げを実施してきた。今後もCPI程度の価格改定は可能だが、それを大きく上回る値上げは容易ではないと思う。オセアニアでも価格水準がすでに高く、従来のような値上げ幅での価格改定は難しくなっている。日本については、今後の市場環境を見極める必要があるが、必要な価格改定は実施できる市場環境になってきた。
A.クロージングに向けて必要な承認プロセスが一部残っているが、本件の大きな障害になるとは認識していない。2026年下期中にクロージングするとの見通しに変更はない。また、Mandatory Takeover Offerの適用免除も認められており、65%以上の株式取得の予定もない。
A.上期の販売数量は中国が牽引したが、韓国、UK、米国においても増加し、トータルで前年比+31%となった。各市場で進めてきたブランド投資や販促施策、City Football GroupやRugby World Cupとのスポンサーシップの取り組みなどが成果につながり、成長が加速している。また、グローバルで一貫したブランドコミュニケーションを進めたことで、「ハイエンド」「スタイリッシュ」「ユニーク」、そして日本発の高品質なブランドというイメージが浸透してきた。利益貢献については、すでに高い収益性を実現している国もあり、販売拡大が利益に貢献する段階に入っている。一方、国によって成長ステージが異なるため、国別での短期的な利益だけを追うのではなく、グローバルでスケールを拡大し、中長期的な収益貢献につなげていく。
A.グローバル市場全体のBACの販売数量は、2030年まで年平均+1桁台半ばの成長を見ており、当社はノンアルコール飲料や成人向け清涼飲料など、より成長性の高い領域を中心に取り込んでいく。上期のBACの販売数量は前年比△1%となったが、日本でシステム障害の影響が残ったことが主因であり、第2四半期では日本が前年比約+10%、グローバルでは同+6%となるなど、成長軌道に戻ってきた。
今後は販売数量を追うのではなく、『未来のレモンサワー』など付加価値の高いプレミアム領域を伸ばしていく。また、R&Dやブランディングなど各地域のケイパビリティを共有し、『ZEITAKU SHIBORI』の米国・豪州・ニュージーランドへの展開をはじめ、各地域のブランドを他市場へ展開することで、グループ横断でBACの成長を加速させていく。
A.日本(食品)は計画を上回る進捗であり、日本(酒類)も一部に厳しさは残るが、計画達成が見えている。一方、日本(飲料)は売上の回復が遅れており、中東情勢によるコストアップ影響も含めて厳しい状況にある。
まずはトップラインの成長が重要であり、日本(酒類)では『スーパードライ』ブランドのリニューアルを軸にビールカテゴリーを強化し、日本(食品)では新たな商品展開に挑戦していく。その上で、日本(飲料)のマイナスを、中国中心に好調な東アジア、日本(食品)でカバーするとともに、地域統括会社アサヒグループジャパンのコストもコントロールし、中東情勢の影響も打ち返しながら通期計画の達成を目指す。
A.単純にコストを抑制するのではなく、効果が見込める領域にはきちんと投資をしていく。広告販促費については、酒税改正を見据えてこれまで投資を強化していた部分もあり、今後は適正な水準に向けてコントロールしていく。
2027年については、日本(酒類)の利益に大きな不安はなく、2024年の水準を上回ることが可能と見ている。一方、日本(飲料)は課題であり、トップラインの回復に加え、コスト面も含めて利益改善を図っていく。
A.これまでの市場や当社の販売動向を踏まえても、ビールへの需要シフトは継続すると見ている。当社としては、『アサヒスーパードライ』を中心としたビールカテゴリーに経営資源を配分する方針に変わりはない。RTDについては、無糖やプレミアム領域の拡販、付加価値と収益性を重視した戦略を展開していく。
A.市場環境は厳しく、中東情勢によるコストアップ影響もリスクとして残っているが、現時点で年間計画は変更していない。特に厳しいのはポーランドとルーマニアであり、チェコ、イタリア、UKなどは堅調に推移している。ポーランドやルーマニアの弱さには構造的な要因もあるが、シクリカル(循環型)な要因も大きいと見ている。この局面で広告販促費を大幅に削減して短期的に利益を作るのではなく、市場環境が改善した際に成長を取り込めるよう、必要なブランド投資は継続する。こうした取り組みによりシェア改善の兆しも見られており、堅調な市場で業績を支えながら、年間計画の達成を目指す。
A.豪州ではマクロ経済の低迷が消費に影響しているが、最悪期は脱しつつあると見ている。インフレが落ち着き、追加利上げ観測も後退する中、足元では個人消費にも回復の兆しが見られている。一方、ガソリン価格は依然として高く、酒類を含む選択的消費への影響は引き続き注視が必要である。こうした環境下でも、マルチビバレッジ戦略を活かしてカテゴリー間で補完しながら、年間計画の達成を目指す。
A.主な要因は、豪州ビールの家庭用におけるダウントレーディングである。大容量パックへ需要がシフトするなど、単価が低い商品への需要が高まっている。一方、収益性の高い業務用は堅調であるため、業務用・家庭用のミックスが大きく悪化したわけではない。ダウントレーディングを構造的なものにしてはならないと考えており、マクロ環境の回復に合わせてミックスの改善を図っていく。
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