2021年6月18日

ビールと森の意外な関係。「アサヒの森」とは?

アサヒグループは、広島県の庄原市と三次市に2,165ha(東京ドーム463個分)にも及ぶ森を所有し管理しています。その名も、「アサヒの森」です。アサヒビールと森は意外な組み合わせでは?と思われるかもしれません。今回は、その意外な関係をご紹介し、森と皆様の身近な生活とのつながりを感じていただきたいと思います!

きっかけはビールの王冠にあった!今から80年前のお話。

コルクを使用していた当時のビール瓶の王冠
コルクを使用していた当時のビール瓶の王冠

 「アサヒの森」の起源は、1941(昭和16)年、アサヒビールの前身である大日本麦酒が、広島の山林を購入したことに始まります。
 これは、ビールびんの王冠の裏地に使用していたコルクの輸入が、戦争の影響で途絶えたときに備えて、アベマキの樹皮を代用品として確保するためでした。結果的には王冠の裏地には使われませんでしたが、戦後、山林はアサヒビールに引き継がれました。一部の自然林も残しながらヒノキやスギの植林を始め、自分たちで責任をもって運営できる体制を作っていったのです。

アベマキの林(赤松山)

アベマキの林(赤松山)

アベマキの樹皮

アベマキの樹皮
樹皮が軽くて柔軟性・弾力性に富むコルク質でできていることから、コルク材や冷蔵庫の断熱材などに利用されたといわれている。

「FSC®森林認証制度」を知っていますか?

持続的でよりよい森林経営の実現にむけた取り組みを強化するため、2001年には「FSC森林認証」を取得しました。

FSC認証マーク
ノートや冊子の裏表紙などで、こんなマークを見たことはありませんか?

FSC認証は、環境保全の点から見て適切で、 社会的な利益に適い、経済も継続可能な、責任ある管理をされた森林や、そこから生産された林産物、再生資源、その他の管理された供給源からの原材料で作られた製品を識別する国際的な森林認証制度です。「アサヒの森」は2001年に「FSC森林認証」を日本で3番目に取得し、今年で20年になります。「アサヒの森」では森林経営計画に基づく利用間伐などの適切な森林管理を実施しており、搬出された木材は主に建築材として市場に出荷され、一部はアサヒビールの販促品や自社オフィスの内装木質化などにも活用されています。

ウォーターニュートラルという考え方

アサヒの森
アサヒの森は、アサヒビールの国内全8工場の水使用量の約95%に相当する地下水を涵養しています。

 健全な森は、CO2の吸収による「地球温暖化対策への貢献」、洪水による土砂崩れなどの「災害からの防備」、「生物多様性の保全」など、人々のくらしを守る役割がたくさんあります。
 アサヒグループでは、森林保全により水の涵養(森が水を育み蓄える能力)を進めることで、アサヒビールの国内ビール工場(8工場)で使用する水の使用量と「アサヒの森」の涵養量を2025年に同等以上にするというウォーターニュートラルの目標を掲げました。2019年の水使用量に対し、2020年に95%まで森の管理面積を拡大させることができました。

ウォーターニュートラルとは、水資源の使用量削減と水資源の保護による補填などを組み合わせることで、使用する量と同等量の水を自然に還元する取り組みです。

国宝などの文化遺産を未来につなぐ!森の役割とは?

ふるさと文化財の森
ふるさと文化財の森

 「アサヒの森」は文化の持続可能性も視野に入れています。古くから、木は日本の文化や生活を支えてきました。しかし、かつての大伐採や拡大造林などの影響で大木が育っていないという現状があり、寺社仏閣などの大型木造文化財を修理復元するときに必要な大きな木材を国内で調達できないという問題も起きています。そこで、アサヒグループは、「文化遺産を未来につなぐ森づくりのための有識者会議」の事業「『文化材』創造プロジェクト」に参画。2009年に「アサヒの森」の一部を「文化財の森」として登録しました。そして今年3月には、文化庁の「ふるさと文化財の森システム推進事業」における「ふるさと文化財の森」に食品メーカーとして初めて認定されました。「樹齢150年以上の大木を育てる」という責任を担うとともに、日本の文化維持に貢献していきます。

「森を守る」という仕事について

アサヒグループホールディングス(株) アサヒの森環境保全事務所 所長 松岡 洋一郎
アサヒグループホールディングス(株)
アサヒの森環境保全事務所
所長 松岡 洋一郎

 現在放映されている朝の連続テレビ小説で、主人公のモネが森の管理をしながら日々色々な体験する姿を楽しみにしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「アサヒの森」は、現在、アサヒの森環境保全事務所に4名の社員が常駐し森林経営を行っています。所長の松岡に話を聞いてみました。
 2009年に社内公募で選ばれ、初めは林業に関する言葉や木の種類など「全く分からずゼロからスタート」でしたが、「様々な社会課題解決に貢献できる森林経営に携われることを誇りに思う」とのことです。また、2017年にアサヒの森環境保全事務所は、国立競技場のスタジアム外周部の軒庇に使用する広島県産スギ材を供給しました。「先輩社員の方々が大事に育ててきたアサヒの森の木がこのような注目度の高い事業に使われたことは、たいへん感慨深いものです。」

そんな松岡に、「アサヒの森の中で撮ったお気に入りの写真は?」と聞いたところ、「たくさんあるのでしぼれない…」と悩みながら選んだこの2枚をご紹介します!

女亀山(三次市)山頂のブナ林

女亀山(三次市)山頂のブナ林
山頂付近に孤立するブナ林で広島県の自然環境保全地域に指定されています。

雪の甲野村山(庄原市)

雪の甲野村山(庄原市)
新雪の上にはノウサギなどの動物の足跡が観察できます。

「森を守ることで、きれいな水や空気、自然の恵みを次の世代まで残していく」

それは自然の恵みを用いて事業活動を行う私たちアサヒグループの責任だと考え、持続可能な社会・世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献するため、これからも森を守り続けていきます。

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