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強炭酸水でタイピングの
パフォーマンスUP

強炭酸を飲用した際の
PCタイピングへの
影響を検証

アサヒ飲料では、強炭酸水の飲用が、オフィスでの日常作業であるPCタイピングのパフォーマンスに何らかの影響を及ぼす可能性を探る目的で、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 満倉靖恵 教授との共同研究を実施。

その試みの一つとして、PCタイピングの「総打数」「正打数」、脳波解析*1を用いてタイピング中の「ストレス度」の感性の数値変化を調査しました。

*1 「感性アナライザ」を使用して、脳波を測定し、「ストレス度」を比較。
「感性アナライザ」は慶應義塾大学 満倉靖恵 教授と(株)電通サイエンスジャムが共同開発した、人の脳波から感性を簡易に分析する技術。

Report

強炭酸水を飲用した
直後において「総打数」
「正打数」が
有意に増加し、
「ストレス度」の低下が見られた

今回の実験は、オフィスを模した貸し会議室を利用し、成人就労者32名を被験者に実施。脳波を測定しながら5分間のタイピングを行った後、強炭酸水と水のどちらかを飲んでもらい、5分間のタイピングを4回連続で実施し、時間内に何文字打てるかという「総打数」、正しく文字を打てるかという「正打数」の数を比較。また、脳波解析によってタイピング中の「ストレス度」の感性の数値変化を調べました。

飲用前と飲用後にタイピングを行った結果を比較したところ、水を飲んでタイピングした場合は「総打数」「正打数」ともに有意な差は認められませんでした。一方、強炭酸水を飲んでタイピングした場合は、飲用直後の5分間における「総打数」と「正打数」が有意に増加しました。

飲用前・飲用後のPCタイピング「総打数」

強炭酸水の飲用直後から5分間におけるタイピングの「総打数」が有意に増加しました。一方、水を飲んだ場合では有意差は認められませんでした。

飲用前・飲用後のPCタイピング「正打数」

強炭酸水の飲用直後から5分間におけるタイピングの「正打数」が有意に増加しました。一方、水を飲んだ場合では有意差は認められませんでした。

また、タイピング中の「ストレス度」の数値については、強炭酸水を飲んだ場合は、水を飲んだ場合と比較して、飲用直後の130秒間において「ストレス度」の数値の低下が見られました。これらの結果から、オフィスで強炭酸水を飲用した直後には「ストレス度」の低下とタイピングのパフォーマンスが向上する可能性が示唆されました。

【脳波解析】 タイピング中の「ストレス度」比較 (感性アナライザによる評価)

タイピング作業量の増加があった強炭酸水飲用後の0分〜5分の「ストレス度」の数値の変化を見ると、タイピング開始後130秒間の平均値は、
水を飲用した場合と比較して有意な低下が認められました。

飲用前 開始後130秒間平均値
飲用前 10秒毎平均推移(0〜5分間)
飲用後 開始後130秒間平均値
飲用後 10秒毎平均推移(0〜5分間)

タイピング作業量の増加があった強炭酸水飲用後の0分〜5分の「ストレス度」の数値の変化を見ると、タイピング開始後130秒間の平均値は、水を飲用した場合と比較して有意な低下が認められました。

Summary

実験概要
  • 参加被験者:成人就労者32名(男性16名╱女性16名)
  • 強炭酸水および水を飲用しない状態で指定文章を入力するタイピングを5分間実施。3分間の休憩時に強炭酸水または水を150ml飲用して5分間のタイピングを連続して4回実施した後、「タイピング総打数」「タイピング正打数」を比較。(クロスオーバー試験)
  • タイピング中の脳波を測定し、「ストレス度」を比較
  • 実験の前後でアンケート(自覚症しらべ)を実施

被験者には壁に向かった状態でPCタイピングを行ってもらいました。

出典:炭酸水飲用がもたらすストレスの低下とパフォーマンス増加の調査(電気学会電子・情報・システム部門大会、2021年)