強炭酸水が
eスポーツ中・上級者の
情報処理の正確性を維持
長時間プレー時の
情報処理の
「速度」と「正確性」に及ぼす
強炭酸水の効果を検証
ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉え、今や世界の競技人口が約1億人ともいわれる「e(エレクトロニック)スポーツ」。日本においても高い人気を誇り、2021年の時点でeスポーツファン数(試合観戦、動画視聴経験者、地上波番組等の関連放送視聴経験者)は743万人とされています。ファン数は毎年着実に増加しており、2025年には1,200万人を超えることが予測されている*1そうです。
この「eスポーツ」は、プロ選手が活躍するハイレベルな国際大会などがある一方で、ケガのリスクが低く、子どもから高齢者まで年齢や性別を問わず、また障がいなどがある方でも同じようにプレーできるバリアフリーな「インクルーシブスポーツ」となる可能性を秘めています。
アサヒ飲料では、全国に先駆けてスポーツ科学の対象としてeスポーツ分野に取り組んできた筑波大学(研究代表:スポーツイノベーション研究開発センター 松井崇 助教)との共同研究により、eスポーツ中・上級者*2が強炭酸水を飲むことで長時間のeスポーツプレー時の「処理速度」と「正確性」に、どのような変化が見られるかを検証しました。
- *1 出典:「日本eスポーツ白書2022╱角川アスキー総合研究所」より
- *2 中・上級者:eスポーツの大会出場に向けて、毎日2時間以上の練習に取組んでいる人
長時間プレー時の
「情報処理の正確性」が
維持された
今回の実験は、eスポーツ中・上級者が集う交流施設「eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)」にて、若齢成人のeスポーツ中・上級者16名を被験者に実施。eスポーツをプレーする前後とプレー中の1時間毎の合計4回、強炭酸水と水のどちらかを飲んでもらい、合計3時間のプレー内で1時間毎に「処理速度」と、操作ミスなどをしない「正確性」を評価する認知課題成績測定を行いました。
その結果、中・上級者は一般的なプレーヤーとは異なり、強炭酸水を飲んだ場合でも、水を飲んだ場合でも「認知課題の処理速度」に変化はみられませんでした。

一方、「認知課題の正確性」においては、水を飲んだ場合はプレー開始から3時間の時点で有意な低下が見られたのに対し、強炭酸水を飲んだ場合には低下は見られず、「情報処理の正確性」が維持されていることがわかりました。

これらの結果から、eスポーツ中・上級者において生じる長時間プレー時の「認知疲労(情報処理の正確性低下)」を、強炭酸水の飲用が抑制する可能性が示唆されました。強炭酸水を飲むことは、eスポーツ中・上級者の長時間プレー時のパフォーマンス維持に役立つと考えられます。
- 参加被験者:eスポーツ中・上級者の若年成人16名(男性16名)年齢:23.6±3.5歳
- どちらも4℃に設定した強炭酸水、水を各4回(1回目200ml、2回目100ml、3回目100ml、4回目100ml)摂取する(クロスオーバー試験)
- 1時間のプレーを連続で3回行い、プレー時の瞳孔径計測と各プレー前後で主観評価と認知課題成績測定を実施し、結果を比較
- 今回の実験では、市販のサッカーシミュレーションゲームを使用
【特設ブースでの
eスポーツ実験風景】

【*3 認知課題(フランカー課題)】
一致課題
不一致課題
モニター画面に表示された真ん中の矢印を見て、向きを「右、左」と答えるもの。1つだけ向きが異なる矢印が表示された場合、判断が難しくなる。その正確性と答えるまでの時間から認知機能を評価。
プレー時間毎の計測内容

【eXeField Akibaとは】

住所:東京都千代田区外神田4丁目14-1 秋葉原UDX4F LIFORK AKIHABARA内
出典:炭酸水の飲用はeスポーツプレーヤーの認知疲労を軽減する(第41回日本生理心理学会、2023年)