酵母エキス調味料の開発
付加価値の高い酵母エキスで、加工食品の味づくりを支える
酵母から抽出した「酵母エキス」はうま味成分を豊富に含むため、古くから調味料や料理のベースとして活用されてきました。アサヒグループではこれまで培ってきた酵母の活用技術を駆使して、酵母の選抜や培養条件の検討、またエキスの抽出方法の検討など、様々な技術開発に取り組んでいます。こうしてつくりあげた酵母エキスは、加工食品をはじめ、健康食品やペットフードなどの業界で幅広く活用されています。
膨大な酵母ライブラリーから、特徴ある菌株を選抜
酵母にはグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などのうま味成分が多く含まれています。そのため、酵母から抽出した「酵母エキス」はヨーロッパでは古くから調味料として使われてきました。アサヒグループでは、長年培った醸造・発酵の技術やノウハウを駆使して、グルタミン酸リッチ、核酸リッチなど特徴ある酵母エキスの開発に取り組んでいます。
酵母エキスの開発では、アサヒグループが保有する膨大な酵母ライブラリーの中から、狙いとする成分を多く含む酵母を選抜し、さらに、その酵母の効率的な培養方法や、エキスの抽出方法などの検討を行っています。
酵母エキスのチカラで加工食品メーカーの課題を解決
新しく開発したグルタミン酸高含有酵母エキスは、うまみの増強だけではなく、カレーのスパイス感を高める、お酢のつんとした酸味を和らげる、アイスなど乳製品の乳感や濃厚感を高めるなど様々な効果を発揮します。加工食品メーカーなどのお客様と直接お話しながら課題を聞きだし、酵母エキスによって課題解決へと導くのも開発担当者の仕事です。
酵母の特徴を活かした加工でチーズ風味やスモーク風味を作り出す
酵母エキスは、思いがけない発見をきっかけに、新たな活用の場が広がっています。開発担当者たちは、複数の酵母エキスを組み合わせたり、熱を加えるなどの加工をすることで、「チーズ風味」「スモーク風味」「ゴマ風味」など特定の風味が感じられる酵母エキスの開発に成功しました。これにより、ドレッシングやソースなどの調味料、ソーセージやインスタント食品などの加工食品、アイスや焼き菓子などのデザートまで、幅広い味づくりに酵母エキスが活かされるようになりました。
酵母の魅力に惹かれ、さらに良いものを生み出したいという想いで、酵母エキスの新たな活用に挑戦しています。