アルコールによるオフィスでの生産性向上の可能性探る
コワーキングスペース『point 0 marunouchi』での実証試験を報告するトークイベントを開催
2020年2月4日、アサヒビール(株)は、会員型コワーキングスペース『point 0 marunouchi(ポイントゼロ マルノウチ)』(東京都千代田区)にて、複数の参画企業とともに、未来のオフィス空間づくりに向けた実証実験の進捗などを報告するトークイベントを開催しました。
『point 0 marunouchi』は、2019年7月に開設した会員型コワーキングスペースです。参画する企業が「未来のオフィス空間」を実現していくための実証実験をする場でもあり、各社の技術を駆使した快適な空間をつくりだすコンテンツや、既存のオフィスにはないサービスを利用者の方に体感していただき、健康で快適に働けるオフィス空間づくりに向けた実証を行なっています。
トークイベントは2日間にわたって開催され、合計で365人のお客様・お取引先様・メディアの方などにお越しいただきました。イベントでは数社が共同でトークセッションを行うとともに、内覧会を実施し、各社のブースにおいて取り組み内容をご説明しました。
アサヒビール社からは酒類開発研究所の所員が登壇し、参画企業のうち、東京海上日動火災保険(株)、TOTO(株)、ダイキン工業(株)とともに、「健康的なオフィス空間の創造」というテーマでトークセッションを行いました。現在、経済産業省の「健康経営オフィスレポート」に基づき、各社がオフィス空間で健康を維持・増進するための取り組みを進めており、レポートに記載されている「健康を保持・増進する7つの行動」のうち、アサヒビールは特に「コミュニケーション」をより円滑にし、また気分転換を促す方法を検討しています。
一般的にアルコールは、コミュニケーションを円滑にすること、そして気分転換を促す側面があると考えられています。その側面だけに注目すると、オフィスで軽く飲用できれば気軽にリフレッシュでき、また議論も通常より活発になるように思えますが、周囲の目が気になる・自分がどのくらい酔っているか分からず飲み過ぎてしまう、といった理由から、オフィスへのアルコール導入には課題があるのが現状です。
アサヒビールは、昨年の7月より『point 0 marunouchi』にご利用者様がご自身で注ぐことのできるビールサーバーを設置し、複数のビールを提供してきました。その結果、お昼や午後の時間帯からお酒を飲まれる方もいること、また、アルコール度数5%よりも3%のビールがより多くの人に飲まれること、少量に分けて何度も飲まれる方が多い傾向があることも分かってきました。ご利用者様からも、ビールを飲用することでコミュニケーションが取りやすくなったというご意見があり、シェアオフィスのような公共性がある場所でも、アルコール度数やサーバーの操作性を工夫することで、アルコール活用の可能性があることが見えてきています。
一方、自分がどの程度酔っているか分からず飲酒量がコントロールしにくい、という課題に関しては、「酔いの見える化」を検討したいと考えています。例えば脈拍や表情、行動などを随時モニタリングできるデバイスを導入することで、一人ひとりが「爽快・ほろよい」の心地よい状態になる飲酒量を提案できるようになれば、アルコールと適切な関係をつくることができるのではないか、と想定しています。
ブースで提示したパネルの一部
これまでの『point 0 marunouchi』でのアルコール活用状況について分析を続けるとともに、カスタマイズできるサーバーをさらに改良し、場所や気分に合わせオフィスで個人に「最適な」お酒をリコメンドし提供できるような装置を検討していく予定です。
気分転換・生産性向上の目的でオフィスにアルコールを導入するためには、まだまだ色々な課題があるのが現状ですが、酔いを見える化しながら、カスタマイズ・リコメンドなどで一人ひとりがアルコールを最適に活用できるようにすることで、新しいアルコール活用文化の創造が可能になるのでは、と考えています。
様々な種類のアルコールを製造し、長年アルコールの価値に向き合ってきたアサヒビールならではの視点で、今後もアルコールがお客様にもたらす新しい価値を見出して参ります。