- Neuro × Life ~脳科学の活用による能力向上~
- Girls in Tech Japan Presents ~Catalyst Conference 特別編~
- 開催日時
- 2017年10月11日(水)14:30~16:30、懇親会17:00~18:30
- 講師
- 司会進行 Girls in Tech 馬場俊宏さん
- このイベントは
終了しました
本日のイベントは、ラボ・ガーデンでの開催が3回目、Girls in Tech 様とのコラボ企画、「Neuro × Life ~脳科学の活用による能力向上~」です
今日は、参加者の皆様も講師も、いつものラボ・ガーデンイベントとは、ちょっと違う雰囲気の方が多いようですが、とても勉強になりそうな、興味深い内容になりそうですよ!
まず最初は、主催のGirls in Tech 事務局 馬場さん・張さんから、団体の活動の主旨や実際の活動内容の報告、お誘いがありました
Girls in Techは、技術系・起業家・技術業界に興味がある女性(いわゆるリケジョ?)のためのプラットフォームです。
Science(物理・化学・生物)、Technology(コンピューターなどIT系)、Engineering(工学)、Mathematics(数学・統計学)の頭文字を取るSTEM分野への理解を促進し、将来の活躍分野の選択肢を広げる活動なのだそうです
Girls in Tech は、アメリカで創立されたボランティアで運営されるNPO組織で、日本は世界で60番目の支部。
これまでの日本での活動の様子として、女性起業家にカタリストになっていただいたセミナーなどを、写真で紹介いただきました
さて、本日のセミナーテーマは、「スポーツで勝つためのアスリート脳を解明し鍛える」です
講師は、NTTコミュニケーション科学基礎研究所 木村聡貴さんと、NTTサービスエボリューション研究所 小林明美さんをお迎えしています。
NTTの長年の脳科学研究の知見やノウハウと、最先端情報通信技術(ICT)とを融合させ、アスリート脳の情報処理の仕組みを解明し、ブレンドさせ、アスリートの能力向上を目指すメソッドの開発などを目的とするプロジェクトについてお話をお聞きして行きます
プロジェクトメンバーも、専門分野が実に多岐に渡り、宇宙物理学や医学・聴覚研究、元プロ野球選手など約20人ほどの構成なのだそうです。
スポーツでは、よく「心・技・体」と言われるように、頑健な「体」だけでなく、身体を適切に操るための「技」、プレッシャーに動じない「心」が重要ですよね。
皆さん、考えてみてください、例えば野球のバッターボックス。
ピッチャーが投げた球がホームベースに届くまでのわずか0.5秒ほどの間に、ボールの軌道を見極め、打つかどうかの判断をし、適切なスイングをしなければなりません
この時、脳は、状況を知覚・意思決定・運動指令と非常に複雑な情報処理を行っています。
なるほど~、確かにそうですよね
しかしあまりにも瞬時に行っているので、自分ではこの過程を意識出来ないでしょう。
このような潜在的な脳の情報処理こそが、一流アスリートの "ミソ" だと木村さんはおっしゃいます
分かりやすく言うと、どんなに高出力エンジンの車を持っていても、それを操る運転技術がなければ、宝の持ちぐされになると言う事なのだそう
この瞬時の情報処理について、「視覚」を基軸に様々なアプローチでの実験を行い、その解析についてもお話いただきました。
ここで出た考察として、無意識下での瞬時の情報処理は、いわゆる「動体視力」からの脳への伝達経路で行われるのではなく、別の「動くための視覚」からの経路を使っている可能性が高いのではないか・・・との事
これは、昔から言われる「目はこころの窓」なのではないか??
宮本武蔵「五輪書」にある、「観の目強く、見の目弱く」なのではないか??と木村さん。
今後ますます研究が進む事が期待されますね
後半は、小林さんから、前段で得た瞬時の情報処理のエッセンスを、どう選手にフィードバックするかについてのお話でした
小林さんは、現在、運動を "音"でとらえて、タイミングや強さを "音"で知らせるシステムを開発されています。
これは運動時の筋電位を音に変換するシステムを使い、トップ選手と若手選手のバッティング時の、腰の角速度とインパクトの瞬間とを計測し、よりトップ選手に近づく為のタイミングを"音"で知らせるというものです。
ここで、皆様にVR(バーチャルリアリティ)を使って、実際のバッターボックス体験をしていただきました!
投手が投げたボールの軌道を見極め、バットに当てる!これだけでも難しかったですね~
ウォー、ハァ~、とお声も聞こえてきました
このVRを活用した最先端テクノロジーで、アスリートの脳情報処理過程を更に解明し、そこからのアプローチ方法の研究を、今以上に進めて行くそうです。
2020年東京五輪では、この新しいアプローチ法で、グッと能力アップした選手に出会えるかもしれませんね
本日のイベント、いかがでしたでしょうか?
イベントタイトルで、少し難しいかな~と思っていましたが、最先端の企業の研究が、意外に身近に感じられるテーマで、大変興味深くかったです
ご参加の皆様ありがとうございました~。
セミナー終了後、西梅田のワインショップエノテカ大阪店にて、交流会も開催されました。
講師や関係者、参加者の皆様と、話題が尽きない、楽しい交流会になりました~
交流会もご参加の皆様、ありがとうございました~