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「Made in Italy」による持続可能な農業を、次の世代へ
イタリア人なら知らない人はいない国民的ビールメーカー、ビッラ・ペローニ社。1846年の創業以来、イタリア産麦芽にこだわってビールをつくり続けてきたこの老舗メーカーが、2018年、壮大なスケールのプロジェクトを立ち上げました。それが、麦芽のさらなる可能性を探求しながら、大麦農家と農業を学ぶ大学生を支援するプログラム「Campus Peroni」です。
「Campus Peroni」が目指すのは、将来にわたってイタリア産麦芽100%のビールをつくり続けるために、品質と持続可能性を同時に高めながら、イノベーションをも生み出す大麦栽培の仕組みを創り出すこと。この取り組みをきっかけに独自の生産文化を醸成し、次世代へと継承するのが、同社が掲げるビジョンです。この野心的な目標を成し遂げるには、大麦栽培に関わるあらゆるプロフェッショナルの知恵をひとつに集めなくてはなりません。プログラムには、ビッラ・ペローニ社の麦芽工場のほか、国立の農業研究センター、6つの地元大学の農学部、地元の大麦生産者が参加。さまざまな立場の人たちがパートナーシップを組むことにより、分野を超えた知の融合を試みています。
「Campus Peroni」のユニークな点は、プログラムが「研究」「教育」「交流」の3本柱で成り立っているところです。大麦栽培の研究を通じてイノベーションを生み出すこと。農家を志す学生に、大麦生産者みずからが栽培・製麦の技術や農場管理の指導にあたり、持続可能な農業を押し進めること。大麦生産者同士の交流を通じてネットワークをつくり、新しい生産文化を守り育てること。これらが密接に連携することで、ビール生産のはじめから終わりまで、一気通貫した仕組みづくりが可能になります。
つくり手、研究者、教育者、農家、学生。立場も経験も異なる「Campus Peroni」の参加者には、共通するひとつの想いがあります。それは、「Made in Italy」のこの上なく上質な原材料に対する誇りと、イタリア産ビールの価値を高めることへの飽くなき情熱。50年後も、100年後も、サステナブルで質の高い原材料による味わい豊かなビールをつくり続けるために――。「持続可能な農業」というバトンを、次世代につなぐビッラ・ペローニ社の挑戦は、始まったばかりです。