OUR STORIES
「声をあげよう!」ー。新通報システム「Speak Up」の導入と責任ある企業活動の推進
2024年の5月、アサヒグループではグループ共通の新たな通報システムを設けました。システムの名称は「Speak Up」。グループ内における人権侵害をはじめとしたあらゆる不正行為、またはそのおそれのある行為について、オンラインや通話料無料の電話窓口から相談できるシステムです。
私たちの最善の努力にもかかわらず、社内規定や法令に違反していると思われる状況、または、その他非倫理的な事象が発生してしまうかもしれません。不正行為があった場合、早期に問題を発見し、改善するための措置を講じることが重要です。
ステークホルダーからの声がこれを可能にするという考えから、新システムは「Speak Up」(「声を上げよう」)と名付けられました。
今後、アサヒグループでは「Speak Up」システムの利用状況について、報告件数を含む集計データをアサヒ Speak Up 規定に基づき、外部への開示を予定。エシカルな制度の運用を目指していきます。
より詳しい情報はコンプライアンス推進ページをご覧ください。
人権尊重は通報システムを導入することだけではありません。サプライチェーンにおける人権課題に対応することも重要です。アサヒグループはかねてより世界各地で人権の尊重へのさまざまな取り組みを実施してきました。
それらの取り組みの一例が、商品の原材料となるサトウキビやコーヒー豆を生産するブラジルの農園や製造工場への現地訪問です。生産者と直接会い、対話や調査を行なっています。
現地での訪問調査の目的は、従来のデスクリサーチで確認された潜在的人権リスクの実態を詳細に把握し、その状態を踏まえた対応の実施につなげること。
今回ご紹介するのは2023年に実施したブラジルでサトウキビ農園を所有し、製糖・出荷を一貫しておこなっている企業の現地調査についてです。
サステナビリティ活動に関する対話をおこない、作業現場の視察、そして作業を担当する従業員へのインタビューを実施しました。
その結果、環境配慮や人権尊重の一貫としてGreen Energy Label Certification (※1)、ISO 14001(※2)、Bonsucro(※3)など13の認証を取得していることが確認できました。これらの認証取得により、取引量の増加や収益向上につながる手応えを得ていることも判明。
さらに、作業現場の視察では、鋭利な刃物を使用している作業現場において、従業員が会社提供の防護具を着用していることも確認できました。
また、ほかの従業員が危険なエリアに立ち入らないよう、黄色いペンキで区画されているなど、労働安全に配慮していることもわかりました。
これらの調査内容は、良かった点や改善の余地のある点などを含め、訪問先に報告し、さらなる人権リスクの低減につなげています。
今回の一連の取り組みで得られた知見は、今後アサヒグループのグローバル調達組織であるAsahi Global Procurement社のもと、グローバルでの統一基準の設置や情報プラットフォームを活用し、サプライチェーンの人権デューデリジェンスの取り組みを深化させるために役立てていきます。
※1環境に配慮して生産された工業製品や消費者向け製品を推奨する制度
※2環境マネジメントシステムに関する国際規格。
社会経済的ニーズとバランスをとりながら、環境を保護し、変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを表すもの
※3サトウキビの持続可能性に関する世界有数のプラットフォームおよび標準
より詳しい内容は、最新のサステナビリティレポートでご覧ください。
「Speak Up」の導入やブラジルの生産者の現地調査は「アサヒグループ人権方針」に基づいて推進している取り組みです。
また、2024年4月にアサヒグループホールディングスの執行体制が刷新され、「サステナビリティと経営の統合」に向けてグループ全体を牽引する存在である「Group Chief Sustainability Officer(以下、Group CSO)」が新たに設置されました。
このポジション新設は、人権を含めたサステナビリティに対するアサヒグループの強いコミットメントを示し、人権に対する取り組みを加速しています。
このように、グループが一丸となってサステナビリティを推進していくのには理由があります。
アサヒグループは世界各地で100年以上にわたり、自然の恵みによって、数々の「期待を超えるおいしさ」を生み出してきました。提供する商品やサービスが人と人をつなげ、コミュニティを作り、「楽しい生活文化」に貢献してきたことは、私たちの誇りであり、未来に引き継いでいくべきプラスの価値だと信じています。
「事業活動によって影響を受ける人々の人権を尊重することは、企業の責務」──。
アサヒグループでは、これからもすべてのステークホルダーと人権尊重の意識を高め、人権侵害の被害者への救済の仕組みなどを構築、運用し、輝く世界の実現に取り組んでいきます。