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工場のリサイクル水を、干ばつに苦しむ農家の人々に余剰水を活用した災害支援「Water on Wheels」

干ばつに苦しむオーストラリアの農家を支援する「Water on Wheels」。ビールの醸造工程で出る余剰水をリサイクルして農家に届けるこの取組みは、災害支援のみならず、環境負荷の低減、地域社会の皆様が土地とのつながりを取り戻すきっかけづくりにも役立っています。

干ばつで打撃を受ける、オーストラリアの農業

オーストラリアの農業は、常に干ばつの脅威と隣り合わせにあります。過去100年間を振り返っても、数年〜数十年に一度の割合で、全土を深刻な干ばつが襲っています。そのたびに被害を負ってきたのが、農業と関連産業を営む皆様です。一向にやまない日照りで農耕地は枯れ果て、作物の収穫は大幅に減少。牧草地の飼料が枯渇した結果、飢えた家畜の殺処分を余儀なくされる人、先祖代々住み続けてきた家を手放さざるをえない人も出てきます。
2018年にも、近年まれに見る大干ばつが各地を襲いました。2年もの間、降らない雨に為すすべもなく、農家の皆様は経済的、精神的に追い詰められていきました。
そうした事態に心を痛め、「地域のために力になりたい」と立ち上がる人たちの動きが、各地で起こっています。干ばつに苦しむ農家に水を提供する災害支援プログラム「Water on Wheels」も、そんな想いに突き動かされた活動のひとつ。
けん引するのは、ビール会社のカールトン&ユナイテッド・ブルワリーズ社(CUB)と国営の運送会社であるマックコル社です。CUBは100年以上にわたって愛され続けているビールメーカーの最大手で、グリーンのラベルの『ビクトリアビター』でもおなじみ。オーストラリアのビール市場において、5割弱のシェアを占めています。

ビール工場の醸造工程で出た水に特別な処理を施し、農家の皆様へ

プロジェクトの出発点となるのは、CUBが所有するこの国最大のビール醸造所、ヤタラ工場。年間約4億ℓのビールを製造するこの工場は、世界有数の水効率のよさで知られており、醸造工程で余剰水が出ます。「Water on Wheels」はその余剰水に特別な処理を施し、リサイクル水に再生してクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の農場に届ける取組みです。
水の運搬を担うのは、マックコル社の巨大なタンカートラック。普段はワインやビール、サイダーなどを輸送するタンカーに、リサイクル水を満たした缶を載せて近隣の農家へと運びます。「ビールをつくる会社」と「ビールを運ぶ会社」としてかねてから協働している2社が、今度は災害支援チームとなって力を合わせます。

土地とのつながりを失いかけた人たちが営みを取り戻し、前を向くきっかけを

過去1年間に、約68万ℓの水を農家に届けたこの支援活動は、醸造工程で排出された水の有効活用など、環境負荷の面でも副次的な効果を生むとともに、常日ごろからCUBを支えてくれる地域社会の皆様に恩返しをする機会も与えてくれました。
地域をともに生きる仲間の働きかけにより、農家の皆様が失いかけた土地とのつながりを取り戻した「Water on Wheels」。その根底にあるのは、オージーなら誰もが大切にする助け合いの精神「マイトシップ」です。干ばつというピンチが互いの心を固くつなぎ、地域社会をよりいっそう豊かなものへと変えていきます。

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