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昔ながらの麦わらストローを、私たちの手でもう一度「ふぞろいのストロー」によるプラスチックの削減

プラスチックの削減が世界的な問題として注目されるなか、麦わらのストローを復活させるソーシャルプロジェクトが始まりました。「産・官・学・民」が協働し、環境負荷の低減、障がい者の自立、地域社会との共創を目指す試みです。

麦わらストローの復活を目指して、産官学民協働のプロジェクトが発足

カフェやレストランで冷たい飲みものを注文すると、飲みものと一緒に出されるストロー。私たちにとってお馴染みの日用品ですが、現在のプラスチック製ストローが普及する以前は、麦わらでつくられていました。そもそもストローとは、英語で「straw(麦わら)」の意味。今から120年ほど前までは、夏に飲み物を飲むときや子どもたちがシャボン玉で遊ぶときに、麦わら製のストローが使われていたそうです。
プラスチックの削減が世界中で呼びかけられるなか、2021年、「麦わらのストローを復活させよう」と立ち上がった人々がいます。日本各地の農家・福祉作業所・企業・非営利団体・自治体など、さまざまな立場にある人が地域や産業の垣根を超え、ソーシャルプロジェクト「ふぞろいのストロー」を発足させました。
通常、ビールなどの原料となる麦を収穫したあと、茎の部分にあたる「わら」は田んぼや畑の栄養として土に戻します。これを新たな価値を持つ製品へとつくり替える「アップサイクル」という手法で、100%自然由来のストローを現代によみがえらせる試みです。

多くの人の手を経て、1本1本繊維な風合いを持つストローが完成

プロジェクトの旗振り役を務めるのは、アサヒグループを含め、日本全国20近くの組織が参画する一般社団法人広域連携事業推進機構。生産・製造工程において、生産地の農家と福祉作業所が連携して進める「農福連携」を大きな特徴としています。
ではここで、麦わらストローができるプロセスを見てみましょう。通常、麦は大型コンバインで収穫しますが、ストローとなる茎部分をきれいな形で残すため、手作業で刈り取ります。農家の皆様が脱穀して乾燥させたのち、福祉作業所に運ばれて手作業でカット。消毒・乾燥・箱詰めをしたら出来上がりです。完成した麦わらストローは、プラスチック製にも劣らぬ使い心地。口当たりがよく、色合い・太さ・長さが1本1本微妙に異なるために、「自然のぬくもりが感じられる」と好評です。今後は廃棄の仕組みまで考える、資源循環モデルの構築にもチャレンジする予定です。
アサヒグループは、これまでに培ったものづくりの知見と技術力を活かして、製造工程の仕組みづくり、安全・安心な品質管理基準の設定、外部検査機関との仲介、パッケージ開発などの領域で力を発揮しています。

農福連携によって、障がい者の自立と地域経済の活性化を促進

活動初年度の2021年は、麦の収穫時期となる5月にストローの製造をスタート。完成した麦わらストローをクラウドファンディングで先行発売したところ、約2カ月間で目標金額の2倍近くを皆様からご支援いただきました。今後は、環境意識の高い飲食店で使っていただくほか、ECサイトでの販売も検討。そしてさらなる普及と生産量の増加を目指して、本プロジェクトの参画企業である東京・墨田区の浜野製作所と協力し、「半自動ストローカット機」の開発にも挑戦しています。同社はものづくりの相談から設計・試作・量産まで、総合的な技術を持って手がける、まさに「下町ロケット」のような技術屋集団です。
志を同じくする全国各地の人々が出会い、巧みに連携することで、120年前の麦わらストローを復活させた今回のプロジェクト。「地球に優しいストロー」を模索するなかで、障がい者の就労機会と生きがいの場、地域社会との共創を生み出し、「地球にも人にも優しいストロー」を実現することができました。たくさんの人の願いを乗せたこのストローは現在、カフェやイベント、アミューズメント施設、ふるさと納税などさまざまな場面で活用され、人々の心を和ませています。
「『ふぞろいのストロー』という言葉通り、私たちがつくるストローはひとつとして同じものはありません。ぜひ1本1本に込められたストーリーに想いをめぐらせ、味わってみてください」とは、麦農家の方の言葉。みんなのために、未来のために、私も何かいいことをしたい――。あなたも麦わらストローを手にしたら、そんな想いに駆られるかもしれません。

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